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体験記事「みるみるプロジェクトのみるみる手帳」

みるみるプロジェクトさんのご好意で、前々から興味のあったみるみる手帳を手に取る機会をいただきました。今回は、保護者がと眼科医療機関とメガネ専門店を繋ぐツールである、みるみる手帳について紹介したいと思います。

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(画像は記者撮影より)

まずは子どもの眼についての話

みなさんは子どもの眼についてどれくらい知っていますか?

●1歳くらいまでの子どもの視力は0.3程度で、この時期に眼の機能が急速に発達し、3〜5歳前後で視力が0.8〜1.0程度になってモノを大まかに立体でとらえられるようになり、6〜8歳頃で視機能の発達がほぼ完成すること(この時期を視覚感受性期といいます)

●そういった視覚の機能が高まる視覚感受性期に、毎日いろんなモノを見て繰り返し眼から情報を得ることで視力が発達していくこと

鮮明な像を見れていない状態では視力はよくならず、また視覚情報が遮断されることが原因で弱視になること

●屈折異常(遠視や近視、乱視など)や斜視、左右の視力差などによる弱視は、視覚感受性期に早期発見、早期治療、訓練することで良好な視力・両眼視を獲得することが多いこと

●子どもは日々身体的に成長するので、メガネの度数だけでなく、フィッティングの調整やメンテナンスが必要なこと

ここまで読まれると、子どもの時期の眼の治療や適切なメガネの処方と調整が必要なことがお分かりいただけるかと思います。

そして眼の治療については、保護者が、眼科医療機関とメガネ専門店と連携する必要があります。なので生まれたのがこのみるみる手帳なんです。

みるみる手帳の中身を紹介

みるみる手帳は、 弱視や斜視の子ども向けの眼の治療用手帳で、保護者、眼科医療機関、メガネ店をつなぐ記録ツールでもあります。

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(画像はみるみるネットより)

ではその中身を紹介していきます。

目次は以下の通りです。

1 みるみる手帳とは
2 みるみる手帳のつかいかた
3 おうちの人から あなたへ
4 視機能の発達過程
5 ものが見える(認識する)しくみ
6 子どもの眼(視力)の発達
7 正視と屈折異常/両眼視機能とは
8 弱視の種類
9 眼と脳と身体の発達
10 どうしてメガネがいるの?
11 アイパッチってなに?
12 治療用メガネの健康保険適用
13 たいせつなフィッティング
14 メガネはどこでつくるの?
15 メガネ専門店 記録表
16 メガネのマニュアル
17 みるみるステップ
18 子どもの眼の成長記録
19 眼科受診メモ・次回予定
20 眼科医療機関の連絡先
21 メガネ専門店の連絡先

1 みるみる手帳とはは、みるみる手帳についての説明が、2 みるみる手帳の使い方は、①読んで(メガネ店に行く前に読む)、②出して(眼科受診やメガネの購入、調整の際に提出)、③記入する(連絡先と治療の様子を記入)の使い方が紹介されているページです。

3 おうちの人から あなたへは、一緒に取り組む保護者の方から子どもへのメッセージを記入するページです。みるみるネットに記入例が掲載されています。

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(画像はみるみるネットより)

4 視機能の発達過程から14 メガネはどこでつくるの?までは、眼やメガネについての医療情報・解説のページです。みるみるネットにも同様の情報が掲載されています。

15 メガネ専門店 記録表は、メガネ専門店での購入履歴や子どもの様子を記録するページです。特に弱視斜視治療用眼鏡の保険適用の場合、
購入領収書の日付が必要になり、後で確認を求められることが多い
ので、こうやって記録しておくと便利ですね。みるみるネットに記入例が掲載されています。

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(画像はみるみるネットより)

17 みるみるステップは、メガネ専門店でメガネの調整した記録をつけるページです。

18 子どもの眼の成長記録は、眼科で記入してもらうページです。見ているとなんだか母子手帳の成長記録の記録を思い出します。みるみるネットに記入例が掲載されています。

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(画像はみるみるネットより)

19 眼科受診メモ・次回予定は、保護者と眼科の連絡帳のようなものです。診察中に聞けなかったことや、気になること、次回に確認したいことなどを書いておくことでスムーズにやり取りできますね。みるみるネットに記入例が掲載されています。

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(画像はみるみるネットより)

最後に眼科医療機関とメガネ専門店の連絡先ページで、みるみる手帳は終わりです。

みるみる手帳のおすすめポイント

ここらから僕の個人的な3つのおすすめポイントを紹介していきます。

1つ目は、親子を繋ぐツールになることです。

おうちの人からあなたへで、保護者から子どもさんへメッセージを書くことや、イラスト付きでわかりやすく解説された眼についてのページを親子で見ることで、治療やメガネ、あるいは訓練の大切さを知ることができます。

家庭での訓練の具体的な方法や子どもたちが進んでメガネをかけたり、アイパッチを楽しくつけたりする工夫も紹介されています。

2つ目は、子どもが楽しむ工夫があることです。

イラストなんかもそうですが、特にみるみるステップです。子どもは成長が早いので何度もメガネの調整が必要になります。そんな子どもたちが、達成感を持ったりやる気がアップするように、1回ごとにみるみるシールを貼るようになっています。

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(画像は記者撮影より)

3つ目は、親と眼科とメガネ専門店を繋ぐツールになるということです。

まぁそもそもそのためのツールなのですが笑

ですが、改めてみるみる手帳の実物を見て、どちらも眼に関係する、眼科とメガネ専門店とを繋ぐことの大切を感じます。

どごで手に入るの?

みるみる手帳は、基本的にみるみるプロジェクトに賛同されている眼科医さんで手に入れることができます(なんと眼科医さんに無償で提供されているそうです)。

ホームページからのダウンロードやみるみるプロジェクトへ直接請求はできません。

みるみるネットでは、「みるみる手帳を活用中の眼科一覧」のページがあり、お住まいの地域にある眼科医さんを調べることができます。そしてその数はどんどん増えています。

どんどん広がる、みるみるプロジェクトの輪

みるみるプロジェクトさんの取組みは、「みるみる手帳」だけではありません。

ホームページ「みるみるネット」では、眼やメガネについての情報、弱視やその治療と訓練などについての情報、小児眼科医やメガネ店からのメッセージ、「手帳を活用している眼科一覧」「みるみるSHOP一覧」など、治療について、広く知っておきたい情報が掲載されています。

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(画像はみるみるネットより)

それだけでなく、眼科医療従事者とメガネ販売店の専門ページがあり、それぞれセミナーを開催し、情報や技術を共有し弱視・斜視治療全体の発展に取り組んだり、子どもメガネのノウハウの共有し、治療に大切なフィッティング技術を保有するスペシャリスト店として育成されたりしているのです。

個人的には視能訓練士平良のみるみる日記もおすすめです。

まさに子どもたちの大切な眼のために、眼科医、視能訓練士、メガネ店、フレームメーカーと保護者を繋げる役目をされているんです。

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(画像はみるみるネットより)

まとめ

みるみる手帳の紹介どうでしたか。

うちの子どもたちは、病院のカード類と保険証・医療証、母子手帳、お薬手帳、予防接種手帳などを1つのケースにまとめています。眼科に通って眼鏡が必要になったら、ぜひこのみるみる手帳も一緒に入れます!サイズ感もちょうど同じくらいですし。

そして、そんな「みるみるの輪」がこの先もどんどん広がっていってほしいと思います。

そのためにも、全国の眼科医さんやメガネ専門店、ぜひみるみる手帳を導入していってください!!

今回の記事がみるみるの輪が広がるための何かに役立てば幸いです。


今回紹介したみるみるプロジェクトさんは、ホームページでもTwitterでも情報発信されていますので、気になる方はそちらも覗いてみてはどうでしょうか?



表紙の画像はみるみるプロジェクトから引用しました。