(続き)元・子どもからの体験コメントから、アイパッチ嫌のピークを掘り下げる

こんにちは、近藤ろいです。
今4歳の上の娘は弱視治療をしています。
「遠視性不同視弱視」といいます。
左目が強い遠視であまり見えておらず、治療をしなければ将来眼鏡をかけても視力が出ないかもしれない状態です。

今のシリーズでは、「アイパッチ嫌!」をめぐる模索についてお送りしてきましたが、
ひっつさんという方から、元・治療を受けていた子どもの立場からコメントを頂きました。 


前回に引き続き、今回も引用しつつ、眼鏡やアイパッチ治療に対する子どもも思いを掘り下げていきたいと思います。
(前回)



引用の続きです。

子ども自身だって我慢する力は成長する

あと、子ども自身の成長ですよね。
今はまだ我慢できなくても、出来るようになります。それと視力の成長が同時になるので、なんとなく騙し騙しやってても、そのうちそれがちゃんと継続習慣として当たり前になり、抵抗も薄くなっていくと思います。

これも、とても勇気づけられる言葉でした。

あと、子ども自身の成長ですよね。
今はまだ我慢できなくても、出来るようになります。

私だけでしょうか?

「子ども自身には何の咎も無いのに、嫌なことをさせているので、
せめて負担を感じたり努力したりするのは、親だけで構わない」
、という
何となくのセーブを自分に掛けています。

子どもの成長に期待しないようにしている、というか。

子どもが成長したから我慢できる度合いは増えるのだろうけれど、
「よしよし、その分重しを子どもの方にやるから、親は楽になるぞ」
ともくろまない様にしている、というか。

だって能力的に我慢できるようになったとしても、
子どもにしては"したくないのに我慢できてしまう"というしんどさもある訳で。
4歳の壁の癇癪なんか、そればっかりやんと思う日々です。




しかしひっつさんのような、元・子どもさんの立場から
「子ども自身も成長するから、我慢できるようになるよ」と言ってもらえると、

「あ、そこに期待してもいいのね!?」と、とても勇気を頂きました。

今が一番しんどい時、と思って日々を何とかやり過ごすというか。

嬉しいですね。


もう一つ嬉しい記述。

騙し騙しでも継続習慣になっていく

それと視力の成長が同時になるので、なんとなく騙し騙しやってても、そのうちそれがちゃんと継続習慣として当たり前になり、抵抗も薄くなっていくと思います。

そうなんですよね!
親としても期待するところを、子どもの立場として振り返って言ってもらうと、
ものすごく勇気づけられます。

「子どもの成長」 + 「視力の成長」がある。
だから、騙し騙しやっていったらいい。
徐々に継続習慣になるし、抵抗も薄まるし、日常に溶け込んでいく。

ですって!!

私はこのコメントを聞いて、「異文化への適応モデル」を思い出しました。

わかりやすく解説してくださっているので、こちらから引用します。

これの「キムの螺旋状図」。

まさにこんな感じで、
「嫌がる → 親としても踏ん張る → 子どもも親も成長する → 嫌だけど続けるようになっていく (→また嫌になる時はくる)」

という感じでしょうか。

ここの変遷は、3歳半~就学前という、いくつかの発達の節目を迎える時期と重なってとても面白いので、
臨床心理士としてもう少し掘り下げてみました。
次回の記事でお送りします。

引用に戻ります。
次が最後です。


多少弱い側があっても特に問題なく暮らしています。

結果としては成人後に『ここまで強い遠視弱視でここまで両眼視できるなら眼科医としてはもう万々歳』(弱視側の視力は1.0ないけど)だそうでした。
成人後は矯正の両眼視で運転免許も行けるので、多少弱い側があっても特に問題なく暮らしています。
いや、これ40年前の話なんですけど、本当昔も今も変わらないなぁと思います。

うぉお…!

お聞きになりました?

40年前、当時の眼科さんがきっと「まじかよ」と思うような強い遠視弱視(何なら斜視)もお持ちのひっつさんでしたが、
ひっつさん、そして親御さんのナイスタッグにより、改善したとのこと。

聞いているだけで嬉しいですね!


私ら「アイパッチ嫌」と言われた時、

「今、ここでアイパッチしろと言わなければ、
将来運転免許が取れないかもしれない。
着ける職業に制限がかかるかもしれない。
結婚できないかもしれない。
でも、続けていても改善しないかもしれない」

みたいな悲壮な覚悟が湧き上がって自分を苦しめる訳ですが。

ひっつさんはその後特に問題なく暮らしておられると!
運転免許も取れると!!

こんなに勇気の出るコメントはないですよ。



今回は「子どもの立場からのコメント」を掘り下げてみました

今回はひっつさんから頂いたコメントをもとに、子どもの立場から見た治療生活や「アイパッチ嫌」の変遷などを考察しました。

その中で、

  • 親の必死さを覚えているよ

  • 片目の視力が上がると不快は軽減される

  • 子ども自身だって我慢する力は成長する

  • 騙し騙しでも継続習慣になっていく

  • 多少弱い側があっても特に問題なく暮らせるようになる

といった示唆を頂きました。

ひっつさん、貴重な機会をありがとうございました。

通常、ここまでねちこく掘り下げられたら嫌になられるかもしれませんが、
どうかめげずにこれからもコメントお願いします。

そして機会があれば、他の方からももちろん体験談をお待ちしています。

我々、弱視治療親子って、星みたいなものだと思っています。

恒星。


一つ一つは持てるエネルギーの限り輝き、治療を含めた日常生活を送っている。

周りにも同じような恒星がぼーっと見える。

けれど、他の星とのつながりは無くて、
ショッピングセンターや遊び場などで、同じく眼鏡をしているお子さんとすれ違う時に「同志だなあ」「どんな治療されているのかなあ」「家ではアイパッチしているのかなあ」など想像するだけ。

或いは、こうしたインターネット上で治療状況などを発信してくださるのを読んで、想いを馳せるだけ。

行政も医療も、子どもの弱視治療をテーマにした家族の集いやピアカウンセリング的な集いは無さそうです。

それではちょっと辛いな、もう少し同じ立場でつながって支え合えないかな、と思って立ち上げたのが、このサイトです。

布アイパッチ型紙を始め、

絵本を売ってみたり、

みんチャレでチームを作ってみたり。

まあ私の動きなんぞ、6等星くらいのものでしょうが、
それでもこうしてお声を掛けてくださったり、目に留めて下さる方がおられ、つながりを持たせて頂けると、
ああ運営していて良かったなあと思います。



コメント掘り下げはここまでです。

次回はそこから発展して、ちょっとマニアックな世界をご堪能頂きます。
「臨床心理士、3歳児健診で見つかった遠視性不同視弱視の子どもの気持ちの変遷を予想する」
お楽しみに!