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ものキャン7期生 卒業論文

2018年12月11日、私は保護犬カフェで瀕死のトイプードルの女の子に出会いました。これが全ての始まりでした。


1、種を超えた母娘

私は、「猫が大好きで、犬が大嫌い」でした。子供の時に右手のひとさし指を噛まれた恐怖を何十年も引きずっていたからです。

当時の愛犬は、ペット産業の産業廃棄物として殺処分されるところを保護されて保護犬カフェで里親との出会いを待っていました。命は助かったものの、いくつもの病気を抱えた瀕死の状態でした。

歯槽膿漏、パテラ、そしてお腹には複数の腫瘤があったのです。
毎日辛かったと思います。
お店では、「三角釣り目ちゃん」とあだ名をつけられて、臆病がゆえに仲間に噛みついてしまう、かなり問題のある犬でした。

保護犬時代の愛犬


保護されてから何ヶ月経っても里親希望者はゼロでした。
理由は、病気が多すぎて治療費にいくかかかるか分からない上に、手術をしても、すぐに看取りになる可能性があったからです。

獣医に診せずに里親を探していた理由は、保護犬カフェとしては高額な医療費が出せないので、何もかも了解してくれる里親に期待するしかなかったからです。

それなら、私が里親になろう!

後先考えずに里親になることを申し出て、2日間の時間をもらってお迎えの準備をしました。そして、2019年2月4日に愛犬は私の娘になりました。

愛犬のお世話は思った以上に大変でした。全身麻酔をした手術を3回して、やっと生きていける体になりました。
しかし、栄養状態がかなり悪かったせいで傷口がなかなか治らず、退院後はうっとおしい病後服を着る生活が続きました。

愛犬の看病をする中で、着やすいお洋服を着せてあげたいと思うようになりました。愛情をこめてお洋服を作れば、24時間母親の愛で包んであげられると思ったからです。

これが、私が犬服を作り始めた理由です。

抱っこが大好き

2、愛犬の名前は「真珠」

実は、愛犬をお家に迎えてから半年くらい、私は、愛犬の名前を考えていませんでした。入退院の繰り返しで、名前を考える余裕がなかったと言うのが正直な理由です。

体に負担のない病後服を考えている時に、ふっと「真珠」のイメージが浮かんだのです。愛犬が真珠で私が真珠貝、そんなイメージでした。

そうだ、愛犬の名前は「真珠」にしよう!そして、真珠貝の私が24時間抱くように大切にお世話しよう。私が抱っこできない時は、愛情をこめて作ったお洋服で包んであげよう。

そう、考えたら名前はすぐに決まりました。
マーガレット・ベルナデッタ・マナ
愛称はメグちゃんです!

マーガレットは、誰もが知っている白いお花です。ギリシャ語で真珠を意味します。ベルナデッタはフランスのルルドにあるヌヴェール愛徳修道会のシスターで、後に聖女となった人です。マナはハワイで神秘的な力の源とされる概念のことです。

これだけ素晴らしい名前を付けたら、愛犬は絶対に神様に守られて元気で幸せに生きて行けると思いました。

「初めてメグちゃん」と読んだ時、キョトンとした顔で、2~3回しっぽを振ってくれました。とても可愛かったです。

3、着せやすい犬服が人気になった

メグちゃんのお洋服は犬友さんの間で話題になりました。メグちゃんがいた保護犬カフェに連れて行くと、いつも私は常連さんに囲まれてお洋服の作り方を聞かれたのを覚えています。

私は頭から被せて着せるお洋服はストレスになると思い、首元とお腹でマジックテープで留める物を作っていました。着せやすくて、脱がしやすいとてもワンちゃんに優しい服です。

しかも、着なくなった自分の服や、手作りした子供服をリメイクして作れます。捨てられずに箪笥や押し入れに入れてあったお洋服で作るので、着なくなった服の整理もできます。

保護犬カフェではスタッフさんや常連さんから作って欲しいと依頼が来ることが多くなりました。最初は無料で作っていたのですが、次第に無料は申し訳ないので少しでも受け取って欲しいと、無理に封筒を渡されたこともあります。

仕方がないので、少しだけ手間賃を頂くようになりました。そうしていると、リメイクではなく、新しいお洋服を作って販売したらどうかと言われるようになったのです。作るのは楽しいし、自分では2ヶ所止める着せやすさが気に入っていたので、販売もいいかもって思うようになりました。


4、商品説明ができない

犬服を作って販売するのはとても楽しい作業でした。買ってくださった方が、ご自分で生地を選んで、オーダーメイドを希望してくださることもありました。

ありがたいなって思っていたら、徐々にオーダーメイドが増えて、1ヶ月お待たせすることが何度もありました。それでも皆さん、出来上がりを楽しみに待ってくださいました。

ある日、ご近所の犬友さんが、「犬服を売って保護犬活動に募金しない、手伝うから」と言ってくださったのです。ちょうど友人の家の片づけを手伝って、大量の思い出の服を犬服にリメイクするのに成功した時でした。

ご近所から古着を頂いて、リメイクして売れたら材料費がほとんどかからずに犬服が作れると思いました。そうすれば、少しでもメグちゃんのような過酷な環境下に置かれている子達を助けられると思いました。

保護犬カフェの常連さんや、ご近所のお散歩を一緒にする犬友さんも仲間に入ってくださって、とても楽しいサークルができました。

しかし、作ったのはいいのですが、よく似た犬服の商品説明が上手くできなかったのです。その時、商品説明は簡単なようで結構難しいなと思いました。

どうしようか悩んでいた時に、ストアカでお世話になったまよまよ先生のことを思い出しました。色々調べて「ものかきキャンプ」の説明会があるというところまでたどりつきました。しかし、説明会の日が2日しか残っていない。毎回キャンセル待ちがでるこの講座に上手く入れるかとても心配でした。

結果は、入れました!

後はまよまよ先生のご講義を聞いて楽しく頑張るだけ。そう思いながらワクワクししながら開校日を待ちました。

5、開業届が出せた!

まよまよ先生のご講義はパワフルで、毎回全速力でデパ地下を走りながら夕食の食材を買い集める感じです。何度でも学べるように動画を撮ってくださっていますが、講義中はみなさん先生について行こうと必死で走っておられました。

しかも、2週間に1度は走りながら買い集めた食材で作った物を提出しなければいけません。過酷だけれども、達成感は半端ないです。

ご講義は3ヶ月。3ヶ月で凄い力を付けて卒業される方もおられますが、マイペースを続けている方もおられます。私もマイペースグループです。

私は、今でも長年のくせが抜けずにいます。いまだに同じようなところで悩んでいるのです、しかし、書くことに自信ができました。それは、毎日Xに投稿したからです。毎日1着犬服の写真をあげて、140文字で説明しました。

最初は素材とみれば分かる色やデザインの説明をしていました。しかし、だんだんどんなシーンで着せたいかを書けるようになり、2ヶ月も書いていると、どんな方に購入して頂きたいかを頭に描きながら書けるようになりました。自分でも凄い進歩だと思います。

そして、自信が付いたところで開業届を出しました。何ヶ月も悩んでいた開業届ですが、自分が思い描いたことを言葉で説明できるようになったという自信に背中を押されて出しました。

愛犬を抱っこして区の税務署に行きました。小さいボロボロの建物です。
どこで提出するのだろうと思ったら、入り口を入ってすぐの仮設の受付でした。

若い職員さんが、さっと目を通して、ポンとまあるい日付印を押して、「お疲れさまでした」と言って控えを下さいました。ものの30秒。

あっけない感じでした。あんなに悩んだのに!
でも、帰り道はとても嬉しい気持ちでした。

メグちゃんに向かって、「お母ちゃんね、今日から商人(あきんど)になったんよ」って言いました。そして、着やすい犬服にまよまよ先生のお陰で書けるようになった商品説明文を付けて、売って売って売りまくり、ボロボロの税務署を建て替えられるだけの税金を納めるぞって誓いました。

終わりに

まよまよ先生、私に開業届を出す自信と行動力をくださてありがとうございました。
先生の3ヶ月のご講義は、これまでの人生で一番集中して、真剣に学んだと言っても大げさではないと思います。

受講生の緊張を解くために、先生は時々ジョークを言ってくださいましたが、一瞬笑ってもすぐに真顔に戻っていました。なんせ常に走っていたのですから。

ゴールを走り抜けるって、本当に気持ち良いです!
何度も講義動画を見て学びなおさないと、私の場合は3ヶ月では身につかないと思います。しかし、3ヶ月前の私とは確実に違うというのが分かります。本当にありがとうございました。

コンシェルジュのひろさまには色々とお世話になりました。質問してもすぐにお返事が頂けるのでとても助かりました。本当にありがとうございました!

kindle本の章立ての時に、夜遅くまで相談にのり、成功に導くマインドマップを作製して下さった先輩のつきうささま、おかげさまで書き上げることができました。本当にありがとうございました!

振り返れば、あっと言う間の3ヶ月でした。完ぺきではないですが、とにかくやり切りました。

Done is better than perfect!


学位記よりも値打ちがある卒業証書!

まよまよ先生、ありがとうございました。
先生への感謝の気持ちとこれからも精一杯努力することを誓って、この文章を卒業論文とさせて頂きたいと思います。

先生といずもくんの益々のご活躍とご多幸をお祈りいたしております!






愛犬メグは保護犬です。メグの里親になってから劣悪な環境下にいる保護犬・保護猫の存在を知りました。そして、その子達を助けようと寝食を忘れてお世話しておられる方々の存在も知りました。私は少しでも小さな命とそれを守ろうとしておられる方々のお力になれるような活動をしたいと思っております。