見出し画像

「0歳から保育園に預けるのはかわいそう」と罪悪感があるあなたへ贈る5500字

「0歳から保育園に預けるなんて、かわいそう」

0歳入園を目指す親なら、一度は考えたことがある言葉。
私も迷いがなかったかと言われればウソになる。

保育園に預けるかどうかという話題になった時に、思い出すのはこの言葉。

3歳児神話。
3歳まで母親が育てた方がいいよという神話。

個人的には、「3歳まで保育園に預けない」という選択肢は全くなかった。でも、0歳で保育園に預けるのは迷いがあった。

0歳どころじゃない。
我が家の娘は早生まれだった。だから0歳で保育園に預けるということは、生後2ヶ月で保育園に預けるということを意味した。

わずか生後2ヶ月から保育園に預けるのか。それとも1年のばすか。
妊娠中から夫と何度も話し合った。

実を言うと、0歳で預けること自体には、実はそんなに抵抗感がなかった。そんな私でも、さすがに生後2ヶ月となると迷いが出た。

生後2ヶ月の赤ちゃんって、何も出来ない。
歩けない、立てない、離乳食食べない、なんてレベルじゃない。
寝返りさえ出来ない。
本当に自分で何も出来ない。何も。
ただただ、毎日仰向けになって、ミルク(母乳)を飲んでいるか、泣いているか、寝ているか、たまに笑っているか、ぐらいの赤ちゃんだ。

そんな2ヶ月の赤ちゃんを、保育園に預けるのか。
いくらなんでも、さすがにかわいそうなんじゃないか。
寂しい思いをするんじゃないだろうか。
っていうか、生後2ヶ月って、当たり前だけど産後2ヶ月なわけで、私はそんなに早期に仕事復帰して、母体は大丈夫なのだろうか。

迷いに迷ったあげく、0歳の4月入園に申し込んだ。なぜこの決断にしたかは、また別のnoteに書こうと思うんだけど、結果として、第5希望で入園できた。

そして今。保育園に1年以上通っているが、後悔は全くない。0である。
「やっぱりもう少し育休長くとって一緒にいてあげた方が良かったかな」と微塵も思っていない。

だから、「0歳から保育園に預けるのはかわいそうかも」って迷っている人へ。もしくは今預けていて、罪悪感を覚えている人へ。そんなことはないんだよ、というのを伝えたくて、このnoteを書いてみます。

生後2ヶ月より早く預ける人はいないと思うの。だって、預かってくれるのって最短の保育園で生後2ヶ月からだから。

画像1


◆罪悪感の根底にある考え

子どもを保育園に預けることに、迷いがある、罪悪感があるのはなぜだろう?

その理由を突き詰めていくと、私はある解にたどり着いた。

保育園に預ける=親が育児に手を抜いている

こう思っているフシが、どこかにあるのではないだろうか。

本来、子どもは親が育てるべきだ。
だから、保育園に預けるということは、親が育児の時間をちゃんととっていないということだ。
だから、子どもは寂しい思いをする、それは悪影響だ。

こういう思いが、心の片隅にあるんじゃないかな。

でも、0歳2ヶ月から保育園に預けた私が断言する。
保育園に預けるとは、こういうことだ。

保育園に預ける=プロが一緒に育児をしてくれる

決して、親が手を抜いているのではない。むしろ、プロが一緒に育児をしてくれるので、子どもにとって素晴らしい環境を整えているのだ。

画像2

特に第一子の親は、子育ての初心者だ。すべてが初めての経験だ。
離乳食1つとっても、いつから食べさせて、何をどのぐらい食べさせて、アレルギーに考慮しながらどういうステップを踏むのか、全く知らない。もちろん本やネットに情報はあふれているけれど、どの情報が我が子にとってベストな情報なのかが分からない。
考えるのは離乳食のことだけじゃない。していいことと悪いことも教えていかないといけない。それらを初心者の親だけでやろうとするのって、無理があるんじゃない?大変すぎるでしょ。

画像3

保育園に預けていると、プロが子育てを一緒にしてくれる。プロが我が子の成長にあった働きかけをしてくれる。

例えば、先ほどの例でいくと離乳食。

我が家の離乳食は、保育園が娘1人のためだけに、オーダーメイドの離乳食スケジュール表を作ってくれた。


初期の離乳食で我が家がやったことは、アレルギーがないかを見るための新しい食材のお試し(土曜日の午前中)と、土日の離乳食だけである。平日は何もしなかった。平日は保育園にお任せできる。この安心感はすごい。保育園の栄養士さんが、プロが、娘のためだけに、成長に合った手作り離乳食を提供してくれるのだ!栄養満点!しかも美味しい!イベントで離乳食を食べさせてもらえる機会があって試食したんだけれど、薄味なのにしっかりとダシがきいていて、それでいて栄養もあって、本当に素晴らしい離乳食だった。これって、娘にとって、めちゃくちゃ素晴らしい環境やん!

保育園に預けていなかったら、育児初心者の私と夫で、「そろそろ離乳食か?」「いや、まだこの子には早いか?」というのを考えないといけなかったし、そもそも毎日離乳食を作らないと行けなかった。栄養バランスも、成長に合わせた食材や量も、すべて初心者で考えないといけなかった。考えただけで大変!私ら別に栄養士ちゃんねん。だからそんなに知識ないねん。育児のプロでもないねん。

離乳食だけじゃない。育児初心者の私たちにとって、育児のすべてが分からんかった。歯磨きはいつから始めればいいの?トイレトレーニングはいつから?すべて育児のプロである保育園の先生に、なんでも相談できた。
相談というか、保育園の先生から教えてくれた。「そろそろ歯ブラシを用意してください。」と連絡帳に書かれてあって、「なるほど、そろそろ歯磨きなんだな。」という風に。トイレだって、お兄ちゃんお姉ちゃんがトイレへ行っているのを見て、トイレを学んでくれた。(もちろん、まだ1歳なので完了はしていません。)

何か相談ごとがあれば、保育園の先生に相談すれば、だいたい解決した。月齢が小さい時は、朝の母乳問題について相談したこともあった。保育園に0歳から預けるということは、0歳から育児のプロが毎日育児をサポートしてくれるのだ!

なんて素晴らしい環境!0歳から保育園に預けるということは、子どもにとって素晴らしい環境というだけでなく、親にとっても素晴らしい環境だった。


◆保育園に通う前の育児

生後2ヶ月で娘を保育園に預けた私は、保育園なしでの育児を2ヶ月しかしていない。たった2ヶ月。それでも、めちゃくちゃ大変だった。その2ヶ月は、全く時間がなかった。その時の記事はこちらをどうぞ。


育休中ぐらいは、育児以外の家事をすべて夫にお願いしても良かったなと今なら思えるんだけど、当時は逆だった。「育休中だから、家事もしなきゃ。」と思っていた。育休って名前で、なんだか休みのような感覚でいたのだ、当事者の私でさえ。今から思うとトンデモナイ。育休は全然休みなんかじゃなかった。

仕事と育児、どちらが楽という問題ではない。それは、野球とサッカーのどちらが楽か、というぐらい愚問だ。野球の方が向いている人もいれば、サッカーの方が向いている人もいる。サッカーの方が向いているけど野球の方が楽しいよっていう人もいる。ただ、それだけのこと。

「育休中だから家事もしなかきゃ。」というのは夫から言われたわけでは全くなく、私自身にその呪縛があった。子どもの授乳、オムツ替え、ジーナ式でのスパルタスケジュール。それらに加えて、大人の食事作りに家事。

画像4

育休が大変だ、なんてことを書くと、子どもが苦手かと言われそうだけど、そんなことは全くない。子どもは好きだ。大好きだ。大大大好きだ。

でも。
自分の行きたいタイミングでお手洗いに行けない、自分のお腹がすいたタイミングでご飯を食べられない。自分が寝たいタイミングで寝ることが出来ない。自分が思ったタイミングで自分のしたいことが出来ないというのは、小さなストレスが積もっていく。


それが、保育園に預けてからは、自分のしたいタイミングで色んなことが出来るようになったた。お手洗いも、行きたい時に行ける。ご飯も、食べたい時に食べられる。子どもが生まれるまでは当たり前に出来ていたことだったけれど、保育園に預けて、自分のタイミングで自分のしたいことが出来ることに感動した。

そして何より。仕事を終えて、保育園で娘に会うと、「あー、会いたかったよー!」と思わず声に出しちゃうほど、かわいい。24時間一緒にいるのではなく、限られた時間を一緒に過ごすのだから、全力でこの子に向き合おうと思えるのだ。帰宅後2時間は、娘100%だ。


◆3歳児神話を分解してみた

ここで、冒頭に書いた、3歳児神話を、もう少し深掘りしてみましょう。3歳児神話、聞いたことがある人もいるでしょう、耳タコの人もいるでしょう。

3歳児神話とは、子供が3歳になるまでは母親は子育てに専念すべきであり、そうしないと成長に悪影響を及ぼすという考え方。
(wikipediaより)

要するに、3歳まで母親が育てた方がいいよという神話。3歳児神話には賛成の人も反対の人もいると思うけれど、これには、2つのポイントがあると思っている。

1.子どもの成長にとって3歳までが非常に大切だという考え方。

2.その大切な時期だからこそ、母親が子育てに専念しなければならない。母親が子育てに専念しないと、子どもはとても寂しい思いをして、将来にわたって成長にゆがみをもたらすという考え方。

画像5

まず、1つ目のポイントについて。子どもの成長にとって3歳までが非常に大切だという考え方。これは、その通りだと思っている。

人生の最初期であるこの年代は、人間の土台を作る本当に大事な時期です。この時期には、毎日の生活の中で「自分は大切にされている。愛されている」と実感できるようにしてあげることが極めて重要です。それによって、子どもは基本的信頼感を持てるようなります。基本的信頼感とは、自分に対する信頼と、他者や世界に対する信頼の2つです。
前者は、「自分は愛されている。自分は大切な存在なんだ。自分は存在していいんだ」と思えることです。後者は、「他者は信頼できる。自分を取り巻く世界は信頼できる。自分は安心していいんだ」と思えることです。基本的信頼感が持てれば、自分も他者も大切にしながら、人生に夢を持って前向きに生きていくことができます。
ベネッセ教育情報サイトより)

異論なし。

次に、2つ目のポイントについて。3歳までは母親が子育てに専念しなければならないという考え方。

私は、この部分において、母親だけである必要は全くないと思っている。そもそも、子育てという超巨大重要プロジェクトを、たった1人の大人が遂行するなんて、無理な話。仕事でいうと、人員配置を間違えている。子育ては、母親以外にも、父親や保育園の先生など、色んな人が関わった方がいいほどの超巨大重要プロジェクトなのだ。だって、ヒト一人育てるんだよ!?

そんな超巨大重要プロジェクトを、母親1人だけが任されてしまったら。母親だって、一人の人間だ。いくら大好きな子どもとはいえ、24時間ずっと一緒にいたら、イライラすることもあるだろう。

イライラしている大人につきっきりで育てられることは、子どもにとって最大の悲劇です。イライラがつのれば、結局子どもをたたくなどの虐待に走ってしまうことになりかねません。3歳児神話が虐待の温床になっているといわれるゆえんです。
そうなる前に、仕事を始めるなどして、子どもと離れる時間を持つことは、とてもよいことです。子どもと離れる時間を確保すれば、息抜きできてリフレッシュされます。そうすれば心が安定して、また子どもに愛情深く接することができます。子どもにしてみても、保育者にたっぷり愛情を注いでもらうことができれば、イライラした母親のそばにいるよりよほど幸せな時間を過ごせます。
もちろん、親が「子どもといると本当に幸せ。ずっと子どもといてもイライラしない。常に優しく接することができる」という人なら自分のもとにおいて育てたほうがいいかも知れません。それに勝る環境はないのですから。でも、そういう人がどれだけいるでしょうか?
ベネッセ教育情報サイトより)


私は、子育てをしていて、幸いにも「子どもがかわいくない」と思ったことがなかった。でもこれは、本当に「幸いにも」なのだ。

もちろん、保育園に預けなくても、夫の協力がなくても、ほぼワンオペでも、心身ともに健康で育児が出来る人もいる。でも、人はみんな生まれつきの資質がある。ケアリングやナーサリングに向いている人ばかりではない。母親だって、最初から母親だったわけじゃない。自分の子どもを妊娠して、産んで育てて、母親になっていくのだ。

私の周りの友人の話を聞いていると思う。24時間子どもとずっといる生活が何ヶ月も続くと、特にそれがワンオペだと、絶対くる。「あれ?子どもがかわいくないぞ?」という時が。それは、子どものせいでもない。母親のせいでもない。ただ、母親にかかっている負荷が大きすぎるという事実のせいなのだ。当たり前のことだと思う。

私が幸いにも毎日、「子ども大好きー!」と心の底から思えたのは、2ヶ月から保育園に預けたからだと思う。夫はもちろん子育てに欠かせない超強力パートナーだけど、夫にだって仕事がある。私にだって仕事がある。そして2人とも仕事が好きだ。だから、保育園というプロと一緒に子育てすることによって、孤独な子育てから解放されたし、だからこそ育児に余裕が出来て、子育てを楽しめるようになったのだと思う。


大切なことだからもう一度言います。

保育園に預ける=プロが一緒に育児をしてくれるということです。

私は、0歳2ヶ月から保育園に預けて、心の底から良かったと思う日々を過ごしています。




育休中はこんなスケジュールでした。
●産後1ヶ月、私は何をしていたのか~メモ魔による育児の見える化~

●生後28日目、メモ魔による育児の見える化

●仕事復帰までにやるべきこと3つ~復帰1ヶ月前に私がしたこと~


ありがとうございます!サポートとても嬉しいです。いただいたサポートで、娘に絵本を買っています。