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FemtechFes!2021で気になったメノテック(更年期)製品と日本の更年期市場の課題

10月22日~24日まで開催されたFemtechFes!
世界中から集められたプロダクトにワクワクが止まらなかったが、その中でも気になったが、メノテック(更年期)製品。

30以上の更年期障害の課題を解決する製品が展示されており、約半数がアメリカ。イギリスも多いイメージがあったが、イギリスはサービス寄りの解決策が多いのかもしれない。(以下記事参照)

そんな中、気になったメノテック製品を紹介します。

Embr Wave2(アメリカ)ホットフラッシュ

更年期のホットフラッシュなどの症状緩和のために、手首につけて温度調整を行うウェアラブルデバイス。

FemtechのFounderは女性が多いが、この企業のFounderは男性3名。真夏の暑い実験室で、トレーナーを着て研究をしていた不快な経験から開発されたもの。
米国在住の男性の知り合いが使っていたという話しを聞き、最初から更年期のホットフラッシュを解決するものではなく、別の課題から生まれたものを更年期のホットフラッシュ軽減にアレンジしたよう。

更年期分野の展示は、骨盤底筋や尿漏れの課題解決するものが多かったが、ホットフラッシュ軽減のデバイスだと、Menopod(アメリカ)も気になった。
マウス型で使っていて自然な感じ。ぜひ購入したいと感じた。

Finess(アメリカ)尿漏れ

骨盤の底の筋肉が弱くなることによる尿漏れ。
軽~中度の女性の尿漏れの課題を解決する製品で、尿道口を覆うように装着し、一時的に尿漏れを防ぐ。粘着性のハイドロジェルが作用し、尿道口をしっかり覆うことができる。

尿漏れの課題解決だと、ELITONE(アメリカ)Contrelle(イギリス)も気になった。ELITONEはFDA・CE認証取得済みでもあり、「尿漏れ」の課題が米国では徐々に顕在化してきている可能性はある。

更年期の事業を考える際に、実際に更年期障害で悩んでいる方にヒアリングをしているが、「尿漏れ」という言葉はあまり出てこない。
しかし、泌尿器科の医師にヒアリングすると、更年期女性が来院され、症状が改善されると、その周りも次々来院されると聞いた。

タブー視されているから、眠っている課題なのかもしれない。

Elocare(シンガポール)症状記録デバイス

ホットフラッシュや心拍数増加、発汗などの症状を記録できるウェアラブルデバイス。
シンガポールは東南アジアのフェムテックをリードしており、日本より少子高齢化が深刻とも言われているため、更年期向けプロダクトが多々生まれているのではと思ったが、Fermata Singaporeのマーケットマップだと更年期のカテゴリーはElocareのみ。
シンガポールの医療機関は、アメリカやイギリスと比べると治療費は低く合理的な費用、かつ英語と中国語が通じるので、「病気になったら病院に行けばなんとかなる」というのが大きいのかもしれない。

Gennev(アメリカ)ビタミンサプリ・遠隔医療

2015年に設立され、更年期のためのマルチビタミンサプリVitalityや、更年期の診断テストGennev Menopause Assessmentを提供。
Gennev Menopause Assessmentは無料で受けることができるので、さっそく受けてみた。テスト後にカウンセリングもオンラインで予約できるようになっている。
アメリカに住んでいたら、そのまま予約してたと思うくらいスムーズな流れに感動。

Pulse(アメリカ)タッチレス潤滑剤ウォーマー&ディスペンサー

更年期を迎えようとしているFounderの経験から生まれた製品。
特許出願中の加熱技術で、潤滑剤を理想的な温度に温めるもの。
低刺激性なパラベンフリーの潤滑剤は、FDAの認可も受けている。

化粧品なども温度変化で固まってしまうこともあるため、「温めて使う」というのは盲点だった。他の分野でも応用できそう。

日本において更年期市場が拡大するためには

アメリカでは更年期・閉経期分野の資金調達が、2019年は$37Mから2021年$79Mに倍増している。
FemtechFes!でも、TRULY・ペリノス・FEMCLEなど出展されていたり、「ルナルナ オンライン診療」を活用した「オンライン更年期外来プログラム」を丸紅とエムディーアイが試験導入を開始しているが、まだまだプレーヤーが少ないのが現状。

更年期障害がタブー視されており、課題が外に出てきていない可能性が高い。自分ができることとして、もっと外へ向けて発信することで、少しでも課題に気づいてもらえたらと思う。