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【フェムテック通信#24】ジェンダー・ギャップ指数。過去最低125位の日本を取り巻く社会情勢

2023年版のジェンダー・ギャップ指数が発表され、日本のジェンダー・ギャップ指数が過去最低の125位となりました。
これは、日本が男女平等の面で、先進国の中で最も遅れていることを示していますが、ジェンダー・ギャップ指数の中でも「経済」「政治」の順位が低くなっています。
その点を踏まえて、日本の社会情勢を、筆者の私見を踏まえて記載したいと思います。

1.男女とも同じような教育を受けて、健康状態も同じなのに、なぜ経済や政治の男女差が大きいのか?

ジェンダー・ギャップ指数の、日本の項目別順位は以下となっています。

2023年、日本のジェンダー・ギャップ指数(146カ国中)
・総合:125位
・経済(労働参加率、賃金格差、所得、管理職比率など):123位
・政治(国会の女性議員比率、女性閣僚比率など):138位
・教育(識字率、初等教育、中高等教育進学率、大学以上進学率):47位
・健康(男女の出生数、健康寿命):59位

注目すべきは、経済と政治の順位が目立って低いことです。
経済の項目では、「所得」100位、「管理職比率」133位
政治の項目では、「国会の女性議員比率」131位、「女性官僚比率」128位となっています。

つまり、男女とも同じような教育を受けて、健康状態も同じなのに、経済や政治の男女差が大きいのです。
理由の一つとして、「昭和のジェンダー観(男性は仕事、女性は家事)」があります。女性は男性に比べて、家事や育児を担うべきという固定観念が根強く残っています。そのため、女性は男性に比べて、仕事や政治活動に時間を割くことが難しくなっています。

実際に、夫の育児・家事時間は、妻の4分の1というデータも出ており、この話しを男性9割を占める勉強会で話したことがあリます。

その際に出ていた興味深い男性側の意見として「家事・育児をしたくても、妻が完璧を求めるので、なかなか参画しづらい」ということです。

40年前は共働き世帯が3割程度でしたが、現在は共働き世帯は7割を超えています。
「昭和のジェンダー観」から「令和のジェンダー観」にどう思考チェンジしていくのかが、ひとつの課題と考えています。

2.「女性版骨太の方針」にも記載がある、女性役員と女性管理職比率

経済の項目では、「所得」100位、「管理職比率」133位となっています。
6月に閣議決定された「女性版骨太の方針」では、東証プライム上場企業に2025年をめどに女性役員を最低一人選任し、2030年までに女性役員比率を30%にするよう求めています。

海外だと、NASDACが取締役会に少なくとも1人の女性と、人種的マイノリティまたはLGBTQのいずれか1人を義務付ける方針を発表しています。
ゴールドマンサックスは、IPOサービスで、取締役会に女性がいない場合、業務を引き受けないこととしています。その理由として、女性取締役がいる企業の業績が良いことを挙げています。

日本でも「多様性がある組織の方が、業績が高い」というデータが浸透すれば、経済分野のジェンダー・ギャップの差が縮まるのかもしれません。