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いのちは回る

思えば私は、子どもの頃に気づいていた。子どもの頃、というか、明確に記憶があるのは二十歳くらいなのだけど。

漫画を描いたり、音楽を聴いたり、ぼーっとしたりしていると、体がぐるぐる回るなぁ、ということに。

内側から遠心力のようなものがはたらいて、上半身がぐるぐると時計回りに円を描き出すのだ。その力に従うと、なぜだが知らんが自然と体が回る。そのことには気づいていたものの、それがなんなのかはわかっていなかった。

その体験と、「チャクラ」が結びついたのは、3年前のこと。ある瞑想会に参加した時のことである。

その瞑想会は、私が想像していた普通の瞑想−−−いわゆる座禅−−−とはちょっと違って、主催者の女性(Aさん)の誘導に従いながら、ハイヤーセルフとつながり、メッセージをもらうという主旨のものだった。

Aさんは生まれながらのサイキックで、天使か女神か妖精か、という感じの美女。四人の参加者は川の字のように横並びで仰向けになり、目を閉じてAさんの声に従っていた。

「まずはみなさんのオーラを見ていきます」と言い、Aさんは一人ずつ霊視していく。私はきれいなたまごいろ、それにピンクが少し、だったかな。

「オーラに穴が空いていると、そこから悪いものが入ってきたりします。まずは自分の周囲にバリケードを張るように、オーラをきれいに丸く整えるよう、イメージしてみましょう」

ほお……と思いつつ、頭の中で懸命に丸く、丸くとイメージする。果たしてちゃんとできているのだろうかと思っていると、「みなさん、きれいにできましたね」とAさん。どうやらちゃんとできている……(この時の体験が、『意図すれば、起こる』という概念の理解に役立っています)。

ときどきAさんは口から息を吐きながら(ひゅう)、何かを追い出したり、私たちから祓ったりしている(ひゅうひゅう〜)。

まぁ、それはそれでシュールな光景なのである。

そして、準備が整ったので、下から順にチャクラにフォーカスしながら、誘導に従ってイメージしていく……という作業に。ヒプノセラピーを受けた時のように、手足は重く、体は動かないのに、意識と感覚は冴え冴えしている。

会陰にある第1チャクラ、下腹部にある第2チャクラ、おへそ付近の第3チャクラに差し掛かったあたりで、つむじ風のようなものを感じた私。お腹の上で、確かに何かが円を描いて回っている。

「なんか風が起こってる」

その時はただ、そんなふうに思っただけだった。

誘導についていくのに精一杯だったし、なんとかハイヤーセルフとつながらなくては、という使命感でいっぱいいっぱいだったのである。

しかし自宅に帰ってから、「もしかしてあれがチャクラそのものだったのか?」と気づき、気になったのでAさんに聞いてみることに。

↓その時のメールがこちら。

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ちなみに、昨日聞きそびれたのですが、
瞑想中にチャクラを意識していった際、
クルクルと円を描く波動?を感じたのですが
これがいわゆるチャクラ(=光の輪)なのでしょうか。

今朝、瞑想をしながら、もう一度それを意識してみると、
また確かにクルクルしているのがわかりました。

こういうことを体感すると、本当に人間って有機体なのだなと思います。

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するとAさんから、「恵さんが読み取ったクルクル円を描くヴィジョンは、チャクラと思われます。恵さんのチャクラは時計周りに、バランス良く、巡っていました」というお返事が。

なるほど、あれがチャクラ……! 言葉や概念としては理解していたものの、ああやって実際に感じられると、それが一段とリアルに。かくして私は、その体感を自分一人でも呼びさませるように、ヨガをした後の瞑想の際、「チャクラを感じる」ことを日課にしたのだった。

おぉ、今日も元気に回ってる

という日もあれば、

今日はなんだか体感が薄いなぁ

という日もあり、自分の状態を表すバロメーターのようでおもしろい。いろいろ観察していると、チャクラがものすごく力強く周り出す時というのもあって、例えば「マントラを唱えながら行う瞑想」。5分もやっているとそれまでにないほどグルングルンと回り出し、「マントラってやっぱりむちゃくちゃパワーを持ってるんだな〜」と実感したり。あとは、マッサージをしているときだったり、仕事に集中しているときだったり。

そして子どもの頃に感じていた「グルングルン回るなぁ」って、今から思えばチャクラの回転そのものだったのでは、と、はたと行き着いたのである。

最近、シュタイナーの本を読んでいると、「エーテル体(いのち)は円環運動を欲す」と書いてあり、生命は本質的にクルクルと回るリズムを持っているそうな。

地球も回るし、惑星も回る。いわんや私たち人間においてをや、なのだね。


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