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ICRECスナメリ観察と帆船「みらいへ」体験乗船 6月17日・18日 


みらいへからみた明石海峡大橋

帆船で過ごす1泊2日

私が所属しているICREC(アイサーチ:国際イルカ・クジラ教育リサーチセンター)で帆船に乗船して、播磨灘に生息しているイルカ「スナメリ」を観察するツアーが実施された。
アイサーチ:アイサーチ・ジャパンとは? | ICERC Japan

今年も昨年大阪湾での観察で使用させていただいた帆船「みらいへ」での航海。
帆船「みらいへ」:帆船「みらいへ」 (miraie.org)

姫路港に集合し、播磨灘のスナメリを観察したり、帆船のマストを広げたり、料理長の腕が光るお食事をいただけたり…かなり盛りだくさんの内容だった。

スナメリとは?

簡単に書くと、体長1.8m程度で沿岸部に生息するイルカの仲間。背びれも嘴もなく、全体的になめらかな丸みのある体をしている灰色っぽいイルカ。
生息地域も限られていて、地域によっては絶滅が心配される種に認定されていたり、天然記念物に指定されている。
詳細は私のインスタを見てね:Snamemi (@sunameri.gaia) | Instagram

以前に撮影した鳥羽水族館のスナメリ

背びれがないけん、わかりにくいスナメリ

背びれのあるイルカは水面に出てくると背びれがしばらく海面から出ているので見つけやすい。また呼吸も力強くすることが多いので、音でも探すことができる。
しかしスナメリは背びれがない、呼吸もかなり静かで見つけにくい。

今回はそんなスナメリを観察するツアー。
私はこれまでに大阪湾をメインにスナメリを調査してきたので、姫路沖でのスナメリ観察は初めて!ワクワク!

見つけられたのか、スナメリ!?

あえての見づらいバージョンの写真。中央の波みたいなところにスナメリがいる。
これはいそうに見えるけど、サメの背びれ。
中央にスナメリ

17日の午前中はちらりといたかもーーって状態だったけど、午後から沿岸部ギリギリの航路を取ったところ、姫路の東側(正確な位置は?)にてちょろちょろ姿を確認できはじめ、そのあとゆっくりと船の横をすれ違ってくれるスナメリたち(おそらく親子+2頭)を参加者全員が観察できるという、スナメリが人に近い場所で暮らしていることを実感できたすごい観察会だった。

参加者さんは日帰りの方ばかりだったけど

1泊2日と日帰りと参加者さんのご都合に合わせたスケジュールで対応できた今回。
お忙しい方ばかりのようで全員が日帰り希望でのご参加だった。
そのため、夕方から次の日にかけてはスタッフと乗船員の方々のみでの交流会のような時間になった。

参加者さんが下船後~次の朝までは姫路港に停泊。
夕食後の姫路港はとても穏やかで静か。
そこでもスナメリが泳いでいた。
港のなかにもスナメリ…
姫路すごいな。

最近は名古屋港内でスナメリが案外普通に観察できるとか、鳥羽水族館の通路から季節限定だけど野生のスナメリがみられるとか、陸に居ながらにしてスナメリを見られる話をちらほら聞くけど、どうも姫路港でも見られるみたい。

次の日は姫路出航→海底にある「瀬」ツアー→淡路島西側→明石海峡→神戸港散策。

海面は鏡のようなぺったり状態。
しかも天気は曇りでまさに「スナメリ日和」。

瀬の部分にあたると海面の漂着物が溜まっていたり、魚の群れに鳥が集まっていたり、陸からは見えないものを見ることができた。
魚や鳥が活発に動いている ”生き物感” があるときはスナメリも見つけやすく、2日目もあちこちでスナメリを観察できた。

瀬付近で出会ったスナメリの背中
海面も空ももやもやっとしていて空と海が混ざっているみたい


海面に魚の群れが泳ぐ なぶら
真下をのぞかせていただいた明石海峡大橋

フィールドに出るからこその実感と体感

現地・フィールドにでるのとネットや書籍で知ることは違っていると思う。
フィールドに行くとその場の空気や何かわからない周波数的なものとか五感をフル活用するので、記憶に残りやすいし、生きてることを実感しやすい。

今回の参加者さんたちが求めるものがこのツアーにあったのかはわからないけど、フィールドからいろいろなものを感じているはず。
人の視点はそれぞれ感じ方もそれぞれ。

今回の経験を誰かにお話ししてくださることで、聞いている相手の興味や人生に変化を与えることもあるし、思い出すことでまた海に行きたくなったり水族館でスナメリに会いたくなるかもしれない。


今回も自然に感謝、スナメリに感謝、生きていることに感謝でした。

誰かの役に立ちたい、と思い、記事を作成していきます。 サポートいただけましたら、自然のための活動に活用させていただきます。 宇宙規模の感謝をあなたにお届けします。