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【開幕直前!】スワローズ新戦力投手の現在地

はじめに

昨年10月から6か月。待ちに待ったプロ野球開幕の季節となりました。オフもいいですが、やっぱり試合があると楽しいですね。
暁めぐりです。
毎年投手力が課題といわれるスワローズ。
上位進出にはある程度新戦力の活躍が不可欠です。
そこで今回は開幕直前と題して、スワローズの新戦力投手たちの現在地を見ていきます。今回分析対象としたのは一軍で複数回登板のあった6投手です。
6人の現状は様々ですが、一人ひとり詳しく分析していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次に一覧にしていますので、お急ぎの方はそちらから。

※記事に何かあればこちらまで
試合のある日は平均球速などの速報データもXで公開しています
暁めぐり@燕党新人Vtuber(@Meguri_Akatsuki)さん / X (twitter.com)

※意見、感想、要望などありましたら、是非こちらまで


1.エスパーダ

7試合7イニング 防御率3.86 被打率.192
奪三振率11.57 WHIP1.14
現在地:開幕一軍

まず最初はプエルトリコ出身の中継ぎ右腕、エスパーダ。練習試合では失点したものの、オープン戦では5試合連続無失点被安打1に抑えて開幕一軍を掴んでいます。
以下、スタッツを見ていきますが、
フォーク→フォーク/スプリットを含む
ムービング→カットボール
という感じに集計しています。

スタッツ

エスパーダ 2024プレシーズン

ストレートの最速は152キロ平均球速は146キロ。球速だけ見れば、どちらも去年の清水昇と同程度。ストレートの空振り率は5%と、そこまで高くはありません。
実戦登板前から話題に上がっていたカーブストライク率59%空振り率10%と主戦球種に。実際、フェアゾーンに飛んだ打球は三ゴロの1球のみでした。

それ以上に良いスタッツなのがスプリット空振り率が27%と高く、3つの三振を奪っています。参考までにフォークが代名詞の清水昇のフォーク空振り率は24%なので、それよりも高い数値です。

基本的にはこの3球種で安定した投球ができていますね。奪三振率11.57は3試合以上投げた投手の中では1位。どのポジションで使われるかはまだ不明ですが、ある程度計算できそうですね。

2.嘉弥真新也

8試合7 2/3イニング 防御率0.00 被打率.045 奪三振率8.22 WHIP0.39
現在地:開幕一軍(火消し内定?)

続いてソフトバンクを戦力外になった嘉弥真。8試合に登板して被安打たったの1今年まだ無失点と圧巻の投球を披露しています。

スタッツ

嘉弥真新也 2024プレシーズン

スライダーの割合が43%を占めるスタイル。この高い割合に対して空振り率は17%を誇ります。その他、シュートでも空振り三振を1つ奪っています。
スライダーはオフから改良しているようです。

記事内では「腕が下がっている」という自己分析もありました。

真偽はわかりませんが、少なくともスタッツを見れば、スライダーが戻ってきているのは間違いないと思います。
被安打1は左の中村晃に打たれたもの。
つまり右打者に対しては未だ被安打0対右スライダーの空振り率は23%と左右関係なく抑えています。
対左に限らず、昨季ヤクルトで埋められなかった田口の穴を埋めてくれると嬉しいです。

3.沼田翔平

5試合7 2/3イニング 防御率2.35 被打率.267 奪三振率3.52 WHIP1.43
現在地:開幕二軍(先発)

3人目にして「新戦力じゃないじゃん」と、お叱りを受けそうです。
昨季後半からファームで素晴らしい投球を続けていましたが、ついに春キャンプは一軍スタートとなりました。
先発ローテ候補として防御率2.35とポテンシャルを見せたものの、開幕時点では2軍でのスタートとなりそうです。

スタッツ

沼田翔平 2024プレシーズン

最速は150キロ平均でも146キロを計測したストレートが主体の投球。空振り率こそ高くありませんが、直球被打率は.153(2/13)と信頼できる球種です。変化球は6球種を偏らず投げていますね。

さて、沼田に関しては、「球数が嵩みがち」という指摘もあります。ただ、1打席あたりの投球数は3.88球で昨季のスワローズ平均3.87球とほぼ同じです。決め球に関しても、フォークの空振り率17%は昨季のスワローズ平均と同等、加えてシンカー(速いフォーク)も持っています。
ここから一軍の打者を抑えるスタイルを段々と確立していけそうだなと思いながら見てましたね。

個人的にはローテ6番手か去年の小澤ポジションだと思っていました。まあ支配下が遠のいたわけではないと思うので期待しながらその時を待ちたいと思います。

4.松本健吾

4試合8イニング 防御率7.88 被打率.389
奪三振率5.63 WHIP2.13
現在地:開幕二軍(先発?)

ルーキー唯一のキャンプ一軍スタートとなった松本健吾。練習試合2試合は無失点だったものの、オープン戦では結果を残せず、二軍スタートになりそうです。
以下同様にスタッツを見ていきますが、松本の場合は球種別被打率から。

スタッツ

松本健吾 2024プレシーズン 球種別被打率

多くの方が指摘されていますが、一目瞭然、ストレート被打率が.476と狙われています。スプリットも基本的にはゾーンでカウントを取るボールではなさそうなので、浮けば打たれています。
続いて詳細スタッツを。

松本健吾 2024プレシーズン

直球は最速149キロ平均が145キロ
空振り率が2%で36%が結果打球(平均は19%)ということを踏まえても、やはりストレートは改善点かなと。
参考までに、PayPayドーム登板時の計測ではストレートの回転数は2061~2227rpm
まあ他のスタッツがないので現状では何とも言えませんが。

一方で、3つの三振を奪ったスプリットは空振り率28%と特筆すべき数値。カットボールも空振り率18%と昨季の木澤(20%)に迫る数値。しかもカットはストライク率64%、かつ被打率.000でこの数値。ゾーンで勝負できる球種と言えます。
変化球に関しては、現時点でも大きな武器になる球種が2つあり、十分通用していると思います。ここからは少し予察を。

松本健吾~今後のスタイルは?

いろんな可能性があると思うので例示だけ。

  1. ストレートの質の改善

  2. カットボール主体

  3. 直球をツーシームに

こんなところでしょうか。
正直、3.に関しては、少なくとも現時点では違うかなと。
木澤や大西とは出力も違いますし、木澤も1年はストレートで試行錯誤してました。
今の段階でフォーシームを見切る必要はないかなと(阪口含めヤクルトの得意分野ではありますが)。

個人的にはSSTCでフォーシーム系が改善する投手が多いので、その中で1.に取り組む感じがいいのかなと。以下参考です。

2.に関してですが、ストレートとカットを共に3割前後投げるスタイルで成功している投手も一定数います。

カット+先発と言えば、広島・大瀬良大地。昨季に関していえば、ストレート割合33%、カット28%で直球の平均が146キロです
ただ、大瀬良に関しては2017年時点でストレート回転数2300rpmを計測しているようなので参考程度。

いずれにせよ、スプリットとカットボールは一級品にみえるので、自分に合ったストレート系のスタイルを確立できればというところですね。

5.宮川哲

6試合5イニング 防御率3.60 被打率.250
奪三振率5.40 WHIP1.00
現在地:開幕二軍(中継ぎ)

元山飛優とのトレードで加入した宮川哲。
西武では先発・中継ぎ両方の役割をこなしていましたが、スワローズでは中継ぎでの運用のようです。
ソフトバンク戦で失点したものの、その後は3試合連続無失点と最後までアピールを続けました。

スタッツ

宮川哲 2024プレシーズン 球種別被打率

球種はストレートに加えて3球種。代名詞のパワーカーブはプレシーズンでは被安打0ストレートの被打率も.167とかなり低めです。

宮川哲 2024プレシーズン

そのストレートは最速151キロ平均147キロ。昨季が先発で最速149キロ、平均が144.9キロなのでショートイニングで出力が上がるタイプのよう。
参考までに昨季先発時の球数による直球球速の推移を置いておきます。

宮川哲2023(先発) 球数による球速の推移
NPB Data Visualization様より

ストレート空振り率は5%と並みですが、PayPayドームでは直球が2472~2585rpmを記録しています。これはPayPayでの2試合に登板したスワローズの投手でトップの数値でした。

パワーカーブの空振り率は14%とよく空振りが取れていますが、ストライク率は36%
昨季は51.1%だったので、もう少しゾーンで勝負して空振りを取りたいところ。
持ち球としては、フォークも空振りを取る球で、カウント用の変化球は割合10%のカットボール。
パワーカーブの制御次第で一軍のいい場面で投げれると思います。

正直、ギリギリまで争っての二軍スタートだと思うので、すぐに出番はすぐに来そうですね。四死球0もよかったです。直球を見てもスワローズにはあまりいないタイプなので、上手く戦力になってほしいですね。

6.ヤフーレ

4試合14イニング 防御率5.14 被打率.241
奪三振率3.21 WHIP1.29
現在地:開幕ローテ内定(3戦目)

最後はYahoo!やらペコちゃんやら開幕前からあだ名が沢山ついたヤフーレ。
防御率は5点台ですが、オリックス戦では4回1失点西武戦で5回3失点とまずまずの成績を残して開幕ローテに滑り込みました。
自他ともに認めるゴロピッチャーで、AO/GOは1.4でした。

スタッツ

ヤフーレ 2024プレシーズン

ストレートの割合が32%で、その他、6種類の変化球を操ります。
そのストレートは平均145キロ空振り率1%被打率.294。基本的にはゾーンに変化球を集めて打ち取る感じ。
スプリットとカーブある程度空振りが取れています。
一方、カットやチェンジアップはカウントを稼いだり、ゴロを打たせたりする球種のようですね。一本調子にならないように基本的には中村悠平と組ませたいです。

ヤフーレに関してはもう一点。

  • ランナーなし被安打4四死球2

  • ランナーあり被安打9四死球3

被安打13のうち9がランナーを背負ってのものでした。逆に、オープン戦最終戦となった西武戦では2回途中から打者11人連続アウトを記録
このあたりが改善点にはなりそうですね。
一軍でどんな投球ができるのか、とりあえず数試合見てみたいところです。

総括

6投手それぞれ特徴ある投手で面白いです。昨季と比べても役割に関わらず一軍のイニングを消化できそうな面子になってますね。
他に新加入投手として西舘、石原の2人がいますが、石原に関しては嘉弥真の加入でファームでの時間を与えられそう。西舘に関しても他のドラ1を見れば大きな出遅れではないかもです。
外国人に関しては、巨人・オドーアの件を見ても最近は難しいなと。

  1. FA権取得者の残留と円安という金銭的条件

  2. スワローズになじみそうな人柄

  3. 数年の在籍ができる

  4. 20代中盤の伸びしろある投手

この条件下なら妥当なところかなと。
他球団の新助っ人が150キロ中盤を連発しているとどうしても気になってしまうのは確かですが。

野手含め新加入選手も非常にいい雰囲気でプレーできているように見えるので、長く活躍してほしいと思います。
沼田はまずは支配下ですねー

おわりに(次回予告)

お読みいただきありがとうございました。
残り数日で開幕戦、楽しみですね。先に開幕したファームのほうは調子が良く、選手個々を見ても状態は良さそうです。
ハマれば強いスワローズですので、一軍も続いてほしいですね。
次回ですが、シーズン中の更新は未定です。
ただ、どんな形にしろ月1程度の更新になりそうです。良い話題が多いと嬉しいですね。

改めめして、初めてご覧いただいた方は今季から、いつもお読みいただいている方は今季も、よろしくお願いいたします。
それでは今季のスワローズの幸運を願って。


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