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午後日和

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Ps.午後日和(午後日和さんの詩のまとめ) 設定:7月7日生まれ、没年月日は1987年8月31日。享年27歳の女性。趣味は美味しい紅茶を淹れる事。詩集を読み、花々の鑑賞をする事も… もっと読む
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記事一覧

いつか、朝焼けの海に染まる日

静まり返った海底 零れた言葉も水に濡れてしまった 素足が砂を蹴り飛ばす まだ、冷たい波に包…

Mei.(神楽鳴)
10か月前
86

透明な春

春に浮かんでいた 桜の花弁に、爆ぜた過去が 穏やかで、少し頼りのない日々に 透明な文字を描…

82

朝露と花咲く姫

あ、未来へ置き忘れた 小さな想いは種を 育む事も忘れて、眠りにつくの 優しい涙は貴方に、見…

70

季節の祈り

舞い降りる白の季節、解れた仕草を止めて 恐れすら何も無くなる、風が吹いて思い出す言葉 扉を…

65

冬日

さり気ない声や、透明な日々が 貴方と私を呼ぶのでしょう 朝焼けを夕焼けと間違えた町で、私は…

67

氷晶

流れ着く月の光に 貴女は氷を梳いて 懐かしく見失う闇 憂国に繋ぐ 水面に映った星の欠片と 捕…

33

旧式

それは、とても綺麗な朝 幸いを呼ぶ人の詩... 何色の昆虫だったのだろう? 万華鏡を覗いて、蟋蟀の夢を見た 寒空の欠片、指で掠め取る 六億年前の炉心に飛び込んで あれは、とっても綺麗な街 夜の風を受けて追いかけた 懐かしい歌、聞いていても 涙はNovaに消えた...の 採集した筈の、標本に刺さる 蝶の死骸を私へ送って 氷の巨塔に、閉じ込めた恋人と アルファ線の愛を、銀河で浴びるわ これは、とても綺麗な空 貴女の謎を思い出した 愛おしい声、聞いていても 心は何処に消

秋(しゅう)

夕映えに浮かびし 月と燈火に 歩む影、人の後を 季節はまた行き過ぎる 誰より慎ましく 涼風の…

29

黒猫の名前

小さな路地裏に鼓動が一つ 楽しかった日々を思い起こしてる 寂しいと噛んだ傷が、君を壊すのに…

34

彼岸より

昨夜、青い陽炎に 何処かの誰かが告げました 季節を忘れてしまった情緒 悲しみも稲穂に触れま…

24

レモン・イエロー

僕は遠い、遠い国に落ちた 光進んだ茜の言葉 黒く煤けた、柔らかな体温 君は一人で行くんだぜ …

24

夕顔

夕立に染まった環状線をすり抜けていく サヨナラばかりが得意げな君だから 大丈夫なんて言わな…

24

失楽園より

闇が白く染めてく 遠い海辺で君を探す旅へ オレンジ色の風が 砂浜を抜けていくから 誰も知らな…

十戒

不可思議に恐れた酔いを どうか照らさないで 語られず消える樹海に 私は芽吹く ウイスキーに注いだ御伽噺を 捕まえたと笑って 夜空にあなたが残したのは 枯れた星の光 今、触れられた宝石箱に 詰め入れた勇気をくれたなら あなたを愛する全て 忘れ去る希望も見えたはずだった... 夢の内に晒された人は 流星に欠片を閉じて 覚めないで繰り返す闇 心を抱いて 焼けた樹海の端で囁く 追い越された道の先 ほつれた心の静寂は あなたが奪った 今、一人を失う痛み 受け入れて涙を堪えたら