見出し画像

「スキル = 知識×概念」という考え方を提唱したうえで、微分して成長速度を定義しました。

「スキル」を表現する

最近、「スキル」って何だろう。ということをよく考えます。

単純に知識が多い人をスキルが高い、と定義するのは違和感があります。というのも、知識を必要十分に持っていても、その知識を「概念」として昇華できていないがために、必要な場面で知識を引き出せなかったり、応用できなかったりすることがあるなと思っているからです。

知識だけ持っていても、それを概念として脳内で抽象化していなければ、応用力がないでしょう。 たとえば、あるプログラミング言語Aを勉強したとき、Aの文法を表面的に学ぶだけでなく、表現されるアルゴリズムや論理学等の考え方を通して概念として昇華できていればプログラミング言語Bを学ぶときにも活かされます。流行りのChatGPTとかも、AIがどういうものか、という概念を掴んでいるかどうかで利用価値に大きな差が出ると思います。

これらの関係性を考えたときに、「スキル = 知識×概念」と(簡易的に)表現できるのではないかと考えました。

知識と概念は相互に作用して相乗効果をもたらしながらスキルが伸びていくイメージのため、乗算で表現するのが自然です。

「概念」の獲得速度を表現する

ここで勘の良い方は違和感を覚えるかもしれませんが、ここでいう「概念」は知識を獲得するほど得やすくなります。当然ながら、知識が少ない状態で、得た知識を抽象化して脳内にて整理し、概念として昇華させることは困難です。

そのため概念は知識から算出可能でありますが、実際は知識からいかに効率よく概念化していくかという変数がありますので、「知識を概念に昇華する抽象化速度」という考え方を導入します。
抽象化速度は、ここでは簡略化のために、概念 = 知識×抽象化速度、として表現可能な値として定義します。

抽象化速度はある時点における個人によって異なると思われます。「一を聞いて十を知る」という言葉がある通り、同じ知識をインプットしても抽象化して概念に至るまでの速度(というか効率)は個人差があるでしょう。

あなた自身や身の回りの方を思い浮かべて、自分の知識を効率よく使って概念として昇華しているから新しい問題解決にも意欲的に取り組める人と、そうでない人がいると実感できるかもしれません。

「スキル」を知識と抽象化速度を用いて表現する

さて、概念が知識を用いて表現できたため、もとのスキルの式から概念を取り除くことができます。

よって、スキルX、知識K、抽象化速度Sと置いた場合、

X = K×K×S
X = S×K^2

となります。

「スキルの成長速度」を抽象化速度を用いて表現する

ここで、スキルはある時点での点として観測される側面以外に成長速度という観点もありますので、微分することで成長速度に関しての考察も行います。
スキルの成長速度は

dX/dK = 2SK

となり、スキルの成長の傾きは2SKで与えられ、知識Kを身につけるほどに指数関数的に成長していくことがわかります。

各個人が持っている抽象化速度Sはスキルの成長に非常に大きな因子として関わっているといえるでしょう。

基本的には知識を身につければつけるほど、スキルの成長速度にブーストが掛かっていきますが、それと同等以上に、その人自身が持っている抽象化速度も重要で、場合によっては知識の習得コストを半分に抑えられる可能性があるとすら言えます。

以上から、

  • スキル = 知識×概念 である

  • 知識を一定量以上得たあとの概念への昇華スピードには個人差がある

と定義した場合、抽象化速度がもたらすスキル成長速度への影響度はある程度大きいということがいえます。

だから何?

いや、ほんと、だから何?という話なのですが、昨晩寝床でふとこの数式と微分による展開が浮かんでしまって1時間ほど寝れなかったから勢いでnote記事にしてみただけなので許して下さい(?)

基本的にはものすごくあらゆる変数や時間軸に対する変化を簡略化して示しているのでとても荒っぽいのですが、にしても、概念というものの大切さや、知識からの抽象化速度に対する数式表現の結果が、なんだか現実世界で感じていることと直感的に近しい気がしていて、個人的には割と納得感あるんですよね。

荒っぽいところでいえば、抽象化速度Sは個人に対して時間軸に応じて定数であると定義しましたが、後天的に改善される可能性もあり、その場合は偏微分を用いた解析が必要そうです。抽象化速度が後天的に改善可能であれば、後天的にスキルの成長速度にレバレッジを効かせることができるでしょう。

具体と抽象を高速で行き来できる能力というのがどうやって、どの程度で、統一的に鍛えることができるパラメータなのかあまり実感がなくて、だとすると個人ごとに才能レベルでスキルの成長速度が決まってしまっている、となってうーん、それは違う気もするなと思ったりします。

とはいえたとえばよく言われるなんでも10000時間やると結果が出るというのは、10000時間分の知識物量があれば、抽象化速度が低めな学習者でもある程度のスキルに到れるということを示唆しているのかななどと勝手に推測すると、結局知識量の物量で殴ろうという話にはなるのかも。

だから無理やり結論づけるとすると、もしあなたの周りに全然学習していないように見えるのに成果を出している方がいたら、才能というよりもっと精密にいえば抽象化速度が違っているから知識量に対するスキル転換の効率が高いということになるので、自分は物量で殴るしか無いし、むしろ本記事の前提を信じるなら正の相関しかないので物量で殴ればいずれスキルには転換されるということになるので、そういう意味では希望的な考え方かもしれないです。

ただ、個人的には後天的に抽象化速度を上げる方法のフレームワーク化に夢を見たいですね・・・その筋で調べてみたいなと思いました。なにか知っている方がいたらぜひ教えてください。

適当に調べただけで以下のような学問がヒットしたので、すごく調べてみるの面白そう。



日々技術書を始めとする書籍を買って読んでいます。書籍代にさせていただきますので、よかったらぜひサポートお願いします!