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水と言葉

昔から、運動がとにかく苦手だった。

小手先の技術では補えないくらい、こと運動に関してはセンスがなく、小学生のときは体育も運動会も憂鬱で仕方がなかった。

ドッジボールでは逃げ続けて最後のひとりになるし、跳び箱は4段が限界だし、かけっこはもちろん万年最下位だし…

そんななかで「運動会をテーマに作文を書く」という機会が与えられ、運動会に対していい思い出がひとつもない私は「かけっこで最下位になった」ことを書いた。

冒頭はこんな感じだ。

ゴールに切る白いテープは、すでに私の足元に落ちていた

無駄にドラマチックに書いてしまったせいで、この作文が地域の文集に代表として掲載されることになった。

正直嬉しい気持ちよりも、万年かけっこ最下位な事実が地域中に広まる方が恥ずかしく、誰にも自慢できなかったことをよく覚えている。

しかし同時に、文章を書くのはもしかしたら得意なのかもしれない…とそのときに思ったのだ。

このような、得意なことの気づきはもうひとつある。

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