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ちだいさんや宮台先生が何を言っているのかの詳細

この件。
選挙ウォッチャーちだいさんが処理水放出の問題点を動画にして発表し、社会学者宮台真司先生が「すばらしい。本質を抽象的に概念化しています。」と激賞し(て袋叩きに遭っ)ている件です。


1.批判派はちだいさんや宮台先生の話を理解してる?

https://www.youtube.com/watch?v=aPME0zqGHFM

発端は石渡智大さんのこの動画ですが、
ギャーギャーとちだいさんや宮台先生を批判してる人達に聞きたい。
あなた達はちだいさんが動画で述べてる内容、ちゃんと理解出来てます?

私は理解出来ませんでした。
動画見てる間ずっと「何言ってんだこれ???」でした。

しかしコメント欄は「さすがちだいさん!」「わかりやすい!」「お見事!」という賞賛に溢れているし、Xでも同じように「問題を完璧に表現している!天才!」みたいな肯定的引用が多数あります。

私は当初傲慢にもこう思いました。
「これ、この男はただただ意味不明なことをやっていて、
 コメント欄やXで褒めてるのは党派性ガンギマったお仲間で、
 仲間達も内心では彼の言ってることはよくわからんと思っている
のに
 ただ同じチームのお義理で頷いてるだけなのではないか?」
と。
   
これは私だけではなく、今ちだいさんや宮台先生を批判・嘲笑している人達の多くが実は同じような処理をしていませんか?

つまりちだいさん達が何を訴えているのかきちんと把握・理解したうえで反論出来ているのか?ということです。


2.理解しないまま批判や勝利宣言をする人達

実際、反論の殆どはそのへんが怪しい感じです。
「とにかく膨大な海水体積と福島から放出されるトリチウム量を計算すりゃ問題のある濃度にはならないんだよ!」「こいつらは濃度を理解出来ない!」「総量って何言ってんだよ!」みたいな。

ちょっと支持数順に並べられるはてなブックマークから人気反論を引用してみましょう。

Fuggi この例えが本質的にバカなのは「『もともとは綺麗だった』という前提を置いている元の風呂水や大元の水道水にも以前使ったバスクリンが微量溶け込んでおり、それが今般の放出トリチウムの濃度だ」が分かってない点
2023/09/02

https://b.hatena.ne.jp/entry/4741599362606851279/comment/Fuggi

人気一位コメ。
これ、事実だという意味では「正しい」でしょうけども、ちだいさんへの反論たりえていません。論点が違いますしちだいさんの主張に噛み合ってない。この人は私と同じくちだいさんが何言ってんのかわかんなかったのだと思います。このコメントを人気一位にした人たちも。

fromdusktildawn エビデンスと作用機序に基づいて科学的に思考する人であれば、どんな分野の研究者であっても、こんなことは言わぬ。つまり、ちゃんとした科学的な思考ができずとも、社会学者として食っていけるということ。

https://b.hatena.ne.jp/entry/4741599362606851279/comment/fromdusktildawn

人気二位コメ。
これなんかもう、ちだいさんや宮台先生の主張への具体的反論皆無ですよね。相手の主張を全く取り上げない勝利宣言。極端に言えばこれは議論に負けた人でも書けるコメントです。少なくともちだいさんを打ち負かせてはいない。(まあ何言ってるかわかんねーからなんだけど。)


こういうのってちだいさん達からすれば「あ、俺達の主張を迂回した」「テキはやっぱり俺達の注目してるポイントが急所なんだ、まずいんだ」となるんです。

そしてまあその反応も一理あるというか、いくら批判派が「ちだい一味はバカだ」と確信してても、噛み合った反論が出来てないなら勝敗はついてないんですよ。

批判派はみんなちだいさん達が何を言っているのかわからない。人間はこういう時に結構処理負荷がかかるためそのポイントをスキップしてしまいます。しかもスキップした自覚すら残らないことが多い。

人間のいつものディスコミュニケーションです。

3.ちだいさん達の動画のポイント

動画に戻りましょう。
この動画で重要なのはここです。

https://www.youtube.com/watch?v=aPME0zqGHFM&t=192s

(3分12秒から)
本当はですね、まぁ今用意したんですけど、厳密に言うとえーいま福島第一原発でやってる事っていうのは、またこれあの、こういう風にね、こういう風にして、この内側のキャップにねこう入れた、この適量のやつ(入浴剤)を、えー、薄めるために(コップ登場)、薄めてますから、薄めれば大丈夫って言ってますから、一回コップの中に入れましてね、ハイ、こんな感じで、で、これにですね、お湯を入れるんですね~、ハイ、お湯を入れましょう!えーこれはシャワーですね!はいこれですこれちょっとお湯いれますね。
 (使い慣れないシャワーと格闘する部分略)
え~、薄めましょう。はい、これです。ね?薄めてます(コップにシャワーのお湯じょぼじょぼ)。 今はいこれ薄めても、ここの濃度はめちゃくちゃ濃いですけれども、薄めれば大丈夫ということで薄めていますね~。

https://www.youtube.com/

https://www.youtube.com/watch?v=aPME0zqGHFM&t=334s

(5分34秒から)
えー1つポイントがあります。えー実はですね、福島第一原発、えーどういう風に、薄めているかというと、実はですねシャワーの水みたいに、外から持ってきて薄めてるわけじゃないんです。じゃあどういうことか。海水から薄める水を持ってきています。

https://www.youtube.com/

ここまでに全ての答えが含まれています。
自分の知識や思考から離れ、ただ感じてみてください。

それでもしちだいさんの言ってることがわかったら「あっ!」と確信が出るでしょうからこの後は読まなくて大丈夫です。

 

4.ちだいさん達の認識と主張

答え。

ちだいさん達の脳内とはつまりこうです。

ちだいさん達の認識するIAEAの主張
①「トリチウム水の海洋放出は問題ない。
  何故なら放出前にトリチウム濃度を薄めて無毒化しているから。」
②「具体的にはトリチウム水のタンクに海水を入れて薄めている。
  この薄め工程によりトリチウム水は無毒となっている。
③「この”薄まりトリチウム水”は無毒になったのだから、
  これを海に放出しても当然問題はない。」

わかりますか?
ここで自我は必要ありません。
この認識に一体化してからIAEAに反論してみてください。

ちだいさん達の反論
①「おいおいおい、それはつまり薄めなければ問題有るってことだろ?」
 「トリチウム水をそのまま海に流せば海が汚染されると認めたな?
②「それを踏まえて、お前等いまトリチウム水薄めるのに何使った?」
  海水使ったよな?なあ?」
③「そのまま海に流したら問題のある毒を、一旦タンクで薄めて無毒化、
  薄め水は海水から取ってます、でそれを海に放出しました?
  それは薄めず放出するのと結果同じだろ!トリチウム総量同じだろ!
  
アホか!小学校の理科からやり直せ!」

こうですよ。
この人達が総量総量って言ってたのはこれです。

自分がこの認識だったらどうですか?
「海に入れたらまずいものを薄めてから入れれば大丈夫と発表」
「しかし薄めるために使っているのも海の水」

というバカげたペテンが日本政府とIAEAによって行われているんです。
そしてこんな子供だましに気付かないのが日本人たちなんです。

そりゃあもう自信たっぷりなニヤニヤ顔して子供に諭すみたいな感じでお風呂場動画の20分くらいは撮るでしょう?
世間がアホだらけなんだからしょうがないんです。

自信に満ち溢れたちだいさん  youtubeより


5.ちだいさん達に噛み合う反論

であるから、ちだいさん達の出発点は①なんです。
ここで批判派(もしくは放出容認派)と決定的に分岐している。

ならば反論も①の認識に対してしなければいけないんです。
例えばこうです。

トリチウム水をタンク内で薄めるのは無毒化工程ではないですよ。
 無毒となるのはあくまで世界の海に拡散されて薄まるからです。」

「じゃあタンク内で海水入れて薄めてるのは何のためか?と言うと、
 単に放出口で一時的にトリチウム濃度が高まるのを避ける措置です。」 

この工程を重要な無毒化措置と誤解していれば確かに驚くでしょう、
 海から水取って混ぜて戻して、無意味なペテンに見えますよね。」

どうでしょう。
これがちだいさん達を理解したうえでの話を噛み合わせた反論です。

立場や党派性もあるから即「なるほど!」という反応はないかもしれませんが、噛み合った反論を受ければ認識になんらかの変化は起きます。

というか、少なくとも相互理解の希望のある反論とはこれしかありません。

6.人と人が分かり合えない理由

批判派の人達が見逃すべきでなかったことは、ちだいさんの手つきです。
わざわざコップを出してきて、コップにやけに注目しているんです。

このコップは何を表現しているかといえば、放出直前の処理水溜めてるタンクですよね。放出前に海水を入れて処理水のトリチウム濃度を薄める、までの工程を行ってるタンク。

本当はここから「あれ?ちだいさん達はどうも、このタンク内処理について何か重大な意味を読み込んでいるっぽいぞ」という取っ掛かりくらいは掴めたはずなんです。

しかし批判派の人達はそのタンク内工程が特に重要でないと思っているので、ちだいさんがやけに延々コップをいじくっているの見てもスルーしてしまう。意味わかんないから。「まあバカのやることだし」なんて。

勝ち誇ったようにコップをいじりまわすちだいさん youtubeより

ほんとは最低限「なんか意味わかんないぞ?」ぐらいの引っ掛かりは感じたはずなのにそこを掘れない。掘ろうとしても自我が邪魔して結局理解出来ないからスルーする癖がついている。もはやスルーの自覚すら起きなくなってる。 

 

7.話を聞く方法・文を読む方法

私達のような、ちだいさん一派の主張が意味不明だった人間にとって、彼らを理解するために必要だったのはまず「ちだい一党は本当に自分とは全く別のなんらかの意味のある認識を共有している」と気付いて認めることではなかったでしょうか。

それに気付かず認めずあくまで自分の認識だけを足場に理解しようとすれば、もう何言ってるのか全くわからないんです。微妙に引っ掛かるだけで。

そして、ここで意味不明さや引っ掛かりを「バカがなんか言ってるけど意味不明だし流せばいいや」と意識的に無視してしまうならまだいい方で、多くの人が無意識でスルーします。これが人間の仕様です。

しかしそうなってしまうとバカの言ってることすらわからない人になるわけで、これは本当に話を聞けない人・文を読めない人です。

ですからそういう無意識起動の自我の働きに気付いて離れて、改めて虚心にザーッとネットを見ていくと、ちだいさんと同じ認識をしてるっぽい人が様々な表現をしているのが見つかる。

後はもうそれを集めれば「あっ」ってなります。「あっ」ののちにちだいさんの動画見返したら全部「なるほど~~~~!」ってなる。

https://twitter.com/kou_1970/status/1697853890543448084

この人などは明らかにちだいさんと同じ認識を持っていますよね。

この人も。引っ掛かっているところ、ペテンが潜むと確信しているところは全く同じ、「コップ」の行程ですね。
  
そして少し前なら何言ってるのか全くわからなかったこれらのツイートも、彼等の認識がわかった今なら何を言ってるのか全てわかります。我々はちだいさん一党の認識の仲間になれたわけです。

まとめ 

・我々が目の前の事実をありのまま見るにあたって必要なことは
 己を空しくすること、自我に気付いて捨てること

・バカだと感じた話でも真剣に読み取り把握し理解するべきであって
 どうバカなのか説明できないのにバカにするのは傲慢であるということ。

以上でした。
終わり。

宮台先生の話もしたかったんですが長くなったので今度にします。







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