もずく記（＾ v ＾）。

二人の対戦が始まった。だが、めかぶさんは不気味なほど、静かにゲームを進めていた。

一方の私はウキウキ。モンキーモンキー。カード１枚１枚に一喜一遊。懐かしく、新鮮で、とかく楽しい。加え、私は今日のために用意したデッキの戦略を、順調に辿っていた。

めかぶさんは前情報通り、守りが堅い。しかし、なんで妙に静かだ…

しばらくするとそれも忘れ、我がしもべたるアンデット団が場を満たした時、嬉しさは頂点に募った。

「後は神を呼び込むだけ！」高らかに宣言。手札に神は不在。もう気持ちだけで、感情がオールインしていた。

「リバースモンスター・オープン。」ようやく彼女は、動きを見せた。何か効果を持つモンスターなのか？　どれどれ…と、覗き込んだ時…

私のライフポイントは、半分近く消し飛んだのだ。

「デスコアラの効果が発動！」

なに？　何コアラだって…？　デス…って物騒な…　いや、何か覚えてるぞソレ！　確かささやかな能力だったはずだが…

「あなたの手札の数だけ、ダメージを与える！」

思い出したーーー！！！　デスコアラ…！！　普通ならダメージはささやかだ…　でも私の戦略は！　手札を溜め込んでパワーにする、オシリス神大好きデッキ！！　だからその効果、今は駄目なんだー！！！！

天敵だった。デスコアラの効果がオシリス神主体の戦法に強いというより、 “面白デッキを作ったと思って満足する私” にとって、“ 勝ちに実直な彼女”　そのものが…

後で知ることとなったが、対戦ゲームならば奥さんは夫を叩き潰すことを第一とする。夫が勝ったとき、それはもう悔しがる。勝利への渇望をエネルギーに変えて、次の試合にぶつけてくる。

何て厄介なんだ。大変楽しい。

つづく（＾ v ＾）。