現像液

きつねは
明け方の安ホテルで
声を殺して泣いていた。
泣くことだってあるさ
と思った。
意味のないことだって
あるさと思った。
おれから意味のないことを
とったら
おれの意味がなくなるんだ。

「現像液」

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