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男は電車を乗り過ごし。

男は電車を乗り過ごし、暗いみずうみにいた。
男のこころはよりどころがなく、
心細い幽霊のように水面を漂った。
男はこころをそこに置いたまま帰りの電車に乗った。
男のこころは、すこし時間がかかったが、
次第にみずうみでの暮らしになじんだ。
いまでは、あたりの樹々を心地よくそよがせている。




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