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ブエノスアイレスでいろんな学校を見学ーその2

 急に秋の気配が強くなり、朝晩寒いブエノスアイレスです。それでもデング熱を媒介する蚊の勢いは止まらず、毎日ニュースで警戒情報が流れます。早く収まってほしいと願う日々です。
 さてそんな中、ブエノスアイレス州にある2つの学校を見学してきました。(一般にイメージされるブエノスアイレスは「市」の部分で、周囲広範囲がブエノスアイレス州)

 まず一つ目。土曜日のみ開講で、幼稚園児から中学生までが集まる日本語のための補習校のような日本語学校です。9時半に集まって初めはみんなでラジオ体操。そこから午前は日本語の勉強。午後は思い思いの活動で仲間と一緒に過ごします。グランドも体育館も併設されているので、もちろんサッカーが人気ですが、雨でもピンポンやバレーボールなどを楽しむことができます。
 1日をそこで過ごすため、昼ごはんは両親が交代で準備。私が伺った日は、チョリソ(ソーセージ)を焼いてフランスパンに挟む「チョリパン」がふるまわれました。
 両親の負担も大変なのでは、と思っていたところ、遠方から通ってくるあるお母さんに話を聞くことができました。
「住んでいる地域には日系がほとんどいない。でも、ここに来ればみんな同じ顔で子どもも安心できる。日本語のためというよりは、日系の友達作りの場。同じ価値観を持つ友達を大事にしてほしいと思っている。ここではみんな、家族です」

 次に二つ目。他校同様、日系の子女のために創設された学校ですが、子どもの減少に伴い、大きな決断をしました。それは地域のカルチャーセンターとして生き残るという道です。墨絵、俳句、霊気(これは日本ではあまり知られていないが、当地では日本由来のヒーリングとしてとても人気)、合気道、剣道、空手…、さまざまなクラスがあり、現地の大人も子どもも楽しそうに通ってきます。その中にはもちろん、趣味としての日本語クラスもあり、仕事帰りのワイシャツ姿のビジネスマンや、地元の大学で学ぶ学生などで大賑わいです。
 学校内には日本食のカフェもあって、受講の合間にお茶を飲んだりカレーを食べたりする姿も。
 当初の目的とは異なる形で発展している様子ですが、これはこれで、「アルゼンチンから日本の良さを発信する」と言う大事な役目を担っていると言えます。
 対称的な2つの学校を見学し、日系の人々の思いも時代と共にさまざまに変わっていくものだと実感したのでした。
 

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