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メロンと抹茶のフローズンカクテル

果房 メロンとロマンがメロンを使ったお家で楽しめるレシピを発信する企画、「メロンのレシピノート」。

第18回は、果房 メロンとロマンが位置する東京・神楽坂で季節ごとの旬のフルーツやお茶をつかった見た目も美しいカクテルをいただくことができるBAR燐光山谷頼子さんがメロンをつかったカクテルを考えてくださいました!

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内観

↑扉を開けると木の温もり溢れるカウンター空間。店内で目をひく数々の本は山谷さんが読んだことがあるもので、カクテルを待つお客さまが手に取って読まれることも。温かく、文化的な雰囲気が溢れる空間でとても落ち着く雰囲気です。

トイレ

↑お店奥の本棚には遊び心満載の仕掛けが。右の可動式本棚はなんとお手洗いへ続く扉になっています。

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↑山谷さんは青森県七戸町のご出身。店内には青森の風景のお写真なども飾られていました。

➖入ってすぐ、柔らかい光と木の温もりがとても印象的な空間ですね。店内の本棚が目を引きます。

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昔から本が好きで、お気に入りの蔵書を並べています。静かに黙々と読む時間が好きですね。一人でお店をやっているので、ドリンク提供するまでお待たせしてしまう場面もありますが、待つ間にお客さまが手にとって読んでくださることも多いです。神楽坂は出版関係のお仕事をされている方も多く、その方々がお仕事で携わった本を置いていくこともあって、本棚の中身も日々更新されています。

➖お店は山谷さんお一人で切り盛りされているということですが、バーを始めたきっかけについて教えてください。

本もそうですが、昔から演劇も好きで、かつては役者を志して演劇の大学に通っていました。次第に、自分を表現する方法は他にもあると感じるようになり、自分の手でゼロから自分を表現する空間を作ってみたいと思うようになりました。コーヒーが好きだったので喫茶店をやろう、と思ったのですが、お酒も提供できるように勉強した方がいいだろうと思い、バーで修行することにしました。

➖バーで働き始めて、驚きや発見はありましたか?

それまで私自身、お酒を沢山飲むわけではなく、バーに行ったこともほとんどありませんでした。最初に修行させていただいたのが神楽坂にあるバーで、そこのマスターからバーのいろはを教えていただきました。性格的に、本に没頭したり一人で黙々と作業することが好きだったのもあって、当時は初対面の人と会話をするのが苦手で。バーは黙々とお酒をつくって出すものと思っていたんですが、それだけではないんだとその時ようやく気づきました。(笑)

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いくつかのバーで働き、先輩方の話術から学ばせていただく中で「バーはカチッとお酒の話をするものだ」というイメージだったのが、もっと自分の好きなことや他愛のない話をする場であっていいんだと思えるようになりました。

独立する段になって、自身が修行した地でもあり、多くの文豪のゆかりの地でもある文化的な香りのする神楽坂でお店をやろうと思い、2019年4月にBAR燐光をオープンしました。

➖お店にいらしたお客さまとはどんなお話をされますか。

やはり自分が本や演劇が好きということもあり、常連さんも本や演劇が好きな方は多いです。最近、私が古典芸能に興味を持っているという話を常連さんにしていたら、知り合いの古典芸能関連のお仕事をしている方を連れてきてくださったり。他にも歌舞伎の研究者の方が来てくださったこともあります。あとは落語好きな方と、「お店で落語会やろうよ!」と盛り上がったりもしていますね。

お店の空間だけでなく、今はTwitterやInstagramも表現手段。投稿を見て、その雰囲気を気に入って来店してくださるご新規のお客さまも多いです。

自分の好きなことを表現していたら、自然とそれに共感してくださるお客さまが集まってくださっていて嬉しいです。

➖BAR燐光さんでは、季節のフルーツを使ったカクテルが人気だと伺いました。山椒やカカオニブ、アニスなど意外な組み合わせのものも拝見しました。カクテルのレシピはどのように考案されているのでしょうか。

食事をしたり、スイーツをいただいたりしてひらめくことが多いです。例えば、バナナと紅茶のパウンドケーキをいただいた時に、自分のカクテルだったらどうするだろう?と考えるんです。「紅茶の代わりに中国茶を合わせてみたらもっと香ばしくなって面白いかも。それに、もう少しインパクトを加えるために何かスパイスも入れたいな。そういえばよくお邪魔するスパイスのお店にホールのナツメグが入荷したって言ってたな。よし!合わせてみよう!」という具合で。そうして生まれたのが「鉄観音(中国茶)とバナナとナツメグのカクテル」です。お酒とは関係のない場面に沢山ヒントが落ちていますね。それに自分なりのアレンジを加えながらカクテルを完成させていきます。

➖中国茶のカクテル、どのような味わいなのか気になります!

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最近は中国茶がとても面白いと思っていて。中国茶は発酵の具合や加工の方法によって味わいのバリエーションがとても多様なんです。味わいにそれぞれ個性があって、さらにフルーツにも合わせやすい。カクテルのバリエーションも広がりますし、ノンアルコールでつくっても美味しいです。

➖今回もお茶を使ったカクテルを考えてくださいましたね。

はい、「メロンと抹茶のフローズンカクテル」です。
BAR燐光では玉露を使用して、「玉露とメロンのカクテル」として夏に提供していますが、ご自宅でも用意しやすいよう抹茶を使用したレシピにアレンジしました。

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メロンの爽やかな青い香りに合わせて日本の抹茶を使っています。

フルーツカクテルを作る時に、「このフルーツにはこのお酒が合う」という公式のようなものがあります。例えば、メロンはブランデーと合わせることが多いです。よく熟れた果肉の風味に合いますね。

ですが、今回のレシピでは敢えてジンを合わせてみました。メロンの青みによく合うので熟した部分以外の果肉と合わせても美味しいですし、シンプルな味わいでスッと飲めます。私はメロンとジンの組み合わせがとても気に入っています。ジンの代わりに、香りを邪魔しない焼酎や甘めの日本酒を合わせてもいいですね。

フルーツカクテルについては、神楽坂でお世話になったバーの師匠に「いろは」を教えていただきました。その方もおっしゃっていたことなんですが、フルーツの香りを楽しむためアルコールは控えめのレシピにしています。お好みに合わせて調整してください。あとは氷の量も、「今日は寒いな」と思ったら減らして見たり、逆に暑い日は増やしてみたり。その日の気分で少し作り方を変えるのも楽しいですよ。

本アップ

➖「お店はその店主の表現の場」であるということをとても感じる空間で、山谷さんの雰囲気を映すように、ほっと落ち着きながら本と向き合いたくなる空間でした。山谷さんのお気に入りの青森の写真家の方の本などもあり、インタビューは青森のお話で盛り上がりました。カクテルは作るのが難しそうですが、今回のレシピは材料とミキサーがあれば誰でも手軽に作れるレシピ。お茶とメロンが心地よく共存する味わい深いカクテルです。是非お試しください!

BAR燐光・山谷さんが教えてくださったレシピ:

メロンと抹茶のフローズンカクテル(1人分)

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材料
メロン(青肉)…60g
グラニュー糖…小さじ3分の1
抹茶(料理用)…小さじ3分の1
水…20g
クラッシュアイス…40g
桜の塩漬け…小さくちぎって3枚

ドライジン…10-15g
※ノンアルコールで作る場合はドライジンを抜いて作る
※桜は塩味を活かすため、塩抜きは不要
※グラスはシャンパングラスがおすすめ。ない場合は、小ぶりのタンブラーなどお好みのものでOK


つくりかた:

1.氷40gを細かく砕いておく。

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ジッパー付きの袋などに入れてめん棒などで叩くと細かく砕けます。
できるだけ細かく砕くとつくりやすいのでおすすめ。

.青肉メロン60g、グラニュ糖小さじ3分の1、抹茶(料理用)小さじ3分の1、水20g、桜の塩漬け2枚、1.でつくった氷をミキサーに入れ、攪拌する。

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ジンはお好みの量で。ジンを入れずにノンアルコールカクテルでも美味しくいただけます。

3.2.をグラスに注ぎ入れ、飾り切りしたメロン、桜の花の塩漬けをのせて、完成!

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BAR燐光

内観

162-0825
東京都新宿区神楽坂2-3YYビル

営業時間
19:00-24:00

定休日
水曜日

※新型コロナウイルスの影響等により営業時間が変更となる場合があります。
詳しくは店舗Twitter等でご確認ください。

photo:Takashi Sato

text:Mayuki Tsujihara
(果房 メロンとロマンのディレクターとして働きながら、ライターとして日本の島々をはじめとして、地域と食をテーマに取材を行なっております。好きなメロンはタカミメロン。)


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