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「SSを書く際に気をつけてること」を訊かれたので書き出してみたnote

 きまぐれにマシュマロを開いてみたら「SSを書く際に気をつけてることとか言ってみると誰かがへぇ~ってなるみたいです」という不確定な情報を頂いたので、ほんまござかぁ~? と思いつつもまあ自分のためにもなるしと思って書き出してみました。
 ただこれ何というか半ば自分の中の理想論というか、ここに書くようなことを常に実践できているのか、しようとしているのか、と訊かれれば全然そんなことはないので……この作品ではこれができていませんけどぉ?? などと追求するのはですね、勘弁していただいて……
 SSにはいちおうちゃんと腰を据えて向き合って書くタイプと、なんかネタが頭に直撃して意識を失ってしまい目が覚めたらなんかできてた、みたいなタイプの二種類がありますね。

 あと電子書籍にしてたりする長いやつは以前から個別に解題を書き残してあるのでそちらも参考にして下さい。そしてあわよくば買って下さい。

 

・五感
 描写が視覚と、次点で聴覚に寄ってしまいがちなのは情報の絶対量が違うので仕方ないことですが、なるべく嗅覚・触覚・味覚の情報も取り入れることはいつも心がけています。とはいえ嗅覚と味覚は特筆すべきものがない状況というのもままあるので、あまり無理はしないようにですね。
 特殊な環境にある時は可能な限り揃えようとしています。夏祭りの会場とか、布団に潜って二人きりとか。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15695673

・語彙のコントロール
 年齢や知識量、得意分野・苦手分野、性格、そういうものによって、「そのキャラが使う語彙」というのは「作者自身の語彙」とイコールではないわけですね。これを意識することは一人称視点なら必須だと思うし、三人称視点だとしても少なからず「寄せる」必要はあると思っています。特に比喩表現においては。ただ意識しすぎると何も言えなくなってしまいそうなので、よほど極端に知識の範囲が違うだろうと思われる場合――幼稚園児だとか、なんか平安時代あたりから来たとか――でなければ、気にしすぎなくていいかもです。
 これを意識するのはキャラ立てにも有効で、分かりやすいところだと、何か特定の分野に傾倒しているようなキャラクターなら、比喩表現をその分野に関連したものでさせるとなんかそれっぽくなるんじゃないかと思います。つまり「絞られてる」より「伸びてる」方を考えるってことですかね。
 デレマスのSSで一ノ瀬志希の一人称視点の文章を書いていた時が、これを一番強く意識しました。彼女は化学分野のギフテッドというキャラクターなので、化学用語や小難しいカタカナ語、少し婉曲な言い回しなどを、地の文においてもさせていきました。こうすることで普段の彼女をより「らしく」描ける他、心が一際強く揺らされた時には逆にこういった表現を避けることで動揺を表せるんですね。たぶん。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6131814

・説明しすぎない
 登場人物の価値観とか現在頭の中を占めている思考、感情なんかを、言動の中に滲ませることで仄めかすにとどめ、はっきりと説明してしまわない、ということです。これを本気でやろうとすると結構繊細な執筆作業になるのであんまりやりたくないです。
「知らないふりをしているわ」あたりは特に気を遣った覚えがあります。タイトル通り、本当は分かっている自分の感情に気付かない振りをしている、という話なので、その感情をそのまま言葉にはせず、どうしても言動に滲み出てしまう、という形で示していきました。成功しているかどうかはわかりません。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14932191
 ただ、文章表現についてはよく「登場人物が悲しんでいることを「悲しい」という言葉で表すな」みたいなことが言われますが、僕は必ずしもそうではないと思っています。
「胸が締め付けられるようだった。」とか、「鼻の奥がつんとして、視界が滲む。」とか、悲しんでいることを表す表現はまあ色々ありますが、そのどれもが少しづつ違う感情を表しているはずなので、だとしたらストレートにただ「とても悲しかった。」と言うことでしか表現できない悲しみも存在するはずなので。
 後は単純に、後述するリズムや雰囲気の問題で、うだうだ比喩するよりすぱっと言っちゃった方がいいと判断することもあります。

・リズム
 声に出して読んだ時にある程度リズムがよいように、単語やその順番を選んでいます。ただこれを意識しすぎるあまり複数の作品で同じ単語を使いがちな面もあるので、良し悪しだなあと思います。

・雰囲気を崩さない言葉選び
 湿っぽい雰囲気の時には重め・固めの言葉を使ってみたり、逆にコメディ調のパートでは多少くだけた表現をしてみたりします。

・ナマっぽい台詞
 普通だったら多分オミットするけど現実の会話においてはしばしば起きる、言い淀み、どもり、言い直し、「あ、」とか「いや、」とか「なんか、」、言葉の途中で立ち止まって考え直す沈黙などを、僕は結構そのまま文字に起こします。わざと多少文法的に難があるようにしたり、句点を多く入れたりもします。これは好みの問題です多分。読者の皆様からどうと言われたこともないので自己満足で続けています。
「travel round the FOREVER」の台詞周りが割と自分では気に入っていた覚えがあります。
https://www.pixiv.net/artworks/75658437

・タイトルのモチーフの統一
 続き物を書く時には、何か一つテーマを決めて、それに沿ったタイトルで統一することにしています。
 シリーズ「シャングリラ」の志希フレの話については、科学の言葉をタイトルに入れ込むというルールを通しました(二重スリット・ホメオスタシス・安定の島・カスパーゼ・脳関門)。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9779780
 また電子書籍『nighthawks』の長い篇のタイトルは、星や天文学に関係する言葉を使っています(デイムーン・カシオピア・アステリズム・Peak of eternal light・ライカ)。
https://www.pixiv.net/artworks/88674454
 だいたい「○○ 用語 かっこいい」とかで検索してます。

 

・(Vの者について)キャラクターと「実際」の配分
 ここまでつらつら語ったのはまあ二次創作だろうがオリジナルだろうが関係なく概ねどちらにも適用できることでしたが、ここは二次創作特有のアレになります。
(ひょっとしたらマロ主が聞きたいのはここだけなのかもしれない、という気付きを今得ました)

 僕が書く中で一番顕著なのは月ノ美兎さん(以下委員長)なんですが、日頃の配信などで語られるのを聞く限り、本人の体つきって結構小さくて細くて骨浮いてそうな感じなんですよね(ちゃんとご飯食べてちゃんと寝て健康でいてください)。でも「月ノ美兎」というキャラクターは太ももがムチムチなんですよ。ねづみどしママの趣味によって。だから体型について描写する機会があるなら、どちらかを選ばないといけない。で僕は今のところママの意思の方を尊重することにしています。
 一言で言えば「人間」と「キャラクター」の案配の話であり、身も蓋もないことを言えば「いいとこ取り」をしているよという話ですね。公式設定と発言の中から要素を拾い集めて君だけの最強のVをつくろう。
 特に異種族だの異世界出身だの魔法だのといったファンタジックな要素って、活かせる話であれば存分に使ってやりたい放題しちゃえばいいんですけど、逆に活かせない・地に足ついた・純粋な心と心の話である場合、正直邪魔なんですよね。そこらへんをいかにボカすかっていうところです。まあぶっちゃけVの二次創作やってる人なら意識せずとも誰もがやってることなんじゃないかとは思いますが……
 リゼ・ヘルエスタさんの「異世界出身の第二皇女」って設定、めっちゃくちゃ厄介じゃないですか? マジで手に余るんだアレ。どっちかだけでも面倒なのに……
 リアリティラインというか、この作品の世界においてファンタジックな要素がどこまで実在しているのかっていうライン、どれくらい気にして書けばいいのか全然答えが見えないですね……そして読者の方々はどれくらい気にしているんでしょう。僕はいつも説明したがり・説明しすぎのきらいがあるので深く考え込んでしまうんですが……

 ちなみにそれ以外の、一般的な二次元コンテンツの二次創作については、僕はツイッターとかで何回も言ってる気がしますが、「キャラクター」を「人間」にすることだと考えています。記号の集まりであるキャラクターの角を多少丸くし、描写が欠落している趣味嗜好や日常の些細な仕草、家族構成や過去や未来を捏造して埋め合わせ、少しでも「こんなひとが実在しても何らおかしくないな」と感じさせる存在にしていくことを目指しています。
(Vの者は例外的に、極端に言えば逆で、「人間」から「キャラクター」を抽出するものだと思っています)


 マシュマロに対する返事としては高カロリーな文章になってしまいましたが、これでもこれは意識していることというよりテクニックの話じゃないか? みたいな項目を三つほど削ったんですよ。
 なにかしらの参考になったなら幸いです。そして聞きたいと言ってくれてありがとう☺

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