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私が棺桶に入れて欲しい本

私は飽き性である。飽きたら捨ててしまう。だってリバイバルしないし、仮に気持ちが再燃するにしてもそんなのはきっと何年も先だから。

その代わりと言っては何だが飽きるまではしつこくて、とことん味わう。もう一種の癖である。

そんな私が捨てては3回か4回も買い直した唯一の本がある。

『持たない男』

である。じみへんと言う漫画(言っておくが読んだ事がない)の作者が書いたエッセイ本で断捨離とかミニマリストとかの概念より先にゴールに到達していた本である。

私の物に対する考え方に一番近い本はこれだと胸を張って言えるし、捨て業界でこれ以上凄いと思う本に未だに出会えていない。
ドミニック・ローホーさんの本はいい線行ったけど、どうしても二位で、やっぱり持たない男が私の中では一位だった。

何がそんなに良かったかと言うと、買うんだよ。この持たない男は欲しい物を買う。買わない男では無いから我慢せず買いはする。ただ持ち続ける気持ちはない様で買ってみて駄目なら直ぐ捨てる。それが高いとか関係ない。機能が気に入らないとすぐに捨ててしまう。

更に捨てるのも潔くて物に「ありがとう」を言って捨てるとか、そーゆースピ的な考えも無く何となくスッキリしたくて捨ててるライトな感じも、パーツ毎に捨ててみる挑戦的な感じも堪らなく良い。

完全に私のバイブルである。ただ文庫化した時に、後書きにやましたひでこさんが載り何となく書籍時の狂気が薄まり、お掃除の本っぽくなったのは残念に思う。
もし買うなら私が執拗に買い直した書籍バージョンをおススメしたいが、多分もう絶版になっているだろうとも思う。

私はこの本は死ぬまで手元に置くので、私が死んだら棺桶に入れて欲しい。

ちなみに私は医学の進歩の為に検体になるつもりなので、そんなお願いは聞いて貰えるのかは不明である。

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