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おじぎ草

 去年の秋、近所の花屋さんで、100円で「おしぎ草」を買った。「おさんぽ中の方へ つんつんしてみてね」と張り紙をしておいたら、通りすがりの人がたくさん「つんつん」してくれた。

 冬になって、「おじぎ草」は枯れてしまった。
 でも、鉢を処分せずにとっておいたら、小さな葉が出てきて、ぐんぐん大きくなってきた。
 
 先日、ひとりの「おばあちゃん」が通りかかった。
「よかったね~。」と「おじぎ草」に話しかけている!?

 「こんにちは。」と声をかけてみた。
 「あのね。おじぎ草、枯れちゃったでしょ。わたし、毎日触ってたから、触りすぎで、わたしのせいで、枯れちゃったかと思って。そしたら、また、生えてきたでしょ。また、散歩のたびに、触らせてもらうわね。」

 なんだかちょっと泣けてきちゃって、なんだかとってもうれしくて。
今の私は、「高収入」も「社会的地位」も何もないんだれど、
それを、不安に思うときも、たくさんあるんだけれど、
ちゃんと、目の前に、こんな「幸せ」がやってくるんだな。って、
思った。

 さあ、今日は、誰が「おじぎ草」を つんつん しにきて、
くれるかしら?
 
 みなさんのところにも、小さな幸せが、訪れますように。
 

 

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