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ジャベリンが簡単に誰でも扱える兵器ではない理由

それっぽくもない逆張りタイトルから始まりました、当記事へアクセスして頂き心から感謝申し上げます。

まず、釈明から始めさせて頂きますと。
ジャベリン等の携行兵器は誰でも簡単に扱える兵器です
しかし、それはその他の主に機動力や火力を有した兵器
具体的な品目を述べますと、戦車や迫撃砲と比べればと言う話です。

前提知識として理解して置いて欲しいのは、戦車や迫撃砲を扱っているのは元を言えば一般市民であり
一般市民を何かしらの制度で集めて教育したのが現在の正規軍なので、教育を受ければ誰でもほとんどの兵器は使えるようになるという話です。
あ、でも一部の兵器は才能って言う話もあるので例外もあるよ。

ジャベリンとは?

(FGM-148 ジャベリン)FGM-148 Javelin
ロッキード・マーティン社とレイセオン・テクノロジーズ社の共同開発により作られた高価な携行対戦車兵器
ちなみに二社とも軍需産業でトップクラスな凄い企業であり、ハード面とソフト面においてお互いの得意分野を引き出し合った結果完成したという噂もあるらしいです。

1996年に米軍で採用されてから、現代まで長く使用されてる兵器です。性能諸元について、簡単に触れますと
長さは1メートルぐらいで、重さは22~30kg
歩兵が一人で運べるぐらいの重さって事です。

また、ダイレクトアタックとトップアタックの2種で軽・中装甲目標から重装甲目標まで幅広い効果範囲を持ち。限定的でありながら低空で侵入するヘリへの攻撃能力を持ちます。

どのように運用されるか

各性能諸元から基本的に1小隊に一つという感じの運用を想定して作られたのでしょうというのが読み取れます。

例をあげますと
威力偵察ではない偵察歩兵小隊5名と仮定し、突発的な敵との遭遇が想定される地域の偵察任務

ドローンによるスポッター兼電子通信装備1名
携行対戦車兵器1名
携行対空兵器1名
ARやAKの小銃が2名でスポットや対戦車戦闘の際に補助として一人入ったり移動までの機動力を有した車両の運転要員としてでしょう。

このような編成が恐らくウクライナで使われていると思われます
恐らく車両で作戦区域まで移動し、徒歩で目的地まで移動後、敵ドローンの偵察を回避するよう森林に入りドローンを展開し空中から索敵後撤収。

そもそも、撃てば倒せる超兵器ではない。

よく、ウクライナなどの西側のある種のプロパガンダのように伝えられる映像であるような
一発のミサイルで弾薬庫誘爆し砲塔が宙を舞うような事ばっかりではありません。
また、命中率=撃破率ではありませんし。撃破率は練度に依存します
何が言いたいかというと、練度が低いと数撃たないと当たりませし。
撃破に至らなかった場合、発射位置を特定され砲弾を撃ち込まれ死ぬ確率が高いです。
つまり大量の人的資源をすり潰す事を前提に携行対戦車兵器を使ってるのが初期のウクライナの対装甲車における戦い方ということです。
残念な事に、この戦い方以外の選択肢は無かったというのが正しい解釈かもしれませんが。

ジャベリンへの対策-ロシアが取るであろう戦術を添えて

正直、撃つだけで倒せるわけではありません。
砲弾が十分にあると言われてるロシアの事ですから
準備砲撃で大体の怪しい場所を潰す事もあるので待ち伏せして何もできずに亡くなったり。

鬼畜なロシアの事ですから、物量を活かし自国の兵士の命を軽視しても良いならば。
戦車一両を敵の携行対戦車兵器の射程ギリギリまで前進させ、ドローン等により怪しい動きが見えた所に片っ端から砲弾を撃ち込めば敵の対戦車能力を削ぐ事だって出来るわけです。

また、世界1の軍隊であるアメリカ等であれば砲兵と歩兵の索敵と細分化力により待ち伏せを潰し、戦車の機動力・装甲力・火力を適切に投入するでしょうから。携行対戦車兵器が有効な場面は必然的に少なくなります。

(細分化力:歩兵一人であれば、小さなところまで入って細かいところまで数日間に渡り制圧し続けれる力。ドローンや戦車にはない歩兵の強み。)

ジャベリンで敵を倒すためには?

ここでは、細かいお話。例えば
Command Launch UnitとRoundに分離可能で、ミサイル・ランチャー・冷却装置に前方のシーカーカバーと再利用可能なCLUでありOff・DAY・NIGHT・TESTの4つの切り替えに加えみたいな話も出来なくはないですが面倒なので飛ばします。

待ち伏せ

基本的に人と戦車では、戦車の方が機動力で勝るので待ち伏せがメインとなります。
(戦車の機動力が制限される、都市部では細かい動きが出来る歩兵の方が総合的な機動力で部分的に勝る場合があり。ロシア側の都市部攻略が困難になっている理由でもある。)

索敵

単に敵を探すならば見通しの良い場所に陣取れば良いですが、そういうわけには行きません。
見通しの良い場所は隠れにくく見つかりやすいからです。

見つかったら逃げれば良いって?
時速20~30キロぐらい出て小銃の弾は効かないし発見したら直ぐに砲弾撃ち込んで来る戦車相手に見通しの良い場所で逃げれる気がしないです。

なので、適度な視界を維持しながら待ち伏せ出来る場所で索敵する事になります。
すまん、具体的にどういう場所が良いのかは諸説ありすぎて難しいし知りたいなら米軍の退役軍人のコミュニティーにメールなどで聞いてね。
そこらへんから得られる情報が一番信ぴょう性が高いから

適切なロック

当ブログで一番書きたかった事です

まず、直ぐに撃てるわけではなく、ロックオンが可能となる時間が電源を入れてから約2分後(3分という説もある)であるため。

敵戦車が見えてから電源を入れたのでは、適切なタイミングで撃てない可能性が高くなります。
なので、敵戦車との回避不可能な接敵が予測される戦域に入る前に電源を入れておくことになるでしょう。

また、ロックに関しても敵が枠内に入るように調整しなければいけません。

トップアタックであれば、戦車の車体へ
低空を侵入するヘリであれば、機体を捉えるように

勿論、最低限の訓練で学ぶとは思いますが。敵戦車が迫ってくるなかでそんな事を冷静に出来る人なんて少ないという話です。

なので、適切なロックが出来ず撃破に至らないというのが撃破率の低さにつながっているのだと思われます。

発射後の速やかな離脱

幸いな事に、ジャベリンには撃ちっぱなし能力とも言われる射撃後命中するまでロックオンし続ける必要が無いので。
撃った後に直ぐに逃げること出来ます、これにより敵の反撃を受ける前に安全な場所に退避することが出来るというわけです。

なので、既存の撃ちっぱなし能力が無い対戦車兵器と比べれば人的損耗率が低いです。

ジャベリンを正しく扱う為には

今はどうなってるか、存じ上げませんが私の知ってる範囲では
米軍においてはシミュレーションにおいて良い成績を収めた兵士のみがジャベリンを使用可能です。
つまり、しっかりとした訓練が必要って事

後書き

あと、ウクライナに一つ言いたいことがあります。
義勇兵を受け入れるのは良いですが元教官等の訓練監督の経験がある兵士等の教育に割り当てるべき人員を人数が足りないとか言って前線のイチ歩兵にするのはマジで勿体ないから辞めた方が良いと思いますよ。

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