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Off Topic #193 進化した新宗教の課題

こんにちは。
このnoteは、個人的にOff Topicのまとめをしているmemofleetが書いてます。

今回はOff Topic #193「進化した新宗教の課題」です。
ポッドキャストはこちらです。


進化した新宗教の課題

Off Topic #193「進化した新宗教の課題」
Off Topic #193「進化した新宗教の課題」

グラフィックについて

今回のブロックは下記の5つです。

  1. 何を信じる?

  2. インターネットの宗教化

  3. メディアの宗教化

  4. 科学の宗教化

  5. 会社の宗教化

何を信じる?

今回は全3回のうちの2回目、宗教の課題についてです。
ポスト・キリスト教社会では何が「神」に置き換わってきたのか、そしてその課題は何かを追っていく回になります。

まず、グラフィックにはできなかった前段の部分について。

古代社会では人が死ぬ確率が今よりもかなり高かったと思われ、病気や戦いなどを潜り抜けて生き残ることが重要で、だからこそ強いことが良いこととされる社会前提があった。

それをキリスト教が変えた。弱くてもよい。弱いものを助けるコンセプトです。現代アメリカ社会にもこの考え方が生きていて、ヒーローものの映画も同じコンセプトだという考え方です。

この場合の課題は、弱いものや犠牲者がいないとヒーローが成立しないという構造で、物事を善と悪に二分して考えがちというところもあるようです。
映画のストーリーとしてはわかりやすいですが、実際はもっと複雑ですね。

1800年代までは宗教、1900年代からは政府 / 法律が規範となったということで、政府を規範とする場合、為政者のイデオロギーとその反発で対立構造が生まれてしまうのがデメリットです。

インターネットの宗教化

さらにあらたな規範としてインターネットが「神」となったケースです。
ただしこれは一つの「神」が統治する世界ではなく、「道徳」が作りにくいということです。

メディアの宗教化

昔の短いニュース番組に比べると今はメディアごとにバイアスがかかり、好きなメディアだけを選んで読む傾向にあり、より宗教化しやすい状況にあるとされます。

科学の宗教化

科学には100%はないので、仮設としての可能性で語るべきですが、一部情報は科学的な見解が確定した事実として扱われたり、メディアで取り上げやすい数字だけが独り歩きしたりすることがあり、そうなってくると宗教性を帯びてくるということです。

会社の宗教化

1970年代から比べると労働時間は減ってきているが、2010年代から再び労働時間が上がってきている。仕事をする事がその人のアイデンティティになっているケースもある。
CEOに社会問題に言及してほしいという要求は、宗教的解釈をすれば「道徳」の定義と同じで、規範を求める場所が会社になったということになります。
そして、リモートワークの普及により会社の宗教化がしにくくなっているのが現在の状況だというブロックです。

感想:会社のカルト化について

会社の中で行う社員向けのインナー・プロモーション、社員のやる気を引き出したい、愛社精神を高めたいというとき、宗教OSで考えることができそうです。

日本の昭和時代の会社組織では終身雇用が前提なので愛社精神などはあって当たり前で、会社側も、社員に対して何か発言したら全社員がそれを聞くものだと当然のように考えていたと思います。

今は時代も変わり、社内報がWebになったり、社長のあいさつ動画を編集したり、「聖書」がいわゆるWebコンテンツの形式になっているとすると、やり方によっては宗教化しやすいかもしれませんが、コンテンツ運用のノウハウがないと成立しにくいし、大きな会社になるほど、全社員の興味を惹くことの難しさが出てくると思います。

2020年からのコロナ影響でリモートワークの便利さが発見され、コロナが明けた2023年も在宅勤務の要望は高いです。一方で、会社としては社員に出社して欲しいと考える。会社は組織を宗教化するために「教会」と「聖書」を機能させたいと考えている、というのが今回のテーマのひとつですね。

いま、会社のオンライン会議で意思決定ができるのは、2019年までにオフラインで会って話してきた人同士のコミュニケーションの「貯金」があるからだと思います。
2024年から新規で職場に入る人とコミュニケーションの「貯金」をこれから作ることを考えると、オンライン会議上の工夫がありつつも、それだけでは難しいのかなと思います。

アーティストのライブはリアルでもYouTubeでも同じ、と思う人は少なくて、だからこそオフライン・イベントは特別で、お金と時間を使って出かける価値がある。
としたら、2019年までの会社では社員と社員が顔を合わせる「出社」というオフライン・イベントが当然のように開催されていたけど、コロナ後の会社組織では、あらためて出社の価値を作る必要があると思いました。

とくにオフライン・イベントとして強力に機能していたのは「飲み会」です。「お酒の席で羽目を外す」上司や同僚と時間を共有することが仲間意識を高めていたとすれば、これは宗教に入るためのクレイジーな儀式、カルトイベントと同じだと思います。
飲み会で普段は言えない本音を語る、などもあるけどそれでは弱くて、普段おとなしい人がカラオケで熱唱するとか、服を脱ぐとか、常識ではやらないような行為をする場面が、かつての飲み会にはあったかもしれません。
そして通常の業務時間ではやらず、飲み会に来た人だけが見る、というのもカルト的なポイントだと思います。

昔の会社はそんな飲み会文化も使いながらカルト化を進めてきたとしたら、これからはどうしていくとよいのか。

現在はオンライン化したことと共に、お酒を飲まない人が多くなったり、自分の時間を大切にする流れもあるため、業務時間外に会社の人とお酒を飲む機会が昭和時代から比較すればかなり減っていると思います。

デジタルテクノロジーを享受してきた人ほどオンラインを望む傾向が強かったり、逆に直接話さないとどうも伝わらない、と感じる人はいまだに望んで出社する傾向もあるかと思います。もちろん業種によっても違いますね。

会社が「教会」と「聖書」を作るうえで、オフライン・イベントはかなり重要だし、それも人によって感じ方がいろいろあるので難しいですが、飲み会をリプレースする、時代に即したカルトイベントが必要なのかなと思いました。

以上になります。
お読みいただきありがとうございました。

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