印象残欠

父に殺されそうになっている。相手の得物は片手斧、場所は我が家。暴風吹きすさぶ中に紙が舞い、月明かりは煌々と部屋を青と黄に染めていた。私は逃げ惑うのだが、どちらも勝手知ったる(その割にはやけに広く感じる)家の中、やや離れた間合いで父は斧を振りかぶる。その瞬間、晴れているくせに雷光がわざわ演出をすべくやってきて輝き、鳴り響くのだった。

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