私と姉

私には、学年が三つ上の姉がいる。
(姉は早生まれなので、年齢は二つ差)
小学生の頃は、姉が同級生と遊ぶ時もついて行くほどベッタリだった。
そんな小学生時代の忘らない夏の日の出来事。

私は姉と姉の友人と3人で、通っていた小学校周辺を自転車で走りまわるという、今思えば何が楽しかったのかわからない遊びをしていた。
ひとしきり走り回って喉が渇いたため近所の商店に設置された自販機でその頃マイブームだったメロンソーダを購入。喉を潤すためにグビグビと飲んでいると、姉が何を思ったのか突然耳元で「鼻から牛乳」とその頃流行っていたフレーズ(元ネタはわからない)を口ずさんだ。
反射的に笑いが込み上がる。が、本来口から吐き出される笑いの勢いは飲み口に塞がれ、行き場を失ったそれは、どうにか外へ出ようと鼻を通って抜けて行く。それと同時に喉を通りかけていたメロンソーダも押し出され、鼻からメロンソーダを盛大に吹き出した。
ただの水でも痛みを感じるというのに、シュワシュワとした炭酸が鼻腔をさらに刺激し、その痛みはメロンソーダがしばらくトラウマになるほどのものだった。
痛みに泣き叫び、姉の友人が「大丈夫?」とあたふたしている中、妹をこんな目に合わせた姉は腹を抱えて涙を浮かべるほど笑っていた。
姉の友人が必死になって介抱してくれ、何とか痛みは治ったがもう遊ぶどころではない。
服はメロンソーダでベトベトになり、何より精神的なダメージが大きく、姉の友人が「今日はもう帰ろ」と言ってくれたおかげですぐに解散となった。
姉は「ごめんね」と言ってきたがその声は明らかに笑いを堪えていた。その様子に一生許してなるものかと心の中で誓い無言のまま帰宅した。

今となってはいい思い出である。

この時の出来事をふと思い出し、姉に覚えているかと聞いた所
「あぁ、あの時マジでウケたわぁwwwまさか本当に鼻から出るなんて思わなかったしwww」
とケラケラ笑っていた。
昔も今も変わらない....。
そんな姉が今でも大好きだ。

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