見出し画像

今の若い男性が絶食化したわけ。

今の若い男性は草食化どころか、
絶食化し、生涯未婚率も上昇の一途
だそうです。

街中を見渡せば今も昔も繁華街には若い
カップルは数多くいるのでそんなに
未婚率が上がった印象は持ってなかったの
ですが、データを見たり、未婚の若い男性
から中年男性の話を聴くと、確かに草食化
や絶食化は進行しています。
かく言う私も未婚アラフィフになって
しまいました。

現在の生涯未婚率のデータは5年に一度
なので、2020年が終わった時点で最新
の調査データが得られますが今の時点
では2015年が最新なのでこれによると、
男性は23%、女性は14%が生涯一度も
結婚せずに人生を終えるとされています。
つまり、男性の4人に1人、女性の6人
に1人が生涯未婚となるわけです。

女性の場合は多様な生き方の裏返しな
部分もあり、ある程度は受容しないと
いけないのですが男性は本当に深刻です。

男性が深刻になってしまう部分はいくつか
あって、コミュニケーションが周囲と
上手く図れない、いわゆる「コミュ障」
と言われる状態の方が増え、社会からも
孤立してしまう問題が出てきております。

また、ここ20年で男性の収入も減り続け、
結婚しても子供をきちんと養っていくこと
ができない、いわゆる経済弱者に陥って
しまっているケースも見受けられます。

結婚において男性受難であることは、
2000年位から言われ始め、その結果と
していくつかの男性支援NPOが立ち
上がりました。

しかし、これらは男性の自己肯定感を
上げる目的が逆に男性に否応なしに
自分の現実とガツンと向き合わされる
結果に終わり、男性がますます自己卑下に
走る原因となりました。

まぁ、講義でいきなり
「あんたらはクズなんだよ。」とか、
「なぜ自分を商品として磨かないのか?」
とか、ガツンと厳しいことばかり言われ、
「余計なお世話」となってしまったり、
「毎月1万円服に使いなさい」と言われ
買い物依存症になった方もいらっしゃい
ました。

こうなると皆メンタルをこじらせてしまい、
自ら解脱して絶食化への道を行ってしまう
わけです・・・。

以前知り合いの婚活パーティー運営者の
方にお話を伺いましたが、それはボロカスで、
「自分から声を掛けに行こうとはしないし、
 折角テーブルに連れて行って話せる
 きっかけを作ってあげても話そうと
 せずにひたすら自分の分のメシばっかり
 取ってきて食っているし、そのくせ
 主催者側に苦情ばっかり言って来る。
 しかも服のセンスは最悪で似合わない
 のにチェックの服ばっかり着てくる。」
と、不満大爆発で、男性の婚活支援なんて
やっても無駄、意味ないし絶対にうまく
行きっこないと散々にクダを撒かれたのを
覚えています。

何でそうなっちゃったんでしょうね・・・。

今でも未婚男性への差別はかなりひどく、
未婚女性以上です。未婚女性の嘆きは
割と共感を持ってメディアでも取り扱い
されていますが、未婚男性に対しては、
かなり扱いがひどい。それでも
同調圧力なのか、十把一絡げにして、
未婚男性叩きがエスカレートしている
気がします。

未婚男性が増える問題は少子化だけでは
ありません。
メンタルをこじらせた人が鬱屈した
マイナスの感情を、不適切な方向に
向けないか?ということなのです。
世間に対する恨みを爆発させて、
社会に対する復讐感情を持つように
なってしまうのではないか?と、
言うことです。

以前に「結婚できない男」のドラマが
流行った時に、こんな意見もあった
のです。
「あれはずるい。あんなのカッコいい
 じゃないですか!」
なるほど・・・。
容姿や身なりをけなされ続けた男性
からしてみると、阿部寛さんは
とても魅力的に映るわけです。
つまり阿部さんみたいに魅力的な
男でない自分からすると、あの番組
は現実を現していないということ
になりますね・・・。

それはもっともな意見だと思います。

ここまでは独身中年男性の話。

若い男性はどうでしょうか・・・。

若い男性は最初から結婚に魅力を
感じていない人が増えたように
思います。
最近の若い人たちは妙に空気を
読み過ぎるところがありますので、
自分たちに上の世代ほど経済力を
含めた生活力がないことも、
今の女性たちが求めるコミュ力も、
女性の現実を丸ごと受け容れるだけ
の人間的な度量がないことも、
全部見切ってしまっているのです
よね。

その上のおじさん世代が努力して
それらを手に入れようとして、
結果手に入らなかった人たちが
何人もいることを目の当たりにして、
失敗が怖くて、若いのに妙に人生を
見切ってしまっている彼らが恋愛
から逃げて未婚を選択するのは
ある意味当然の帰結なんですよね。

そう考えると、ものすごく深刻です。

私は別に結婚はしてもいいし、
しなくてもいいと思っています。

しなければいけないものという
価値観が刷り込まれていた20年ほど前
とは違って、決して結婚が人生の
全てでも幸せへの道でもないという
ことは、この20年間の社会の変化で、
大きく価値観が動いたと思っています。

もちろん、経済事情も変わったし、
女性が社会で責任を持って生きていく
ことが可能な時代にもなってきたと
思います。

ただ、その一方で男性はその社会の
変化から取り残されてきたのも事実
であり、相変わらず「SPA!」のような
雑誌では「男性のクズ化」みたいな
形で強烈に男性社会を風刺しています。

男性は実は傷つきやすいんです。
女性以上に傷つきやすいのに、
「傷つく人は弱い人」みたいな
ことをずっと言われてきた。

私たちのような氷河期世代初期の男性は
トレンディドラマ全盛期の影響を受け、
若いころから「ホットドッグプレス」や
「ゲイナー」のような雑誌でどうすれば
女性ウケするかを研究して、とにかく
努力をしてきた人たちが多かったんです
よね。

しかし、努力をすればするほど、その
努力をみんな同じようにしているから
バブル期を経て目が肥えた女性たちから
はウザいとかキモイとか散々言われて、
傷ついて、それでもまた努力したんです
よね。

でも、それで女性たちに受け容れて
もらえた人たちは良かったのですが、
そうじゃない人たちも出てきた。

その人たちを先に「上がった」男性たち
が優越感からなのか、女性たちと一緒に
なって叩き始めた。

そして、そんな過剰な努力が嫌いな
若い世代はその様子を目の当たりに
して、「ああ、うざいな・・・」と
逃げてしまったのは当然の帰結なのです
よね・・・。
マニュアルが行き届いた中で育ってきた
若い子たちは即実利を求めますからね・・・。

これが絶食化の正体。

新聞などのメディアは立場上薄めて表現
するし、「SPA!」みたいな大衆雑誌は
逆にそれを面白おかしく誇張して表現
するし、どれが真実の姿かは見えにくく
なってはいると思うんです。

しかし、1990年位から少しづつ進行した、
女性の地位向上と共に起こった男性地位
の相対的な低下、それを受け容れられ
ない男性や社会全体の価値観と意識
のギャップ、それでもなかなか変わら
ない社会構造の歪みに男性側が過剰な
ストレスを感じてしまい、そこから
逃げてしまったというのが、
絶食化の正体なんですよね・・・。

私はこの対策をしてもしなくても、
おそらくこの流れは大きくは変わらない
と思うんです。
ゆるやかに進行を食い止めるだけで
しかないと思っています。

焦った女性が逆に婚活に熱心になる
など、意識上の変化は少しは見られ
ますが、結局男性に求める収入額は
現実から大きく乖離しているんです。
ただ、それは女性の側の言い分にも
一理あって、生活コストが以前とは
比較にならないくらい上昇して
いるのに、実質賃金はこの20年、
下がり続けているのだから、
致し方ないところもあるでしょう。

しかし政府は物価指数を考えると
実質賃金はむしろ上がっていると、
発表しているし、私たちより上の
世代の方もそう信じ込んでいるの
ですがそれには技術革新バイアス
が掛けられていることには誰も
気が付いていないわけですよね。
そうでなければ現代の貧困など
誰も理解できず単に自己責任論で
片付けてしまうと思うのです。

そういうことを考えると、
悲観的なものの見方をしがちな
私からすると、あまり希望的観測
を持った未来の姿って見えてこない
のですが、それでも道はあると
思っているのです。

結婚してもしなくても幸せ。

こういう価値観を育てていく
ことが、ある意味男性を絶食化から
救い、社会的な安定にもつながって
いくのではないか?と思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?