おかげさまで、怒涛のGWを過ごさせていただいております。 ありがとうございます。 note全く書く時間がとれません!泣 GW中に構成を作り込んで、駆け抜けてから執筆させていただきます! そろそろ「ひなどり編」も終わりに近づいてきました。 どうぞよろしくお願いします。
「Rock and Roll,Pt2」 ピ ヒ ョ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・ 高く、高く 水色の中を泳ぐ一羽の鳶が、遠くで鳴いた チャプン チャプン パチャ パチャ 僕は果てしなく広がる青に浮かび揺られながら、遥か遠くの青と青が溶け合う所ー 水平線を眺めていた。 「はーーーーー、やっぱり俺なんてちっぽけなものだなあーーー」 サーフボードの上で大きな海と大きな空に包まると、自分の心を支配していた悩みなど、ほんの小さなものだと思い知らされる。 ー先
「The Truth Is No Words」 「てめえ!!!」 「なんでお客さんを 大切にできねえんだ!!」 7坪の小さな店に響き渡る大きな怒号。 怒鳴っているのは、僕だ。 想いが伝わらないもどかしさの中でもがき、今にも暗闇の底へ沈んでいくところだった。 怒鳴ったところで、相手はより強固に心を閉ざすこともわかっていた。 それでも、もう飲み込めないほどのやり場のない感情はコントロールを失っていた。 ただ暗く、冷たい 何もない闇に 僕は飲み込まれようとし
4月第1週に大きなイベントを控えているため、note更新は第二週にさせていただきます。 この物語は弟のことを書きたくて始めました。 それは僕自身の醜い部分を晒していく、とても勇気がいる作業です。 でも、全て見せないと、弟のことを書けません。 最後まで、気長にお付き合いください。
「Neverland」 I 'm not a man! ぼくは、やろうなんかじゃない! I'll never be a man! おとなになんか、ならないんだ! LABOテーマ活動の友 「ピーターパン」より抜粋 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 2005年 5月 鎌倉麺屋ひなどり ランチ営業 「いらっしゃいませー!」 「なまず」から数日後 「ありがとうございますー!」 今日も鎌倉麺屋ひなどりは沢山のお客さんにご来店いただいていた。 「いらっしゃいませ
「Another One bites The Dust」 2005年5月 鎌倉麺屋ひなどり 「いらっしゃいませー!」 「ありがとうございます!」 Kが入店してから一ヶ月が過ぎ、今年もG.Wを迎えた。 Kは相変わらずニコニコと笑顔で、大きな声でお客さんに挨拶をしている。 いいね。 とてもいい。 それはとてもいいのだが…。 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 鎌倉麺屋ひなどり 同日 ランチ営業後 「店長!メンマの仕込みってどうやるんでしたっけ?♪」 怒涛のランチ営
「Bohemian Rhapsody」 ピ | ヒ ョ ロ ロ ロ ロ ロ ・ ・ ・ 高く、高く 水色の中を泳ぐ一羽の鳶が、遠くで鳴いた。 さらり柔らかい風が、段葛をすり抜けていく。 淡く色づいた花弁同士が触れ合うと、サワサワと嬉しそうに囁き合った。 満開の隧道を、人々はその花の可憐な運命にうっとりと魅入っていた。 古都鎌倉に およそ800回目の春が訪れていた ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 2005年4月 AM8:00 鎌倉麺屋ひなどり 「ハーっクション
「ロストマン」 後編 是非、再生しながら読んでください 「この曲をかけながら読む」前提で書きました このエピソードの後、ずっと聴いていた 特に思い入れのある曲です ※イヤホン推奨 2005年3月末日 PM16:30 ら〜めん専門ひなどり 店先 「忘れ物はない?」 「はい、大丈夫だと思います」 「もしあったら捨てておくよ笑」 「はい、焼き捨てておいてください笑」 僕とTっさんは、いつものやりとりをしながら笑い合った。 あの日… Tっさんの検査結果を聞かさ
「ロストマン」 中編 君を失ったこの世界で 僕は何を求め続ける 「癌、ということです」 カチ カチ 僕たちの距離を、重い足取りで時間が歩いていく。 カチ カチ 僕はTっさんの言葉を真正面に受け止めながらも、どこか夢と現実の狭間に彷徨い込んだような浮遊感の中にいた。 カチ カチ 宇宙の隅々まで探しても、Tっさんにかけるべき言葉は見つけられなかった。 カチ カチ なにも見つけられないまま、途方のない時間をTっさんと視線だけで語り合った。 カチ そ
「ロストマン」 前編 状況はどうだい? 僕は僕に尋ねる 旅の始まりを 今でも思い出せるかい? 2005年3月 AM8:00 鎌倉駅前「ら〜めん専門ひなどり」 ゴッ… …ジャーーー …パタン 「はぁ……」 「またですか?店長」 お腹を抑えてため息をついた僕に、Tっさんが心配そうに話しかけてきた。 「うん、今日もけっこう酷かったよ」 「心配ですね」 「うん、ストレスかなあ…Tっさんへの笑」 「それは間違いないですね!笑」 「わはははは!」
「哀 戦士」 後編 よく見ておくのだな 実戦というのは ドラマのように格好の良いものではない シャア・アズナブル ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 【読者の皆様へ】 ※前中編に引き続き、今話も一部登場人物に対して、大西の「贔屓目フィルター」が過分に影響している可能性があります。 ご理解、ご了承の上、用法、用量を守って、以下略。 ズン ズン ズン ズン 「休みの日は何してるの!?」 大音量の音楽が響く中、僕はNの隣に移動し、 その耳元に話しかけていた。 「だいたい
「哀 戦士」 中編 悔しいけど 僕は 男なんだな アムロ・レイ ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 【読者の皆様へ】 ※前編に引き続き、今話でも一部登場人物に対して、大西の「贔屓目フィルター」が過分に影響している可能性があります。 ご理解、ご了承の上、用法、用量を守って、正しくご書見ください。 2005年 2月某日 17:45 横浜駅東口 冷たいビル風が、僕たちの脇を子供の様に駆けていく。 僕とTっさんは、仕事を終えた人々が足早に行き交う横浜駅にいた。 約束の時
「哀 戦士」 前編 認めたくないものだな 自分自身の 若さゆえの過ちというものを シャア・アズナブル ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 【読者の皆様へ】 ※今回の話では一部登場人物に対して、大西の「贔屓目フィルター」が過分に影響している可能性があります。 ご理解、ご了承の上、用法、用量を守って、正しくご書見ください。 2005年 2月 「いらっしゃいませー!」 「ありがとうございまーす!」 ひなどりも2度目の怒涛の正月営業を乗り越え、お屠蘇気分もすっかり落ち
「青い影」 ズッ ズズッ ズズズーッ ランチ営業後のひなどりのカウンター席で 1人の男がラーメンを食べている。 レンゲの持ち方、麺の啜り方、スープの味わい方など、その所作の一つ一つが、この男が只者ではないことを物語る。 その様子を僕とTっさんは緊張した面持ちで見守っていた。 僕たちの傍にはモニターがあり、大きなカメラが捉えた男の顔を映し出していた。 照明やマイクを持った男たちが、その男を囲んでいる。 ゴクッ ゴクッ コトッ 男はラーメンを食べ終わると
「Mother」 母は海だ 時に、穏やかに大きな愛で僕たちを包み 時に、荒々しく僕たちを叱りつける 父を大きな山とするならば、母は大海だ そんな母に僕たちは育てられた ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 母は生まれも育ちも高知県。 大学進学と共に上京したという。 卒業後、入社した会社で父と出逢い、交際3ヶ月で結婚したという。 「初めておかあさんを見た時に『お、涼しい顔したいい女だな』って思って口説いたんだよ」 めじろ修行時代に、一度だけ父が照れくさそうに話してくれ
「The Long And Winding Road」 運命は決断の瞬間に形作られる つまり あなたの運命は 決断の積み重ねで作られているのだ 〜アンソニー・ロビンズ〜 ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖ 善行の家 11月 事故から2週間が経った。 外は冷たい木枯らしが吹き抜けていたが、正午の日の光がたっぷり注ぐ僕の部屋は、汗ばむくらい暖かかった。 あれから僕は自宅療養と通院によるリハビリだけの生活になり、突然手元にやってきた膨大な時間を持て余していた。 ギタ