【映画】アメリ ―恋をはじめることは、かくも難しい―

なんか・・・なんだろう、久々に心を揺さぶられてしまった。

「サーミの血」を観たときも揺さぶられはしたけど、それとはまた違って
もっと人生の真髄みたいなところを。

この映画で伝えたいことは、かんたんにいえば
"失敗をするかもしれないけれど、
自分の殻に閉じこもっていては
心が枯れてしまうよ
ふみだして"
みたいなことだと思うんだけど
こうして文字にしてみるとすごくあっけないというか。
こんなに簡単に言葉にしてしまうのは違う気がする


わたしはすれ違いがいやだったり
素直に好きな人に気持ちを表現することは得意だから、あまりアメリみたいなことはしてこなかったけれど
恋をはじめるときの勇気が要る感じは
覚えがある気がする

少女の、恋をはじめるときに要る勇気を
こんなふうに描くことができるんだ、って思ったし、これを男性が観たらなにを感じ、なにを思うんだろう?ということに
すごく興味がわいた

アメリとは違うのかもしれないけど、
私も家事をしなかったりすることで
大人になりきれていない感を感じていたから
なんだか観るべき時に観た、という感じ
めぐりあわせのような気がした

もっと昔の作品かと思っていたけど2002年なんだ
映像手法が凝っていてびっくりしてしまった

手法だけでなく、
つなぎ合わせたテープの音とつなぎ合わせた手紙がシンクロする演出も、よかった

いつもなら、自分がしなさそうな行動をとる主人公のことは傍観者目線で応援すると思うけど
アメリの気持ちになってドキドキした
つまりアメリのほうに感情移入していたみたいだからまだわたしも同じように、若いのかもしれない

失敗するかもしれなくても、ぶつかる
これを大事にしていこうと思った

「君がいないと 僕の心は愛の抜け殻」
…相手がいないとつらい、という恋の仕方はしたくない、と思ってるのだけれど(できていない)、愛の抜け殻、ってことは「僕の心」には愛がいたけど、君がいないと自分の所有していた愛はどこかに行ってしまっている、ということ?
それとも、君から受け取った愛は君がいないからもうないよ、ということ…?

どう解釈するかに正しいこたえはないと思うけれど、数年後に観たらまたすんなりと理解できるのかもしれない


*好きになった言葉*
「愛のない女は太陽のない花 すぐ枯れるわ」
 …アメリは愛を得て、太陽を得たから枯れないってことなのかな。
この言葉からは、太陽がいないと生きていけない、ということが表されているのだと思うけれど(すぐ枯れるわ は太陽がないとってことだから)、自分の心にも愛を持って、太陽を持って人を愛することも大事なのだろうと思った

「人生は果てしなく書き直す 未完の小説だ」
…たとえ失敗しても、それを修正はできないけれど書きつづけていい結末にしていけばいい、ってことかな。
今までの失敗も、小説として考えれば、失敗してきた方が厚みも増すし、いいのかもしれないな


私にも何か大きく価値観を変えるチャンスがあれば、アメリのようにもっと成長できるのかなって思ったけれど、きっとチャンスはいつも身の回りにあふれているんだろうな
見逃さないようにしていきたい


【作品情報】
「アメリ」
2002年 フランス映画
監督:ジャン=ピエール・ジュネ

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