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小説同人誌の装丁まとめ【2023年】

※この記事では女性向け二次創作小説の同人誌を取り上げています。
原作キャラクターと創作キャラクターが掛け算されてるタイプの本文画像があります。内容はすべて個人の幻覚です。

こんにちは。二次創作の小説らしきものを書いては同人誌にする趣味を持つ者です。
ありがたいことに2023年もいくらかは物を書いて形にすることができ、こうしてnoteにまとめてみました。
さしあたっては書きたいものがあって書くことができるだけでもありがたいなということで、今後もマイペースに活動できればいいなと思っています。
毎度の事ながら写真へたくそ侍です。


2023年6月発行①|文庫544P/カバー+オビ

左:作成時のカバー画像見本/右:カバー+オビ

印刷所:RED TRAIN(ワンブックス)
サイズ:文庫(A6)/ページ数:544ページ
カバー用紙:コート紙(オーロラ) 110kg
表紙用紙:紀州の色上質 最厚口 白茶
本文用紙:プリンセスノベル 32.5kg
オビ用紙:マットコート紙(ユーライト) 90kg
加工:カバーにクリアPP
遊び紙:紀州の色上質 厚口 あじさい
その他:本文の一部にカラーページあり(紙替えなし・本文用紙に印刷)

26万字強の長編を収録しています。ひと繋がりのお話としては、この名義では最長の一本でした。

色々な仕様を検討しましたが、文字数が文字数なので最終的には薄い本文用紙の取り扱いがあるRED TRAINさんにお願いすることに決めました。
もちろんA5二段でもよかったんですが、文庫サイズ好きなのと今まで長編は文庫で出してきたのもあって揃えたかった。
「柔らかい」「開きやすい」「めくりやすい」「軽い」「目にやさしい」「厚みを抑えたい」……を目指し、装丁は色上質+クリアPPのカバーとシンプルめにふりきってます。

オビはつけられるならつけてみようかくらいの気持ちで、まあ趣味というかノリです。オビ巻きまでしてくれるのありがたすぎる。
本文カラーページは
・モノローグっぽい何かで始まる構成だった(ので第一章に入る前の区切りを印象づけたかった)
・カラーとモノクロが同一料金
ということでちょっとやってみようかくらいの気持ちで、これも趣味とかノリのたぐいです。やれるならやって軽率に気分上げてこ。深遠な意図がなくてすみません。

装丁としては「分厚い」以外に面白味らしいナニカはあまりないのですが、結果的にそこそこ鈍器化を避けられてよかったのではないかなと思っています。

本文カラーページ
本文

フォント:イワタ明朝体オールド/9pt
レイアウト:38字×16行
余白(原寸):天15mm・地12mm・小口10mm・ノド16mm・
      ヘッダー上端7mm

やっぱりイワタが好きなんですよ(ろくろ)
ノド16mmで可読性に問題ないかどうかが焦点でした。
これ以上行を減らしたくなかったんですね。9pt/38字×16行(行間55%くらい)、ルビや柱・ノンブルの入る都合もあるし個人的にはまあまあ読みやすいかなと思っているレイアウトではあるのですが、同人小説を買い慣れている人や読み慣れている人にはスカスカ判定を受けそうなラインだなとも感じていたので、行間をそこそこ保ちつつ、いつものように最低16行はほしかった。小口側を狭めると指の置き所がなくなりそうだし。とはいえ長編なので読んでて圧を感じる紙面は避けたい。
今回はとても薄くて柔らかい本文用紙だったので、真ん中近くまでがばっと開ける仕上がりになりました。印刷所様に感謝。

作成時のメモや実際の仕上がりについてなど、下記の記事に詳しくまとめています。

おまけ

しおりつけてました。

偏光ラメペーパーかわいい

印刷所:プリントオン
用紙:偏光ラメペーパー170kg ブルー



2023年6月発行②|正方形ミシン綴じ・トレペ表紙 , etc.

トレペ表紙めくったとこ
表2と遊び紙

印刷所:オレンジ工房.com
セット:WEDDING中綴じステッチセット(本文単色カラー)
サイズ:A5正方形(148×148mm)/ページ数:40ページ
表紙用紙:ペルーラ 180kg スノーホワイト
トレペ表紙:トレーシングペーパー 74kg
本文用紙:モンテルキア 81.5kg/本文刷り色:ティールブルー
綴じ糸の色:表紙側「銀色」本文側「スイートドリーム」
遊び紙:ミランダ あさぎ 100kg
その他:表2・3印刷(フルカラー)

いつかやりたかったオレンジ工房さんの中綴じミシン製本。
セット名がセット名なので結婚式をうっすら絡ませたお話でした。
正方形が選べたので「絶対かわいいやつだ!」ってなってやった。表2・3はオプションですがそういうテンションだったので。
全体的にブルー~グリーンの色使いを意識しました。安直な感はありますがサムシングブルーといいますので……! ティファニーブルーっぽい色味大好きなんですよね。

文章そのものは先に書いていたのですが、6月新刊①の見直しなどが挟まり、時節柄忙しさも相俟って、何やかやで最終的に「完全原稿の形に出来上がるのが早いか、『K2』全話無料が終わるのが早いか」くらいのスケジュール感で動いていました。宮坂さんはいいぞ。

本文
綴じ糸のあたり

フォント:夜永オールド明朝 Regular/9pt
レイアウト:38字×23行
余白(mm):天12ミリ・地15ミリ・小口13ミリ・ノド20ミリ・
      フッター下端10ミリ

縦幅が文庫と同サイズ、下に柱を入れるのもあって、一行あたりの字数は文庫と同じ感覚で。横幅はA5と同じなのでそこも過去のA5本の設定を参考に。
表紙込み最大40ページまでの中綴じ本でほぼ水平に開けるのでノドはもっと詰めてもいいんですが、全体的なバランスをみました。
刷り色は深い青緑色で、可読性はそれほど損なっていない…はず。
夜永オールド明朝、きれい、好き…。


2023年8月発行|表紙特殊紙&本文色刷りで薄い文庫

ミランダがキラキラなんだと言いたいだけの画像
表2・3とトレペ遊び紙が同柄

印刷所:オレンジ工房.com
セット:サマーメモリーセット
サイズ:文庫(A6)/ページ数:76ページ
表紙用紙:ミランダ 130kg ホワイト
本文用紙:上質紙 70kg/本文刷り色:ブーゲンビリア
遊び紙:クラシコトレーシング 74kg
その他:表紙2・3印刷(定型デザイン)・遊び紙印刷(定型デザイン)

前回の本が可愛かったので、また同印刷所様の季節のセットを使い文庫サイズで新刊を出してみました。
カバーなしの薄い文庫を作ってみたかった。文庫=厚みのある本というイメージが強いかもしれないけど、薄いのは薄いのでかわいいんですよね!
表2・3とトレペ遊び紙のデザイン(印刷所が用意したもの)が10種くらい選べる。ぜんぶかわいい。キラキラした感じがいいなーと思って画像のデザインを選びました。本文に花火のシーンがあるので花火でもよかったかもしれない。なんだかんだどれでもかわいかったとおもう。
表紙用紙のミランダは130kgと小さいサイズの本には嬉しい程よい厚みで、この紙にするなら文庫で出そうかなと考えたきっかけでもあります。紙色の「ホワイト」は少し生成りっぽいあたたかみのある色合いで、スノーホワイトよりも柔らかな印象になりました。
いろんな要素が絡み合って最終的にいい感じにかわいくまとまった。よかった。

本文

フォント:夜永オールド明朝 Regular/9pt
レイアウト:38字×16行
余白(mm):天15mm・地12mm・小口10mm・ノド16mm・
      ヘッダー上端7mm

写真がなんかボケボケですみません。
本文はデフォルトで単色ブライトカラー9色から選択。
可読性を考えたらブルー系の濃色が定番かもしれませんが、ブーゲンビリアという若干オレンジみのある色で刷ってみることにしました。
短いお話なのでいけると思った。これくらいなら薄すぎずいい塩梅に読めると感じます。
本文に赤色のモチーフがあるし後半成人向けだし熱っぽい感じが出てて良い…。

2023年12月発行|特殊紙マットPP+箔押し+表2・3印刷

タイトル部分にアメジスト箔
表2・3と遊び紙

印刷所:STARBOOKS
サイズ:A5/ページ数:54ページ
表紙用紙:シェルルックN ツインスノー 180K
加工:表紙マットPP・表紙箔押し(アメジスト/50㎠)
本文用紙:淡クリームキンマリ 90K
遊び紙:キュリアスメタル インク 84K
その他:表2・3印刷

箔押しですよ箔押し。タイトルに箔押しやってみたかった。
アメジスト箔、ぱっと見シルバーなんだけど実はしっかり薄紫で輝いてるんですよ。スタブさんの箔見本を取り寄せて選んだのですが、この繊細な感じがすごく好きです。中身のオチが夜明けなので夜明けの空っぽい感じがほしかった。ばっちりです。
表紙はシェルルックにマットPPかけました。キラキラ感がじんわり滲んで手触りサラサラで雪面みたいできれい。開いた感じ若干硬めかもしれない。
紙本来の強いキラキラも感じたくて表2・3印刷してみました。

本文

フォント:イワタ明朝体オールド/9pt
レイアウト:27字×23行×2段(段間7ミリ)
余白(mm):天14ミリ・地17ミリ・小口13ミリ・ノド20ミリ・
      フッター下端11mm

A5の組版も自分なりにほぼ固まりつつあるんでしょうか。
用紙は本音を言えば70kgくらいを使いたいところなのですが、オンデマンドカスタムの仕様で90K。
ただ50ページ程度と薄めの本なので、かっちりとした仕上がりでかえってよかったかもしれません。

おまけ

しおりつけてました。しおり好きだな~。ジュエルペーパーは傾けると変色して面白い。

表が変色する面、裏面は通常カラーでホロPP

印刷所:プリントオン
用紙:ジュエルペーパー 195kg アクアマリン
印刷・加工:表面フルカラー+白印刷・クリアPP加工
     /裏面フルカラー・ホログラムPP加工 星



終わりに

2023年にこのnoteでも使っている名義で出した同人誌は以上になります。
前半にドカンと長編を出したのでしばらくは短いお話を書きたい気分で、この年は薄めの本が目立っています。

振り返れば表2・3印刷を多用した年でした。本の表情が変わって面白かったです。
箔押しはいずれやりたかったので、できてよかったな~!の気持ち。

願わくは今後もマイペースに書いたり本にしたりしていけたらなと思います。

簡単なまとめではありますが、同人誌を作る方、読む方に向けて何かの参考になりましたら幸いです。


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