見出し画像

「メンタルの弱さ」を、どう克服するか

今回はいつもの内容から少し趣向を変えまして、スプラトゥーンプレイヤーが直面することも多いと思われる「メンタル面」の話にフォーカスしてみたいと思います。

スポーツ・競技の世界には「心・技・体」という言葉があります。
スプラトゥーンにおいても、心(メンタル面)、技(立ち回りや状況判断)、体(キャラコンやキル力)の3つがバランス良く整った時こそ、自身の持てる力を最大限に発揮できる状態である、と考えることが出来るのではないでしょうか。

1.「メンタルが弱い」とは

それではまず、そもそも「メンタルが弱い」とは、どのような状態を言うのでしょうか。

例えば何か大きな失敗をしてしまったり、ストレスが降りかかってきたりした時に、そのことに対して「深く」「長く」影響を受けてしまう傾向があると、その時に「メンタルが弱い」と感じやすいのではないでしょうか。

又は、高い目標を課されたり周囲からの期待(プレッシャー)を感じた時、失敗するのが怖くて行動に踏み切れない、ようなシチュエーションも「メンタルが弱い」と感じるかもしれません。

■「メンタルが弱い」状態
・ネガティブな感情を引きずってしまう
・行動する前に怖じ気づいてしまう


2.「メンタルが弱い人」の特徴

次に「メンタルが弱い状態」に陥りやすい人の傾向を考えてみたいと思います。

①真面目な性格
何事にも真剣に取り組んでしまう、真面目で努力家の人は、メンタルが弱くなりがちです。
良い成果が出ている時は問題ないと思いますが、上手くいかなくなった時に、真面目な性格な人はその結果を深刻に受け止めて、自分を責めてしまいがちです。

②完璧主義者
4:4のスプラトゥーンのガチマッチにおいては「自分が完璧にコントロール出来る事」はかなり少なく、むしろ思い通りにいかない事のほうが圧倒的に多いです。
なので、完璧にこなさないと気が済まない人は、メンタルが弱くなるといいますか、メンタル面へのダメージが基本大きいと思われます。

③頭が良い
頭が良い人は、自身に起こった様々な出来事を「幅広く」「深く」認識してしまいます。
「心の感度」が高い為、第三者から見れば「そんなことまで気にしなくても良いのに」と思うようなことでも、考え込んでしまいがちです。

ちなみに、「頭が良い人」というだけでメンタルが弱くなるわけではなく、そこに「ネガティブな感情」が絡むことで「メンタルへの負の影響」が発生すると考えられます。

④内向的な性格
ネガティブな感情の根本的な部分を、外に吐き出すのが苦手な人は、悪循環に陥りやすいと考えられます。

■「メンタルが弱い人」の主な特徴
・真面目な性格
・完璧主義者
・頭が良い
・内向的な性格



3.メンタル面を克服していく為の、心理的スキル

では、ここまで挙げてきたメンタル面に対して、私が考える「克服していく為に、過程で使っていく”心理的スキル”」をいくつか紹介していきたいと思います。

この心理的スキルをトレーニングしていくことで、いわゆる「メンタルトレーニング」を行っていくという事に繋がっていきます。


①目標を設定し「プラン」を立てる

ここでいう「目標」は「S+に上がる」「Xになりたい」とか、そういうものではありません。

例えば、今からガチマッチ(ガチホコバトル)に挑む、とします。
この時、ガチマッチの試合に挑む前に今日のステージを見て「このステージは〇〇な感じで、こっちのステージは△△な感じで、勝ちまでもっていこう(=目標)」のように、1試合のスタートから終了までをプランニングしてから実戦に臨みましょう、ということです。

ホコルートがどうだとか、防衛のポジションがどこだとか、私の攻略本の編成の考え方とか、そういったことはそれぞれが”プランニングの為の要素の一つ”になります。

1試合の最初から最後までのプラン、つまり1試合を勝つための「戦略」をしっかり立てましょう、という事です。
戦略の中にある上記要素は「戦術」です。

そして、「戦略に勝る戦術はない」とは、よく言ったものです。


②「失敗の許容範囲」をあらかじめ作っておく

わかりきった話ではありますが、人は常に高いパフォーマンスを発揮できるわけではありません。
調子が良い時もあれば悪い時もあります。

試合中に「調子が良い時のパフォーマンス」を常に自分に求めてしまうと、事前に思い描いたイメージ(プラン)と比べて上手くいかなかったり、失敗しそうな予感がよぎってしまった時の「焦り」に繋がってしまいがちです。
「失敗の許容範囲」をあらかじめ作っておくことで想定の範囲を広げておき、極力「焦り」を鎮められるよう準備しておきましょう。

「メンタルが弱い」という自覚がある人は「自分がもっとやらなきゃ」と気負いがちなので、許容範囲の設定は「自分が考えるよりは甘め」でも構わないと、個人的には思います。
ちなみに、私自身は「2桁デスしなきゃ良しとしよう」くらいの軽さで設定しています(笑)

スプラでも実スポーツでも仕事でも、結局のところ上達するためには一度作り上げた成長戦略(*①の戦略とは異義)を「継続して努力」しないと成果はなかなかでないものなので、セルフマネジメント込みで「継続できる環境」を整えることが「最速の近道」と言える部分もあるのではないかと思います。


③心理的準備

心理的な知識や考え方を身に付けて、自分自身の心理面からの準備を行うことも効果的な対策の一つになります。

■「認知的不協和」:参考こちら
更に詳しく知りたい方、興味がある方はこちらの本をお勧めします。


■「自尊心仮説」
自尊心仮説とは、自尊心が低い人は、相手が自信満々の場合、どんな話であろうと説得されやすい傾向がある、というセールスの場等で良く使われる心理学の一つです。

スプラのシーンで例えると「味方の”カモン”の意図が良く分からず、自分の立ち回りを乱される」のような経験はありませんか?

思い当たる節がある方は、自身の立てた「プラン」や、それまで努力して得た立ち回りの知識等が正しいものであるという「自己暗示」を、意図的にかけたほうが良いかもしれません。

その上で、その味方に対し「どうやったら自分のプラン上に組み込めるか」を考え、実践できるように自分のスキルを磨いていく事が上策です。


■「一貫性の原理」
一貫性の原理とは、人は自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理が働く、というものです。

定期購入している雑誌が「内容がイマイチだった」と感じたとしても、新刊が出たらつい買ってしまったり、好きな歌手の曲だからというだけの理由でCDを買ってしまう、というような行動を指します。

これだけの説明だと一見何が問題なのかわかりにくいかもしれません。
「継続は力なり」ですし、それ自体はとても大事なことです。

ここで考えられるスプラのシーンは、過去に効果を発揮した立ち回りを無意識に再現しようとしてしまう、事です。
これは私自身がX帯に昇格する以前に良くあった事例です。
実際は、編成が変われば効果的な立ち回りも当然変わります。

他には、例えば「このホコルートが強い」というような固定概念から抜け出せない、ような場合もあるかもしれません。

私が弟子を指導していた時の事例「伝説のジェットパック」も、この一貫性の原理(「返報性の原理」の可能性もあります)が働いてしまった例の一つです。


④その他のトレーニング

その他のトレーニングとして考えられるものは、
・「集中力」
・「プラス思考」(セルフトーク)
・「コミュニケーションスキル」

等のトレーニングが挙げられます。

例えば「コミュニケーションスキル」でいうと、私はガチマッチでマッチングした自分以外の7人のプレイヤーの名前や持っているブキを見て、その人の「年齢」や「性格」等を推測します。
その上で実際の試合中に「推測と実態をすり合わせていく」作業を頭の中で行いつつ、より正確な「この1試合において自分が果たすべき役割と立ち回り」を確立させていきます。

もちろん毎回正確に推測することは不可能ですが、これをやるのとやらないのとでは、私自身の実際の強さ(=ガチマの勝率)は全然違います。

仕事で疲れていて頭があまり働かないけど微妙に空いてしまった時間にガチマやるか、みたいなときは基本的にめちゃくちゃ弱いので、サブ垢でのブキ練習の時間とかに充てる、みたいな感じにしてます。



4.最後に

以上が今回の内容になります。

「メンタルの弱さ」を克服することは簡単なことではないと思います。
どんなスポーツでも「心・技・体」の「心」は最もハードルが高く扱われています。
もちろん私自身も「心」を完璧に整えられているとは思いません。

弟子との会話やSNSで関わりのある皆さんの悩みを見聞きしていて、何か役に立つきっかけになる情報を発信したいと思い、難しいテーマに挑戦させて頂きました。
改めて文字に起こしてみようとすると、自身にとっても本当に良い勉強の機会になります。

読んでいただいた方には、少しでもお役に立てれば幸いです。
最後までご拝読ありがとうございました。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。


『スプラで学ぶ経済学』表紙へ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?