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タブレットはこの程度のもんでいいのでは・MediaPad M5 lite 8のレビュー

年の瀬ということで今年(2020年)を振り返ると、今年買ったもので1番のお気に入りはOculus Quest 2、2番目はPlayStation 5ですが、その次くらいに気に入っているのがファーウェイの8インチAndroidタブレット、MediaPad M5 lite 8 でした。せっかくなのでレビューを書いてみます。ベンチマークもあります。

なぜ8インチタブレットか

タブレットといえば10インチクラスのものが多いのですが、私の感覚では10インチタブレットは「PCの代わり」で8インチタブレットは「スマホの代わり」です。10インチタブレットをこれまで何個か買ったものの、あまり使いませんでした。PCを使い慣れていてPCでやったほうが早いからです。寝転がって使えるわけでも無いですし。

8インチは大きなスマホの感覚で使えて、寝転がってなど楽な姿勢で使えるのが良いですが、ポケットにスッと入るスマホのほうが手軽なのでやはり使わなくなりがちでした。それなのに、今回また8インチタブレットを買おうと思ったのは、コロナ禍の影響でリモート勤務がメインになったからです。

外出頻度が減っても、家中どこでも楽な姿勢でも使えるスマホは便利です。でもふと、家の中がメインなら8インチタブレットのほうがいいんじゃ?と思ったわけです。ポケットに入れる必要が無いし、電車でつり革に掴まりながら見る必要もない。ということで8インチタブレットを物色し始めました。

8インチタブレットの選定

しかし探し始めると、昨今は8インチタブレットの選択肢が少ないことがわかりました。iPad miniが定番ですけど私は最初から候補から外しています。以前に持ってましたが、iPad miniは画面比率が4:3で、同じ8インチでもAndroidのタブレット(16:10が多い)よりも幅が広くて片手で掴みにくいのですね。電子書籍を読むときに片手で持ちながらページ送りもやりたいですが、iPad miniは私の手のサイズではちょっと困難でした。

Androidも、タブレットは10インチが主流であって8インチは種類が限られます。あってもMediaTekの性能が低めのチップを使っている機種が多く、画面解像度も低かったりでスペックがしょぼいものが多い。セカンドマシン的な扱いで価格の安さ重視みたいですね。

その中でファーウェイは珍しく8インチのラインナップが充実しているのですが、ファーウェイには大きな問題があります。米中貿易戦争のあおりで最近の機種はGMS(Googleのアプリストアなどのサービス)が使えないのですね。でも2019年までに発売された機種は大丈夫で、それが ファーウェイ MediaPad M5 lite 8 を選んだ理由です。満足できるスペックで、かつGMSが使える8インチタブレットはこれ一択だと思えて。

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MediaPad M5 lite 8のどのモデルを買うか

MediaPad M5 lite 8(以下M5lite8)は4モデルあって、ストレージが32GBか64GBか、そしてWi-FiモデルかLTEモデルかの組み合わせになっています。実はストレージの違いだけでなく、32GBモデルはRAMが3GBで64GBモデルはRAMが4GBという違いがあり、さらに64GBモデルにだけカバーが付属しています。RAMは大事だし、カバーも欲しいし、それで2、3千円の違いなので私は64GBモデルにしました。

Wi-FiモデルかLTEモデルかですが、当初はWi-Fiでいいと思ってたのですが、LTEモデルとの値段差が4千円ちょっとなのでLTEモデルにしました。iPadなら1万5千円くらい高いのに格安ですね。回線維持のコストはかかりますが、私はmineoのSIMを使っていて、音声付き6GBの契約で2190円なのに対して、音声付き3GBとデータ用3GBの2回線契約すると2410円で、200円ちょっとしか高くなりません。mineoは回線間でデータ容量を受け渡しできるので、タブレットに入れたデータ用回線をあまり使わなかったとしてもスマホで活用できるので大丈夫です。

というわけで、64GBでLTEの最上位モデルを買ったのですが、それでも2万6千円くらいです。しかも私はPayPayモールのセールでポイント22%付きで買えたので、実質2万円くらいでした。ヤフープレミアム会員なので還元率が高いのもあるのですが、アマゾンでもタイムセールなどでしばしば2万2千円くらいになるようです。そういったセールのタイミングで買えればさらにコスパが良くなるでしょう。

MediaPad M5 lite 8の性能

M5lite8の良さは、安価なのに作りはしっかりしていて必要十分なスペックがあることです。画面解像度は1920x1200ピクセルで、発色などクオリティはなかなか高くて満足。2.2GHzのオクタコアチップ(Kirin 710)を搭載しており、ネット閲覧や普通のアプリならサクサクと軽快に動きます。重いゲームをしなければ体感上の性能は十分と思いましたが、興味からベンチマークで比較してみました。普段使っているスマホはGalaxy S9で、2年前のハイエンドであり今でもトップクラスの性能なので、それと比べてみます。AnTuTu version 8.5.2で計測しました。

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左がM5lite8、右がGalaxy S9です。総合点は 158,139 対 307,315で、Galaxy S9のほうが2倍高性能ということになります。ただCPU性能やUX性能(スクロールなどの体感性能)は4割弱の差ですし、使用感の差はさらに少ないです。アプリの起動速度やWebサイトのページ遷移速度などを比べてもほとんど差はないので。重いサイトでのスクロールの滑らかさに少し差があるかなというくらいです。

性能が要求されるのは何と言ってもゲームで、ゲームで必要なGPU性能を見ると4.5倍という大差が付いています。実際、ゲームをやると差はわかりますね。例えば「アイドルマスター ミリオンライブ!」では、多人数のライブシーンの解像度が低くなっていました。でも動きはなめらかでプレイ性は問題ありません。

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他にも、例えば「マジカミ」は画面遷移時にカクカクすることがありました。戦闘シーンはなめらかに動いていたし、設定で描画品質を下げればカクカクも改善されたのでゲームは普通にできる印象でした。

ハイエンドスマホに比べればゲーム性能が圧倒的に低いことは分かっていたので、3Dゲームはまともに動かないだろうと期待していなかったのですが、意外と遊べたのでむしろ驚きました。ゲーム用に買うものではないのは確かですが。

AnTuTuはベンチマーク実行中に電池が何パーセント減ったかが出るのですが、Galaxy S9が5%に対してM5lite8は2%でした。5100mAhという大容量の電池が入っているし、性能が低いぶん省電力ということもあるでしょう。

公式サイトではスピーカーの音をウリにしており、曰く「ハーマン・カードンが施したチューニングで(略)コンサートホールの臨場感」とありますが、これは言い過ぎだと思いますね。低音が全くないシャリシャリした音で、Galaxy S9やiPhoneのほうが音は良い。ただ横画面にしたときにスピーカーが左右にあるのは美点で、映像を見るにはよいし、セリフが聞きやすい音質ではあります。

MediaPad M5 lite 8で電子書籍を読む

M5lite8を買った目的の一つは、電子書籍を読むためです。BOOK WALKERの読み放題サービスに入ったりして、電子書籍を読む機会が増えたので。PCで読むことが多いのですが、寝ながらなど楽な姿勢で読みたい時はスマホを使っていて、もうちょっと大きい画面で読みたいなと。

M5lite8は期待通り、電子書籍リーダーとして絶妙なサイズでした。電子書籍アプリにはボリュームボタンでページ送りする機能があり、片手で持ちながらボタンを押してページ送りできることが重要。M5lite8はそれができるギリギリのサイズなのです、私にとって。

カバーが付属しているのですが、後ろにまわしたカバーを山形にすると、接触面が増えてさらに安定することに気づきました。分かりにくいと思いますがこの写真のような感じです。

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このカバーはiPadのカバーのように折ってスタンドになります。そのスタンドの足を持つのも楽なので、その時の気分で楽な持ち方をしています。ずっと同じ姿勢だと疲れますし。そんなわけで、このカバーは常に付けたままにしており、オマケにしては優秀でした。

MediaPad M5 lite 8をLTEで使う

実はこれが初めてのLTE(モバイル回線)搭載のタブレットです。タブレットを外に持ち出すことが無かったからですが、在宅勤務がメインになってから昼食は気分転換のため外で食べることが多く、その時に持ち出すようになりました。やっぱ、どこでも使えるのはいいですね。

いわゆるSIMフリーの端末ですが、SIMフリー機を買うときは対応しているバンド(周波数帯)を気にする必要があります。Band 1(2GHz)は必ず対応していますが建物の中や物陰に届きにくいため、プラチナバンドと呼ばれる700~900MHzのバンドにも対応していないと厳しく、海外製のSIMフリー機は対応していないことがあるのです。どのキャリアのSIMでどのバンドが必要かは、こちらの記事がわかりやすいです。

M5lite8のスペック表によると、Band 1 / 3 / 5 / 7 / 8 / 18 / 19 / 20 / 26 に対応しているので、日本のどのキャリアのSIMでもプラチナバンドが使えることになります。

私はSIMはmineoを使っていて、スマホはau回線ですがM5lite8はドコモ回線にしました。災害等でどちらか使えなくなったときの安全性が上がりますからね。mineoはM5lite8を対応端末として売っているので互換性は保証付きであって、実際すんなり設定できました。キャリア販売の端末だと、MVNOを使うためにアクセスポイント設定にアドレスなどの文字列を入れる必要があるのですが、この機種は最初から各種MVNOの設定がインストールされているので、モバイル通信のアクセスポイント(APN)からmineoを選ぶだけです。

apn設定

MediaPad M5 lite 8の欠点

そんなわけでM5lite8は気に入って使っていますが、欠点が2つあります。みんな言ってますが、一つはUSB端子がmicro USBなことですね。なぜ今どきUSB Type-Cではないのか。他の機器がほとんどType-Cなのでケーブルが増えて面倒だし、差しにくいし、耐久性も不安があります。これはかなり残念な点ですね。

あと、指紋認証はできれば欲しかったなと。顔認証はありますが、姿勢によって認識しづらいことがあるので。

日本製のAndroidスマホのチップはほぼ全てSnapDragonであり(サムスンも日本用モデルはSnapDragon搭載)、M5lite8が搭載しているKirin(HUAWEI製)はマイナーです。そのため主に日本製のアプリで動作しないものがあるそうです。ファーウェイは世界一のスマホメーカーなので世界的にはメジャーで、海外でも販売されているアプリは問題ないと思われますが。どうしても使いたいアプリがある場合は調べておいたほうがいいでしょう。私は今のところ動かないアプリは見ていません。

まとめ

リモート勤務になったので携帯端末として8インチタブレットを導入したことは成功でした。ポケットには入らないけれど、画面が見やすくて使いやすいです。安くて性能不足のタブレットを買って失敗したこともありましたが(アマゾンのFireとか)、これは十分な性能があるのでストレスなく使えます。それで2万円ちょっとなので、いい買い物だったなと思っています。

ただAndroidのバージョンが今後も上がらないと思われ(制裁が解除されれば可能性ありますが)、いずれセキュリティパッチも切れるのでそんなに長期には使えないでしょう。8インチタブレットはリモート勤務時代に良いと思うので、他のメーカーももっと力を入れて欲しいですね。

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