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Alienware m15 R2のレビュー・有機ELの画面が素晴らしい・VRにも対応

Alienware(エイリアンウェア)はゲーミングPCの代名詞のような存在で憧れの品でした。今回「デル アンバサダープログラム」で体験モニターを募集していたので応募してみたら、ラッキーにも当選してお借りすることになりました。レビュー記事を書くことがモニターの条件なのでレビューしたいと思います。

スペック

お借りしたAlienware m15 R2のスペックは以下の通りです。

CPU Core i7-9750H
GPU NVIDIA GeForce RTX 2070 Max-Q
メモリ 16GB
ディスプレイ 15.6インチ 4K 有機EL(OLED)

最新機種はGPUにGeForce RTX30x0シリーズが搭載されているので、これは少し前の機種のようです。実は私はRTX2080搭載のデスクトップPCを使っているので、性能面では新鮮味は無いなと少し残念でした。

でも実際に使ってみると、この機種にはすごくいいところがあって結果的にアタリだと思いましたね。その前にまず外観から紹介しましょう。

外観

Alienwareといえばグレーでゴツいというイメージだったのですが、今はこのような白い薄型の筐体なのですね。エイリアン感は薄まった気がしますが、スッキリしていて圧迫感が無いのでこれも良いです。

全体

触ってすぐに感じたのは、キーボードの質の高さでした。キータッチにちょうどよい重さとクリック感があり、剛性感も高くてしっかりした快適なタッチです。これまで触ったノートPCのキーボードで一番良いかもしれません。モニターに当たったから忖度ではなくそう思います。このへんの作りの良さはさすがですね。

一方でトラックパッドは普通で、ちょっと上下が狭いなと思います。狭い理由は、冷却用の吸気口がキーボード面の上にあるからでしょう。珍しい配置ですが、確かにこれなら広い面積でフレッシュな空気が吸えますね。吸気口は底面にもあり、排気口は背面にあります。かなり冷却に気を使った設計に見えますが、そのおかげでハイパワーなGPUを搭載している割にはファン音が(静粛とは言えないが)うるさくないです。サイバーパンク2077やVRゲームをプレイしましたが、ゲームの音を鳴らしていればファン音は気になりませんでした。ノートPCって負荷をかけるとけたたましい音でファンが回るものもあるので。

うしろ

あと外観で多少気になるのは、電源ケーブルが真後ろに出ることです。ノートPCは横に出るものが多いですよね。真後ろだと置くときにこの分だけスペースが必要になりますが、あえてこうしているかもしれません。背面に排気口があるので、ぴったりくっつけて置かれると良くないでしょうから。

こちらは私が仕事で使っているノートPC、VAIO SX14 との比較ですが、2回りくらい大きいですかね。電源ケーブルも含めて奥行きにはスペースが必要です。

比較

ちなみに最大負荷をかけたときのファン音はVAIOのほうが大きいです。グラフィック性能や消費電力はAlienwareのほうがずっと高いので、冷却性能が全然違うわけですね。

電力といえば、ACアダプタが見たことがないくらいデカくて笑いました。それだけパワフルということですね。デカいけれどなるべく薄くは作られていて、本体の薄さと合わせて持ち運びに考慮している感じはします。

アダプタ

4K有機ELディスプレイ

そしていよいよ本題?なんですが、このお借りしたモデルには4Kの有機EL(OLED)ディスプレイが搭載されています。これがめちゃくちゃいいですね!びっくりするくらいに。

こちら分かりにくいと思いますが、左後方は普通の液晶ディスプレイです。ASUSのIPS液晶のもので、比較的発色が良かったので選びました。右手前がこの機種の有機ELディスプレイで、実際に目で見ると質感がはっきり違うのですが、この写真でもいくらか分かるかもしれません。有機ELのほうが発色が良く、明るいところと暗い所のコントラストがしっかりあり、階調も豊かです。そのおかげで立体感があり、こちらを見た後で液晶画面を見ると、のっぺりして見えてしまいます。

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私はゲーミングPCとPS5を持っていますが、なるべくPS5でゲームしたいと思っていて、その理由はテレビにつながっているからです。テレビのほうが画像エンジンやバックライト制御などのおかげで映像が綺麗で、それに比べるとPCのディスプレイは素の映像なので物足りないものがあるので。

一方でこのAlienwareの有機ELディスプレイは私のテレビ(液晶のそこそこ良いモデル)よりも良いくらいで、この画質ならぜひゲームしたいと思えます。気に入って欲しくなったくらいですが、現行(2021年夏)のAlienwareでは有機ELディスプレイは選べないみたいですね。今は165Hzや250Hzといったリフレッシュレートの高い液晶ディスプレイをウリにしているようです。確かにAPEXとか対戦シューターをやるにはリフレッシュレートが重要でしょうけれど、サイバーパンク2077とかアサシンクリードみたいなグラフィック重視のゲームをやるには映像が綺麗な有機ELのほうが良いので、私ならそちらを選びたいですね。ビデオなど見るにも大変良いです。

ただし、有機ELには焼き付きやすいという欠点はあります。それをなるべく避けるためにおもしろい工夫があって、使っている人の視線を認識して画面を見ていない時には暗くするようになっています。今この記事はデスクトップPCで書いているので、横にあるAlienwareの画面は暗くなっています。でもふと視線を向けるとすぐに明るくなるので、なかなかの精度です。その効果か、この個体には焼き付きは無いようでした。ただS.M.A.R.T.のデータを見ると稼働時間がまだ短いようで、長期に使ってどうなるかは気になるところです。

ゲーム性能

ゲーム性能のベンチマークとして3DMerk(Time Spy)をやったところ、6343でした。同じ構成で6800くらい出てる例も見たので、なぜ低めなのかは不明です。デスクトップのRTX2070は8600くらい出るので、いずれにしてもデスクトップよりは低いですね。冷却が難しいノートPCとしては高性能です。

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今回の「デル アンバサダープログラム」では、「サイバーパンク2077」のコードが支給されたので遊んでみました。ブレードランナーのような退廃的な未来世界で、犯罪にも手を染めるプロフェッショナルとして生きるアクションRPGです。未来版GTAみたいな感じで、雰囲気がとても好きですね。

デフォルト設定ではグラフィックは最高品質の「レイトレーシング・ウルトラ」で4K解像度になっていました。これだとフレームレートが30fps以下だったので、解像度を2K(1920x1080)にすると60fpsくらいで動くようになりました。画面の密度のせいか解像度が荒い感じはしなくて、十分きれいです。サイバーパンクは負荷が重いゲームとして知られていますが、それが最高設定でプレイできるのだからほとんどのゲームで問題無い性能と言えるでしょう。

私はPS4版で同じゲームを持っているのですが、さすがにこのPC版のほうがグラフィックが良いですね。例えばこちらはPC版です。

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そしてこちらはPS4版ですが、中央少し左のKabayanと書いてある看板の後ろの赤い柱が、PC版は陰影がリアルですがPS4版はのっぺりしています。そういうリアルさがPC版のほうが上でPS4版はCGっぽいなと思うシーンがあちこちあります。レイトレーシングもPS4版には無いですし。

サイバーパンク2077_20210730021112

PS4版も性能のわりにがんばっているし、今後PS5版が出たらPC版と同等になると思いますが。

ただPS5でもどうしようもならないのがこちら。これはPS4版の映像で、水死体のような女性(一応生きている)が水着のようなものを着ていますが、PC版では全裸でおっぱいも見えてます。

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ここは風呂場だし、猟奇的な犯行現場のシーンなので全裸じゃないと雰囲気が出ないと思うんですよね。おっぱいが見たいとかではなく。

また、PC版では街のあちこちにポルノの広告サインがありますが、PS版では当たり障りない映像になっています。この街の猥雑な雰囲気を醸し出すのに意外と重要で、感じが変わるなとPC版をプレイして気が付きました。これなら、なるべくPCでやりたいと思ってしまいますね。

なんにしても、サイバーパンク2077は世界観がかっこよく、グラフィックは美麗で、ストーリーに引き込まれるゲームなのでぜひプレイしてみてください。そして映像に立体感のある有機ELの Alienware m15 R2 でプレイするのは最高です。

VRに対応できるか

Alienwareを借りたらやってみたいと思っていたことに、Oculus Quest 2を接続して動かすことがあります。Oculus Quest 2は単体でも遊べますが、Oculus LinkでPCと接続することでPC用に作られた高度なVRゲームを遊ぶことができます。コンパクトなQuest 2とAlienwareの組み合わせは似合うだろうと思ったのでした。

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接続はすんなりできて、Google Earthやアスラズ・ラースを動かすことができました。Oculus Linkが要求するハードウエア基準は高いのですが問題無いようです。

Google Earthは世界中どこでも自由に空中散歩できるという素晴らしいソフトですが、PC版しか無いのでこうしてOculus Linkで遊べるのはありがたいですね。

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アスラズ・ラースはOculusが自ら開発したゲームで、没入感の高い素晴らしいグラフィックが特徴です。所有しているデスクトップPC(RTX2080)でプレイしたときと比べると、やや解像度が落ちていることはわかりますが、十分きれいですし動きは滑らかでフレーム落ちもなく問題ありませんでした。このレベルが遊べるならば、VR用としても使えるなと思います。

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まとめ

Alienware m15 R2はディスプレイが美しく、性能のわりにコンパクトでファン音はうるさくなく、キーボードなどの作りがしっかりしているマシンでした。コスパで言えばデスクトップのゲーミングPCのほうが良いですが、設置場所などの事情でノートPCにしたいという方には選択肢になるマシンではないでしょうか。VRにも対応できますし。映像が綺麗で性能が高いので、ゲーマーだけでなくクリエイターにもよさそうですね。

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