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VTuberグループ「あにまーれ」の不仲営業の歴史

VTuberグループの「あにまーれ」は、2018年6月にデビューし、同時期に多数生まれた「にじさんじフォロワー」(2Dキャラを使った生配信中心のVTuberグループ)の中では、比較的順調なグループだと思われます。でも多少の紆余曲折はありました。

特徴的なのは、多くの女性VTuberのグループ(箱)が、内部での疑似的なカップリング、いわゆる「百合営業」「てぇてぇ営業」を積極的にやるのに対して、あにまーれはやらず、むしろ「不仲営業」をやっていると言われてたことですね。ここでは、あにまーれの不仲営業の歴史と今について書きます。

黎明期

あにまーれは2018年6月に、因幡はねる宇森ひなこ宗谷いちか、稲荷くろむ、日ノ隈らんの5人のグループとしてデビューしました。6月9日にYoutubeでの最初の配信を全員で行い、以後全体コラボをほぼ1ヵ月に1回行っていましたが、他のグループよりはグループ内のコラボは少ないほうでした。コラボでも「てぇてぇ」を前面に出す他のグループとは一線を画して、お互いに煽りあうスタイルで、わちゃわちゃとやかましいのがあにまーれの個性になっていました。

7月中旬に、同じ運営から別グループの「ハニーストラップ」がデビューしますが、そちらは逆に、グループ内の仲が際だって良く、コラボも頻繁にやっていて、「てぇてぇ」や女子会的な雰囲気を安心して楽しめるので人気が出ていました。それと対比されたこともあり、あにまーれは「ぎすまーれ」とか「不仲営業」とか言われるようになりました。

「不仲営業」と言われる理由は、リーダーである因幡はねる(ねるちゃん)が常々、自分たちはてぇてぇ営業はやらないと言っていたせいもあります。自分たちには似合わない、煽り合ってるくらいがちょうどいいんだ、という考えでした。

たしかに、VTuberのグループがたくさんある中、そういう方向で特色を出すのはアリだし、個性を生かすのも大事でしょう。でも主な理由は、ねるちゃんが筋金入りの「陰の者」のせいだと思われます。友達になるきっかけ作りが苦手だし、人に嫌われるのが怖くて踏み込めないという性格はガチみたいですね。

10月3日の昼の配信でもそういう話をしていて、「自分はグループ内でも浮いている、誰もコラボに誘ってくれない」と言っていたのですが、コメント欄のリスナーに励まされて、Dead by Daylight を一緒に遊ばないかとメンバーに呼びかけました。するとなんと全員集まり、その日の夜にコラボが行われました。これは一つのきっかけではあったけれど、あまり後には続かなかったようです。

ちなみにこれは、僕が当時ネタで作ったものです。分子生物学的にも、たしかにねるちゃんは他のメンバーから遠いねと。

・2018/6/9 Youtubeで活動開始・全体コラボ「あにまーれ全員集合配信」
・2018/6/23 全体コラボ「けもみみ女子でFPS人狼」
・2018/7/12 ハニーストラップ活動開始
・2018/7/23 全体コラボ「あにまーれで鬼ごっこ」
・2018/8/19 全体コラボ「決戦!!格付けしあう女Vtuberたち!」
・2018/10/3 全体コラボ(突発) 「Dead by Daylightで不仲説を払拭するあにまーれ」

停滞期

10月27日に全体コラボ「あにまーれ対抗 最強姫王決定戦」が開催されましたが、リスナーも参加するという段取りが難しいものだったことや、各自の準備不足等もあり、全体として面白かったものの、ちぐはぐな印象も残るものでした。

その反省会ということで、10月30日に突発の全体コラボ「NGなしのあにまーれ!」が開催され、あにまーれについて本音をぶつけ合うという内容でしたが、印象的だったのは、ねるちゃんのこじらせっぷりでした。ひなちゃんはもっとみんなと仲良くイチャイチャしたいと言ってたし、宗谷さんはあにまーれが大好きだという熱い思いを語り、ねるちゃんにも大好きになって欲しいと言ってました。でもねるちゃんはそういう柄じゃないと拒絶して、自分はどうせみんなから嫌われていると言っていました。

その根拠として、なにかお祝い事があっても他のメンバーからのお祝いの言葉(ツイート)が無いと指摘して、確かにメンバー側も、嫌われてるんじゃないかと遠慮してたところはあったようです。とまぁ、いろいろすれ違いが明らかになり、すぐには解消しない感じでしたが、直接会おうという話にはなりました。これまで、ねるちゃんはメンバーの誰とも直接会ったことがなかったので。

そこで11月8日に、ねるちゃんは宗谷さんを誘い、横浜で観光して、食事して、ホテルでお泊りとフルセットで接待しました。ねるちゃんが他のメンバーと直接会ったのはこれが初めてのはずです。これによって、少なくとも一時的にはかなり打ち解けたようでした。宗谷さんは他のメンバーとも順番に会っていました。

そんな中、お稲荷(稲荷くろむ)が引退するという事件が起こります。一身上の都合によるものですが、引退の少し前の12月23日のコラボ「クリスマス前のあにまーれマリオカート祭」は4人で行われました。その時、宗谷さんはお稲荷がいないことが淋しかったのでしょう。他のメンバーはいないのが当たり前のように振舞っていることが耐えられなかったのか、ちょっと様子がおかしくて、途中から全くしゃべらなくなったりしていました。熱い人なのでね。

お稲荷の引退放送では5人揃い、笑顔で送り出しましたが、このあたりがあにまーれが、一番心配されていた時期だと思ます。

・2018/10/27 全体コラボ「あにまーれ対抗 最強姫王決定戦」
・2018/10/30 全体コラボ(突発)「NG無しのあにまーれ」
・2018/11/8 翌日にかけて宗谷いちかと横浜でオフデート
・2018/12/23 全体コラボ「クリスマス前のあにまーれマリオカート祭」
・2018/12/28 稲荷くろむの引退配信

回復期

年が明けて、しばらくコラボは無かったのですが、1月27日に久しぶりの全体コラボ、「Vのから騒ぎ」が行われました。例によって煽り合いの内容でしたが、四人になって立ち位置が微妙に変わりつつ、それが自然にしっくりしていたので、全体に好評だったと思います。

そして1月29日、突然4人がtwitterに焼肉の模様を投下し始めました。運営のななしさんの計らいで、初めて全員が顔を合わせ、食事会が開催されたのです。放送は無かったものの、twitterの文字や音声で、楽しそうな様子は十分伝わってきました。ねるちゃんはこのとき、ひなちゃん、らんちゃんと初めて直接会ったはずで、ひなちゃんのおっぱいを揉んだり、らんちゃんを可愛がったりしていました。

焼肉パーティーのあと、そのままオールナイトのカラオケになだれ込み、朝までいっしょにいました。終わってからねるちゃんは、「仲良し営業とかじゃなくほんとにメンバーのこと好きになれた」とツイートしました。

その後は、オフで会ったり食事したりということは、度々行われるようになりました。

また、これまでマインクラフトは個別で行っていましたが、あにまーれとしてのサーバーが立ち、以後はそのサーバーでみんなで遊ぶようになりました。みんなで力をあわせ、マインクラフト内にあにまーれを建設したことで、さらに絆が深まったように見えました。

・2019/1/27 全体コラボ「Vのから騒ぎ」
・2019/1/29 全員による焼肉会(配信は無し)
・2019/1/30 全体コラボ「あにまーれマイクラあつまーれ」
・2019/2/13 ねる、ひなこでオフデートもつ鍋
・2019/2/27 ねる、ひなこでオフデート韓国料理。同日夜にコラボ配信
・2019/3/1 ねる、いちか、らん、ななしで食事会。ひなこは体調不良で欠席。

安定期

4月12日のコラボ「あにまーれ不信バトルロワイヤル」は、初の全員参加のオフラインコラボということで記念すべきものでした。またこのために、ねるちゃんはお弁当を手作りして持参し、メンバーに食べさせました。

4月29日のコラボ「はねる宅でたこ焼きパーティー」は、ねるちゃんの家に初めて4人が集まりました。まずねるちゃんの手料理を振舞い、そのあとたこ焼きパーティーの様子を配信していましたが、四人が本当に仲が良さそうでした。楽しそうな様子は、この絵がよく伝えているかと。

ひなちゃんが言ったセリフが印象的でした。「はねるは最初、鬼なイメージがあったんだけど、めっちゃ綺麗だった家をボロボロにしたのに、ほんとになんか、心が草原のように広いなと思った、今日」と。

実際ねるちゃんは、自分がきちんとしているだけに、他者にも厳しいと思うんですよね。前述の「NGなしのあにまーれ」内でもけっこう説教しているし、日頃のミーティングでも厳しいのでしょう。そういう部分が他のメンバーと垣根を作っていたというのもあったかもしれない。でもねるちゃんはようやくメンバーのことが好きになって、その愛情と包容力を見せることで、他のメンバーからも心から好きになってもらえたと。そんな雰囲気が伝わってきました。あと、食べ物は大事ですね。

・2019/4/12 全体コラボ「あにまーれ不信バトルロワイヤル」
・2019/4/24 全体コラボ「UNO!ストップ!!カードバトル!」
・2019/4/29 全体コラボ「はねる宅でたこ焼きパーティー」

不仲営業の今後

仲良くなったと言っても、始終スキスキやってるわけではなく、わかりやすい「てぇてぇ」では無いでしょう。でも、「たまたま同じグループになったから好き」とかではない、ぶつかったりすれ違ったりしながら、時間をかけてようやく仲良くなれたのを僕たちは見てきたから、てぇてぇな、と思えます。原義通りの「尊い」です。

設定やシナリオではない、リアルな物語があるから、VTuberは面白いのではないでしょうか。あにまーれのてぇてぇは、VTuberの魅力そのものです。

もはや、あにまーれをガチで不仲だと思っている人はいないので、不仲営業もやりにくくなるかもしれないけれど、大騒ぎしながらも仲がいい、というのがあにまーれらしいと思いますね。

あにまーれは先日のニコニコ超会議でLIVE DAMのステージに出演し、3Dで「ようこそジャパリパークへ」を披露しました。3D化が成ったので、今後もグループでいろんなところに出演する機会が増えると思いますが、持ち味の「ドッタンバッタン大騒ぎ」を見せてくれることでしょう。

※この記事を書くために、あにまーれ非公式Wiki因幡はねる非公式WiKiの情報を参考にしました。ありがとうございました。


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