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500円で星空ピアノコンサート #2クラシック篇

 今月も「星とピアノ~Night Sky Lounge~」を楽しむことができた。
ピアニストはももかし。「もものような甘いお菓子のイメージでピアノを弾く」という触れ込みである。
 登場してびっくり。昭和のアイドルというか地下アイドルのようなふりふりのドレスだ。胸の前にもフリルがふりふりとついている。弾くのに邪魔にならないだろうかと心配してしまうくらい。
 と思っていると1曲目が始まった。ショパン「夜想曲 Op9-2」である。誰しも曲を聞けば「ああ、あれね」とわかるし、ノクターンといえばこれ!の曲。浅田真央さんが2014年世界選手権で金メダルをとったショートプログラムの曲として、フィギュアスケートファンの心に刻まれている曲でもある。
 わたしにとっては、中学生のときにお小遣いで楽譜を買って練習した曲でもある。
 ドームに映し出された夕暮れの風景が、文字通り「音楽の背景」となってゆっくりと回転していく。間に星が出てくる。南を向いて座る、いつものプラネタリウムの星空とは方角が違うので、見たことのない星空のようだ。
 最後のトリルからのエンディングを終え、ゆっくりとピアノから指を離したピアニストがマイクを手にした。MCはまだまだ慣れていない様子だが、これからどんどん上手くなるだろう。
 「あの、今日はプラネタリウムでの演奏ということで、えーと、夜や星についての曲を演奏します」
 2曲目はモーツァルトの「きらきら星変奏曲」K.265だという。ピアノを習っていたとき練習していたソナタ集に入っていたので、何度も弾いた。中学生のわたしは「なんで同じテーマばっかり何度も何度も弾くんだろう」と指だけ機械的に動かしながら練習した。変奏曲の面白さがわからなかったのだ。ももかしの演奏を聴きながら、そんな昔のことを思い出した
 続く3曲目、ベートーヴェンピアノソナタ第14番「月光」第3楽章だ。大好きな曲の背景には、月の出が大写しになっている。プラネタリウムにはこんな映像もあるのか。ああ、小学生の学習投影用に準備されているのね。
 ところで、わたしはYouTuberのピアノをよく聴くが、クラシックを演奏する人はあまりいない。チャンネル登録者数212万人、日本一を誇るよみぃさんはゲーム音楽が多いし、超絶テクニックを持つ菊池亮太さんは、メドレー演奏が多くて1つの曲をゆっくり味わうことができず、いつも、ちょっと残念ではあった。
 だが今日は「クラシックの日」のようだ。家を出る直前まで外出が億劫になっていたが、思い切って出かけてきた甲斐があるというものだ。
 「月光ソナタ」を堪能しているうちにドームの背景はどんどん明るくなり、朝日が上ってきたところで静かに曲は終わった。
 ここまで「夜」の曲でノクターン、「星」できらきら星変奏曲、「月」で月光ソナタ、では「朝日」はどんな曲なのだろうと待っていたら、サティの「ピカデリー」という。「日の出には明るく気持ちが弾む曲が合う」ということで選んだそうだ。
 楽譜は持っていないが、メロディーに覚えのある、よく聴く楽曲だ。マーチだから、たしかに「明るく気持ちが弾む」曲でもある。「朝日」の選曲は悩んだと思うが、なかなかいいセンスである。
 そしてアンコール。これまた大好きな、モンティ「チャールダーシュ」であった。ラッセンの後のフリスカ(速いパート)をマンドリンで弾くとおっとろしい指使いになるのだが、ピアノであってもなかなか難しい曲だ。舞踊曲の雰囲気がよく出ていて、盛り上がった。
 このアンコールの曲は、自撮りの録画がYouTubeで公開されていた。
 

 終了後、出口でYouTubeとTwitterをフォローした画面を見せるとジェットストリームとコラボしたオリジナルボールペンをくれるというので、早速フォローしてみた。
 クラシックを弾くYouTuberは少ないのが残念だったが、今日はその欲が満たされた。ももかしさん、ほんとうにありがとう。

 なお、前回のRythm Trickの投稿は↓です(音源はありません)。


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