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初ひとりバー、初アイリッシュコーヒー

 昨夜はピアノリサイタルに行った(詳細は明日投稿)。
 ホールのそばに、ティグラートという店がある。ジェラートが美味しいカフェであるのは知っていたが、この店はバーでもあるので、いつかカクテルを飲みたいと思っていた。

 じつはひとりでバーに入ったことがない。「死ぬ前にやってみたいことリスト」に入っているので、それを決行しようと何か月も前から楽しみにしていた。リサイタルの前に前にバーに寄ろうというのだ。
 ほんとうはリサイタルの「前」ではなく、「後」に行くのがいいのだろう。けれども、夜間に酒を飲むと翌日に響くことがわかっていたので、このスケジュールにした。
 さて、いよいよティグラートに入店した。コンサート前なので1杯だけ飲みたい。身体が冷えないように温かいカクテルがいいなぁ。
 わたしは数年前まで浴びるほど酒を飲んでいたが、カクテルはまったく知らない。温かいカクテルがあるかとバーテンダーに聞くと「アイリッシュコーヒーなどいかがでしょう」とお勧めされたので、それに従う。
 アイリッシュコーヒーというのは、アイリッシュウィスキーとコーヒーをブレンドしたカクテルだという知識しか知らない。もちろん飲んだことはない。名前だけで味を知らないというのは、初めてのおひとりさまバーでのカクテルとして、ちょうどいいのではなかろうか。
 カクテルが完成するまで、わくわくしてバーテンダーの手元を見つめていた。手順は次のとおりであった。
1. グラスに熱湯を入れる(温めていたのだと後から知る)
2. 豆を挽きコーヒーを淹れる
3. アイリッシュウィスキーを取り出し、小さい鍋で温める
4. 炎がボッ!とあがってゆらめく。フランベか! カクテルにもフランベという技があったとは……
5. (これも後で知ったが)フランベは単なる「ショー」ではなく、ウィスキーの風味を引き立たせるためと、アルコールを少し飛ばすための工程らしい
6. グラスの湯を捨ててザラメを入れ、ウィスキー、コーヒーと注ぐ。最後に生クリームを浮かべてできあがり
 グラスにも「Irish Coffee」と書いてあって、雰囲気満点。
 どうやって飲むのだろう。生クリームだけが先に入ってくるのかと思いながら口をつけると、意外に生クリームは一瞬だけ。すぐにウィスキー風味のコーヒーが入ってくる。
 そして驚いたことに、このグラスがものすごく冷めづらい。20分くらいかけて一口ずつゆっくり啜ったが、最後まで温かさを保ってくれた。
フランベのおかげでアルコール分もちょうどよく飛んでいて、ほんの少しだけ「お酒を飲んだ」華やかな気分になれた。感じが味わえた。これからコンサートに行くのにふさわしい。
 「死ぬまでにやってみたいことリスト」をひとつクリアしたけれど、この店にはまだ試していないジェラートがたくさんある。また来なくては!

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