昨日は、講師役を務めた際「自分だけが話をするのではなく、受講者に話させろ」と言われたというところで終わった。
 そんなものかなぁと思っていたら、その後すぐに、再度「話をする機会」がやってきた。3分間という短時間だが、勉強会で参加者全員が発表しなければならないという場である。
 3分間であっても、準備はきっちりしなければならないことはわかっていた。下手な話を聞かされるほうは苦痛でしかないのだから、内容はもとより、「この人の話は何いってんだかわからなかった」にはならないようにしたい。
 資料作りは嫌いではないし、楽しかったしのですぐに終わった。
 次はスピーキング準備だ。3分にタイマーをかけて、まずは話してみた。前回の経験を元に、フローチャートを作って時間を書き込んだ。
 スピーカーが多い(全員発表型)の場では、大体みな持ち時間をオーバーする。「一人あたり3分間」の話を5分間で収められる人は優秀である。ふつうなら10分話してしまうだろう。
 だからこそ、自分のように話下手のスピーカーはとくに、時間オーバーは決して許されない。3分ちょうどで話せるようにするのはもちろん、時間が押していたり周りの雰囲気によっては、1分で切り上げられるようにする準備も必要である。
 ここがたいへんだった。3分バージョンと1分バージョン、どちらも頭に叩きこんでおかねばならない。会議室の机に紙を置いても、立って話すならその紙の文字など読めないからである。たぶん老眼だけのせいではない。前を向いて話しているとき、真下を向くのはできないではないか。
 というわけで、この「3(1)分間話す」ための「話す」練習(資料作成ではない)にかかった時間を計ったが、4日間でトータル3時間だった。資料作成は1時間で終わったので、話す練習のほうがずっと時間を取っている。
 前回のことも書いておこう。2時間の講座のために、資料作りは添削も含めて60時間ほど。スピーキングは40時間くらいしか練習していないから、だんぜん今回のほうが「しゃべりを自分のものに落とし込んだ」といえるはずである。
 原稿もフローチャートも作らず、ほとんど覚え込んだ。話す練習をしていたら、自然に「動作の練習」もすることになった。
 以前、昨日書いた講師の話をもってきた人に「話すのは苦手なのでお受けしないようにしています」といったら「練習が足りないだけでは?」と返された。「リハーサル何百回してるの? そうでなければ、苦手なんていう資格ないでしょ」。ひとことも言い返せなかった。
 というわけで、今回は「ここまで練習すれば本番でつっかえたり、時間オーバーすることはない」と思えるところまでは詰めた。(続く)

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