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泡の行方

どうしてそういうことになっちゃったのか
そんなことを聞くこともゆるされず
日々は無機質に数字に足を重ね
いつかいくつもの数字に気づいた時に、
そういえばそんなこともあったねと、誰かがいう

理由がわかれば飲み込められるのか
この気持ちの目的はなんなのだろう
知りたいという独りよがりか
社会への見せしめか

思えばそれは、泡の風だったのだろう
誰かが吹くたびに、綺麗に宙を待っていた

それは勝手に、いつまでも続くと思っていたし
泡が底をつけば、また新しく買えばよかったのだ
望めば、泡ではないなにかにだってなれたはず

それで良かったはずなのに

最後の泡はどうだったのか
気づかないうちに弾けて消えたのか
それとも、風に乗ってどこかに飛んで行ったのか
ずっと見ていたはずなのに、みえない
最後の泡がどうだったのか思い出せない。

泡の行方はどこだ
私が知りたいのは行方か?
それとも、泡の意思か?

嫌いになれたらいいのになんて思えない
いっそ忘れられたら良いでしょうなんて
本当はそんなこと思っていない
ただ、泡の行方を知りたかっただけ
それだけのはず

はずなのに

虚像をかき集めて
レプリカの君のつぎはぎを
エモーショナルに浸ってなんて、冒涜だ

私は何に怒っている
なぜ、泣けてくるのか

私は泡の行方が知りたい
それは、執着か。
もしくは、愛なのか。

ずっと見ていたはずなのに
好きだと思っていたはずなのに
最後の姿が思い出せない。
知りたいのは、虚像か
それとも行方か

泡が消えてなくなったのなら
あなたも、私の執着も、無くなるのか
違う何かに巡り会えた時
それでも虚像の執着を貫けるの
それを愛と呼んでもいいの
あなたは教えてくれないし
私は許しを得ることができないのだ。

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