映画「君の名は。」

2016年大ヒットした映画「君の名は。」
気になりつつも映画館へ行けずにいたのだがWOWOWで放映されたので録画して鑑賞。
語られ尽くしたとは思うが、私も感想を遅まきながら。

【ネタバレ全開なのでこれからご覧になる方はご注意を。】

なるほど!面白い。
ストーリー展開に勢いがあって目が離せない。

正直、話の大筋はSFでよくあるものだ。
体が入れ替わる。
時間を超え、運命を変更する。
非常にベタな設定で、しかもハッピーエンドなのだが、
息をつかせぬリズムある物語の運びでハラハラさせる。

高校生の男女の気持ちの移り変わりに、こちらも胸がキュンとなり、
ラストに温かい気持ちになれる。
そして、もう一度最初から観たいと思わせる。

アニメではあるが、背景や小物がとてもリアルに描かれているし、
また人間関係や生活の様子にもリアルを感じるので、見ていて入り込める。
クラスメイトの女子の意地悪な言葉とかね。
言うだろうなぁ、と思うようなセリフだし。

SF的なあり得ない設定の話なのにリアルを感じるのは、
非常に緻密に伏線を張り巡らせているからだろう。
「紐」の使い方も上手い。
おばあちゃんの眠くなるような古臭い語りが実は重要な伏線の説明だったり。
全編伏線だらけと言ってもいいくらい。
後から観たらオープニングがいきなりネタバレ満載なのに驚くもの。
最後まで観た人へのご褒美ね。

主人公・三葉(みつは)が代々神社の家で、彼女は巫女であることが、
神秘的な力を持ち得るという設定の土台になっている。
ハリウッドで実写化するって話も聞いたけど、ここの部分、どうするのかなぁ~と気になるところ。

70年代に中学生だった私は当時全盛期だったSFショートショート(星新一、筒井康隆など)を片っ端から読んで過ごした。
時間を遡る話はよくあった。
未来を変えるとねじれが生じる。
パラレルワールドが分岐によってできる。
都合の良いように未来を変えることへの代償が警告のように必ず描かれ、主人公は不幸な末路を辿ることが多かった。

だから「君の名は。」のように気持ちのいいハッピーエンドはとても新鮮だ。
ご都合主義のハッピーエンドと感じないのは、やはり話が緻密に作られているからだろう。
かなり練り込まれた脚本だもの。

つっこむとしたら…
スマホの電池が切れない世界やなーってことかな。
地図アプリあんなに使ったら、予備の電池もっていかないと絶対ヤバイで。
しかし、スマホを駆使しているところも今の空気感たっぷりで、それがこの映画の魅力でもあるよね。

大ヒットしたRADWINPSの「前前前世」も、最初はいつ出てくるのかなーと思って見始めたけど
すっかり忘れた頃にいきなり出てくるのでインパクトある。
音楽がすごく効果的に使われていて、これも物語のメリハリに大きく寄与している。

ハリウッドで実写化…話、進んでるんだろうか??どうなるんだろうねぇ。
かなり完成されたアニメだから超えるのは大変そう。

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私のブログ 「夢で逢えたら…」に同じ記事があります。
http://merusas.seesaa.net/

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