見出し画像

ドラマ「不適切にもほどがある!」 で思い出したパワハラ記憶

人気ドラマ「不適切にもほどがある!」を遅ればせながら見てみた。
いやあ~面白いね!さすがクドカン。攻めてるぅ~

セクハラ、パワハラ当たり前!の時代に私も揉まれて生きてきた口なので、
このドラマで描かれている昭和の光景は、とても懐かしい。

今となっては大変“不適切”な言葉を畳みかけて連呼する主人公・市郎(阿部サダヲ)は体育教師。
あの頃の体育教師は正に“不適切”の権化だった。
生徒指導の名のもとに横暴で理不尽な振る舞い…。
それが当然のように許されていた。

1970年代は校内暴力が社会問題となっており、荒れた学校が多かった。
だからこそ、それに対抗すべく生徒指導も厳しさを増していったのだと思う。

それでも、滅多に体育の授業を休んだことのない私が「頭痛で見学させてください。」と申告した際、
いきなり出席簿の角で頭を叩かれた恨みはいまだに忘れられない。

頭痛って言ってるのに頭を叩く意味がわからない。
サボリだと思うなら、そう言えばいい。許可するなら叩く必要がどこにある?
…などという真っ当な理屈が通らないのが、当時の常識だったのだ。

私はそれなりに優等生だったので、教師に褒められこそすれ叩かれたことは一度もなく、この突然の仕打ちの痛みに驚いた。

思わず教師を睨み返すと、ギョッとした表情でバツが悪そうに彼は
「行って良し。」と言い放った。
「失礼しました。」と私は定型文で答え、失礼をしたのはどっちなんだ?こんな人間に頭を下げる必要があるのかと腸を煮え繰り返し退室したのだった。

見学申告の生徒にはバツを与えるのが当然。
出席簿の角で生徒の頭を叩くのは、許される行為。
しかし、睨む私と目が合った瞬間、彼も自身の理不尽さにふと気付いたのだと思う。
ああ、いつものパターンでやってしまった。この生徒はサボリ癖のあるやつでもないのに、と。

それ以来、体育教師というものは信用ならないと思うようになった。
それが高じて、体育会系の男性がとても苦手になり、避けた。
ハラスメントは人の心を深く傷つける。
もう40年以上前のことなのに、一生忘れられない怒りを植え付ける。

ハラスメントは許されない。
そう思う一方で、昨今のハラスメントを過剰に避ける風潮にも違和感を覚える。
その気持ちを代弁するセリフがドラマにあった。

「結婚して幸せだって言っちゃいけないのか?
子どもがいて幸せだ!って。
俺は幸せだったよ。」

結婚、出産に関することは特に気遣われる話題となって、
他人は無論、我が子にさえ言えない空気だ。

個々の自由を重んじることは大切。
少数の人への配慮も大事。
だけど…なんだか最近、とみにバランスの不均衡を感じる。

女性を馬鹿にしたCMは絶対NGだが、
男性を小バカにしたようなCMはたくさんある。

平等ではないのだ。
男性を弱くすることで女性を強く見せるなんて偽物だ。
共に強くなり、共に輝くことを目指してこそ。
男と女は違う。
あなたと私も違う。
違うけど、だからこそお互いの足りない部分に気付けるし、支え合える。
そんな社会は理想論?
そんなこともないと思うんだけどなぁ。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます…! 「おもしろかったよ~」って思っていただけたら、ハートマークの「スキ」を押してみてくださいね。 コメントもお気軽に!