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前編:あらすじの書き方について

 この記事は、賞などに投稿するさいにつける「あらすじ」について書いていきます。
 賞に投稿した経験がある方をはじめ、賞に投稿しようと思っている方、趣味で見ている方。どんな方でも楽しめるように書いていきます。

 ①あらすじの優先度

 早速ですが、性格診断クイズです。
 ふわっふわしたものなので、軽い気持ちで流して下さい。

 以下の要素に優先順位をつけてください。

 ・タイトル
 ・あらすじ
 ・ストーリー性
 ・意外性
 ・作家性

 全部大切ですね。すべてひとつながりのものです。ワンピースです。
 とはいえここでは話の流れとして、1番にタイトル、2番にあらすじ、ということにしておきます。
 タイトルは顔ですからね。とっても大切です。
 名作と呼ばれるものはタイトルもすごい!
 例として、個人的観点でチョイスした名作を3タイトルあげます。内容をすべて忘れて、以下のタイトルを味わって下さい。

『そして誰もいなくなった』
『すべてがFになる』
『ブギーポップは笑わない』

 タイトルだけで、読みたくなるじゃないですか。

え? ならない?
……いや~。
やっぱりそうですよね!
なりませんよね!
私もそう思います!!!
実はタイトルだけだと、雰囲気は伝わりますが、それだけなんです。


 ②あらすじの役割

『そして誰もいなくなった』なんて、小さい頃に鬼ごっこしてたら、1度や2度は体験するでしょうし。
『すべてがFになる』は、オシャレなこと以外はわかりません。
『ブギーポップは笑わない』は、意味不明な固有名詞を出されて、ん~?って感じです。

 でもここにあらすじが入るとどうでしょう?

『そして誰もいなくなった』
→孤島を舞台に、10人の登場人物が童謡「十人の小さな兵隊さん」の詩になぞらえて殺されていく。最後には10人全員が死亡、そして誰もいなくなった。


『すべてがFになる』
→孤島の研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。密室であった彼女の部屋から女性の死体が現れた。島を訪れていた犀川創平と西之園萌絵は天才の密室殺人に挑み、そのトリックを看破する。


『ブギーポップは笑わない』
→様々な夢や、希望や、あきらめや、悩み。いろいろな想いを持ちながら日々を過ごす少年少女達。でも彼らの日々は、一匹の怪物によって、人知れず侵食されていく。人を喰らう「マンティコア」、それを追う「エコー」、そして世界の敵を感知し自動的に浮かび上がる「ブギーポップ」。登場人物それぞれが自分と向かい合い肯定していく過程を描いた群像劇。


 あらすじが入ってくると、タイトルの意味と内容がリンクしてくるので、より興味をもてるようになります。

 これがあらすじの役割です。
 つまり、タイトルと連動して本の内容に興味をもってもらい、購入してもらうためのもの、です。

 ③結論

 タイトルで手にとってもらって、あらすじで掴む。これがあらすじの役割でした。あらすじの優先順位が高い理由がお分かりいただけたでしょうか。

 あらすじは掴みである。
 だから大切である。

 というのは、すべて勘違いです!

 はい。盛大にひっくりかえします。ちゃぶ台返しです。
 あらすじを書こうと思っている人は、いままでの話はすべて水に流してください。
 なぜなら、いままでの話はすべて、「販売用のあらすじ」のことだからです。「応募用のあらすじ」ではありません。
 応募用のあらすじがかけない理由。
 それは、まったく教えられたことの無いものを、やれと要求されているからなんです。
 では、応募用のあらすじの書き方は?

 長くなったので、続きは次回。

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