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怠け者と炎天下

日射しがガンガンとこちらを射す。このままだと殺されるんじゃないかと思うよう。汗は滲むを越えて、服をびっちょりと濡らす。顔を少し上げると、額からどしゃ降りにでもあったのかというように流れていく。

タオルでこまめに拭かないと、汗が目に入って痛い。
中学の時の部活もそうだったなとたまに思う。運動部だった。走り回って、死ぬかとおもうほど動きっぱなしで、あの時はなんでこんな辛いことしてるんだろうと疑問に感じながらやっていた。全くつまらなかったとかではないのだけど、でも根本的に運動音痴だったのもあった。笑っちゃうくらいセンスに欠けていた。

そして同時に、努力しなくてはと頭では考えていたが、一向に上達しそうもない現状に前にどんどん興味を失って、時間が過ぎるのを待っている自分がいた。どうもわたしという人間は根性のない、真からの怠け者っぽいぞということにもなんとなく気付いた。

着火するのは早いが、飽きるのも早い。
それを思えば、あの頃の自分はまさかこの先、こうやってこの炎天下の中で、毎日外仕事をしてるとは思いもしなかった。聞いたら驚くだろう。今の自分だって、一年が過ぎる毎に、あぁなんかなんとか過ぎたな…とやっと気を緩めて、なんとかここまで続けられたぜ…ラッキー…と安堵している(こう見ると前から全く変わっていない)。

大人はもっとちゃんとしてるもんだと思っていた、みたいなことをよく耳にするけど、確かにあの頃、それで真面目に悩んでいた。

部活なら三年やれば終わるかもしれないけど、仕事ってずっとずっと続いていくもので、そう思ったら絶対に無理な気しかしなかった。だって、毎日朝起きて、通勤して、にこやかに振る舞い、仕事もきっちりこなして…とか考えるだけで、いや割ともう難しそうだ。

皆は、今日は昨日頑張ったから朝全然起きれなかったな~とか、なんかこの仕事もう飽きちゃったけどどうしよっかな~とか考えたりしないのだろうかとずっと疑問に思っていた。なんかそういう気持ちはずっとあったから、普通の会社員はなれないと思って、別の何かを探していた部分はある。でもだからこの仕事をするつもりは、その時は毛頭なかった。


そしてその時の自分の疑問は別に解消されるわけでなく、そのまんま今もなにひとつとして変わらずあるし、大人になれば出来るようにはならなかった。

たまに起きたら仕事始まってたりしたこともあるし(しかも一回じゃない)、こんなくそ暑いな~と思う日は、単純作業をずっと繰返していると飽きた!とほっぽりだしてどっか行きたくなる。私はあの時の予想通りの怠け者だった。中学の時の、あの悩んでいた頃からなんら変わっちゃいない。

でもちょっと生きて恥をかいた分、面の皮が厚くなり、平気な顔して怒られに行けるようになった。飽きたと思えば、自分の出来る範囲でだけど、ちょっと別のことに取りかかってみたり、休憩挟んだりとかするようにしている。それでも駄目なら今日は好きなもん食べよーとか、人に相談することもできるようになってきた。

もっと根本から変えられれば、もっと大きく前進できるのかもしれない。でもまぁ、いや変えれたらそれが一番だけど、今はこれでいい。ちゃんとした大人には程遠いけど、自分のやれることをちょっとずつ強化して、なんとか過ごしてる。

これからもそうし続けるしかないんだろう。

もしかしたら、明日仕事を辞めてるかもしれないし、全然違う方に行くのかも分からないけど、その時もきっと、今できることをやる以外にないな。あたりまえのことかもしれないけど。

今する事をしましょう。

とっとと終わらせて帰って、おばあちゃんが去年作ってくれた梅酒のキンキンに冷えたやつをがぶ飲みしながら、きゅうりのわさび漬けとだし巻きにチーズ!ってやりたいなーと考えながら、また私は炎天下を堪えてやるのです。ついでになんか映画も観ちゃおうかな。

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