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飲み込む渦

毎日、今日が一番暑いんじゃないかなと思うような天気と、そうかと思えばバーっと降りだしてじめじめ、というのを繰り返しているから、体は思ったより疲労している。太陽は容赦なく体力を奪うから日が隠れるとこちらは嬉しいけど、意外と動けないし、体がだるい。朝も全然目覚められないし(まあ元々だけど)、やっぱり、日差しを浴びて私たちは生きている。


トマトやパプリカなんかも日差しがなければ、花が落ちてしまう。それは実がつかずに終わってしまうということなので、大きなダメージ。高温過ぎるのも駄目だが、照射量が足りなくなるのも駄目で、そこはもう、コントロールするのが大変。


初めて農業に触れたときに、そんなことまで心配しないといけないなんて、マジでなんなんだと心底思った。家庭菜園ならまあそこら辺の畑に堆肥とホームセンターで買った肥料まいといて、草むしって、余計な枝折ったりするんでしょ?くらいのもんだろっていうのが、それが池なのだとしたら、何も見えない大海にポツンと置き去りになったように、ゴールが果てしなく遠いように感じた。

でもそれが面白いところでもあって。

原理があって、それを自分の直感で探っていきながら答えまで到達しようとしている、もう職人と言った方がいいような人から、原理があれば多くは数字で表せるのでそれを使って答えを導こうとする人がいたり。どっちが良いとかではない。というか結構どうでもよくて、人が苦労し挫折を重ねて切り開いてきた道を話なんかを通じて辿らせてもらうのは、本当に面白い。ちょいちょい、なんかどっかで頑張りの方向逸れちゃったんだな~とか、あっいい話っぽく言ってるけど…これスピリチュアルな方に向かっている…と、なんとも言えなくなってしまうこともあるけれど、またそれも勉強ではある。悲しくはあるけど。

どちらも良いとこもあって、やっぱ直感で異変やサインを人より機敏に感じられるのは強いし、数字を元に機械がコントロールするっていうのもめちゃくちゃ強いし、お互いの短所も埋められるところがあるから、どっちも欲張って欲しがんなきゃ生きていけなさそう。


生きているなかで全部ひっくるめて進んでいくって強いなと思わせられることが増えた。

例えば服(好きなんだけど、決して詳しい訳ではない)、コスパがいいからファスト系がいいとか、安いものにはこだわりに欠けて価値が薄いなんて対立する場面もたまに見るけど、結構上手い具合に両方活用している人が多くいて、すごく良い。

Tシャツ1枚でも、機能性やシルエット、生地もしっかりしてて安価で、何着も持てて着回せるものが増えたし、それが取り上げられているのがこの時期の通例みたくなってて、いいなと思う。

じゃあ高いブランドの出してるもんなんかただ名前だけでこんな値段なのか?って言えばそうじゃないなということもあって、それをDiorの出したフェミニストTシャツで感じた。何着Tシャツ買えるんじゃって値段で発表されたTシャツには、「WE SHOULD ALL BE FEMINISTS」と書かれていた。


支持するかどうかとかは置いといて、それはただの流行だけではなくて、メゾンが服を人々に向けメッセージを発信して、これからの時代の変化を推し進めようという流れを作っていた。これは大きく、歴史があるところが成せることだし、それに続いてファストファッションがそれを真似ても、意味は全く違うように思う。

例えが極端すぎてあれなのだけど、私たちの日々の暮らしにいつも寄り添うもの、生き方や自分を支えてくれるものの二つを比べるのはなんだか違っていて、それぞれを大事にすればいいような気がする。


関係ないかもしれないけど、高校の頃、邦楽ロックばかり聴いていたのに、ある日私の前にPerfumeが現れてポリリズムを歌っていて、すぐ夢中になってアルバムを聴いた。そしたら今度は凛として時雨を知ってかなりショックを受けた。次は相対的理論が来て、なんだこれ…と言いながらドはまりした。今度はなぜか突然アイドルを追いたくなった(全然詳しくないけど)。

自分でもジャンルはごちゃごちゃだし、浅く漁ってんな~と思うけど、多分こういう性格なんだろう。

ずっと自分を貫いている人を見ると、こちらがブレブレなのがよく分かるなと自虐的になったりする。そうなのかもしれない。でも別に良いかなって気もしなくもない。色んなもんが好きだ。全てが私を生かしてくれている。


小さい頃から聴いてた宇多田ヒカルが、ラッパーとコラボするなんて思わなかったけど、えっ良いじゃんとずっとリピートしてた。変化してみせたり、やっぱこの人のこの感じがいいなというところもあったり、多彩な才能を見せる人。また次のアルバムを楽しみにしている。自分の中の全部をひっくるめてってこういう人かもしれない。時代の流れや、積み上げてきたもの、喜び、悲しみやら多くのものをそのまま飲み込んで進んでいく人。

そんなことを考えた。話はまとまらなかった。

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