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天国と地獄

天国は
生命と調和の国で
霊たちは、ひとりの幸福は万人の幸福
万人の幸福はひとりの幸福という
かたちの幸福を享受している

これが調和や美しさ
幸福をあらわす言葉である

天国とはこの言葉が
そのまま通用する世界である
ここは連帯の世界である

一方で、なぜ
地獄のような存在を許しているのか
その答えは簡単であり
それは闇がなければ
私たちは光の存在に気づけないからである

悪霊は自由を許されているゆえに
霊の世界では善霊を苦しめ
人間の世界では
人間に不幸を与えるという暴威を振るう

彼らが自分に許された
自由を行使して
さまざまな悪事を働くことは
善霊のための教材になって
役立っている面もある

一方に暗い闇があるからこそ
他方に明るい光の存在がわかるのであって
闇と光は一対のものである

地獄は
一人ひとりの利己的欲望の世界なので
調和はあり得ない
連帯とは逆に
分裂の世界になっている

善なる心を持つ
素直な人なら
だれもが天国に幸福を見出す

しかし、地獄の霊はそうは考えない
たとえば彼は
他の霊や人間を支配して
自己の利己的欲望を満たした場合に
より一層の幸福を感じる

本質的にそのような性質だからこそ
彼は自ら進んで地獄に行く
このように地獄を選択する
自由が許されている

彼に自由を与えず
無理に天国に連れて行ったとしても
それはまったく意味がないばかりか
逆効果にしかならない
自分も楽しめないばかりか
天国の秩序を乱すこととなる

地獄の霊は
人間のときの悪業に対する刑罰ゆえに
地獄に落とされるわけではない

地獄の霊は
自分に合っているがゆえに
すすんで地獄を選んで
そこへ行く

善霊にも悪霊にも
そういう自由を許すように
世界をつくっている
いずれの場合も
それは自由意思によって
そうなるのでなければ意味がない

このように
善霊にも悪霊にも
自由を許している

彼の本質そのものが
自分の自由意思で変革され
天国に適する霊になった場合は
彼の自由意思によって
天国に行くことになる

エマニュエル・スウェデンボルグ(Emanuel・Swedenbolg:1688-1772)

スウェーデン人
自然科学、数学、物理学
哲学、心理学など
数々の学問分野で
業績を上げた
天才である

同時に
偉大な霊能力者として
世界中に知られる

1747年以降
一切の科学的研究を放棄し
後半生の約30年間
心霊的な生活と
霊界の研究に没頭した

生きながら
霊界に出入りする
霊的生涯を送り
彼が霊界で見聞
実体験してきたことを記した
膨大な著書は
現在も
ロンドン大英博物館に
保管されている

科学的な視点で
自分の体験について
客観的に検証した
彼の見識は

形而上学的
かつ曖昧な概念を
リアルなものとして
実感でき
死後の世界を
くっきりと浮かび上がらせる

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