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インドのゲストハウス「Vaara」が想像以上にチルでオシャレで最高過ぎた。

アフリカ音楽キュレーターのアオキシゲユキです。

普段はアフリカ音楽をご紹介することが多いこのnoteですが、今日はインドにあるゲストハウスのお話です。

今年のGWに7泊8日の日程で初めてインドを旅してきました。最初はムンバイで2泊、それからアフマダーバードで2泊、そして最後はデリーで3泊という旅行プランの中で、ニューデリーのHauz Khasというエリアで滞在したゲストハウスが、僕がこれまでに泊まったどんなホテルよりも最上級に気持ちのいい場所だったので、今回は皆さんがインドに対して抱くイメージをいい意味で裏切るチルでオシャレなゲストハウスをご紹介します。

ニューデリーの中心部コーンノートプレイスから10kmほど南に位置するHauz Khasエリア(ちなみに現地に行くまで「ハウズ・カズ」って読んでましたが、地下鉄のアナウンスを聞いたら「ホーズ・カズ」って言ってました)、この辺りは近年特に注目度が高まっているオシャレスポットです。そのHauz Khasの中でもHauz Khas District Parkという公園に隣接した「Hauz Khas Village」と呼ばれる一角がイケてるよ、という情報をKazuritsarさんのブログで教えて頂きました。Kazuritsarさん、ありがとうございます。

なんせ「昼はインドの代官山-表参道、夜は渋谷-六本木」ですから。Hauz Khas Villageさん、ちょっと欲張り過ぎなんじゃないの?もはやライバル不在の一人勝ち状態。そこまでデリーの若者たちから一目置かれる場所ともなれば、僕もアフリカ音楽キュレーターを名乗ってる手前、たとえ追いかける国やジャンルが違えども、発展めざましい現代インドのクラブにおいてどのような音楽が流行っているのかリサーチをしないわけにはいきません。これは僕に課された責務。だったらここに泊まってしまえばいい。そうだ、クラブだらけの街に泊まろう。そうすればよくわからけど何かいいことがあるかも知れない。

そんな自分の責務に対する冷静さと不埒で淫らな情熱の間でゆらゆらと揺れてるうちにポチっと予約をしてしまったのが、僕のちっぽけな冷静と情熱なんぞ1mmも入り込む隙間がないほど洗練されたゲストハウス「Vaara」だったのです。

公園の緑を借景するこの大きな窓が何よりの魅力。
インテリアのさり気なさが素敵。
CASA BRUTUSに載ってていいレベルです。
共有スペースの奥に見えるのはキッチン。
インドのベランダ界トップの実力です。

最高過ぎます。インドの方には申し訳ないことを承知の上で敢えて言いますが、全くもってインドだと思えない。こんなインドがあったなんて。いや違う、僕がインドの本当の底力を知らなかっただけなんです。今回この宿を知って僕は「いよいよインドは本気で世界を獲る気なんだ」と肌で感じずにはいられませんでした。

今回僕が泊まった部屋は「キングルーム レイクビュー」。もう1つ「ガーデンビュー」という部屋もありますが、そっちはバスタブが部屋の中にあったので、僕はレイクビューを選びました。

写真じゃちょっと見えづらいけどレイクあります。


このレイクビューの部屋の魅力は、なんと言っても大きな窓。隣接するHauz Khas District Parkを見下ろす眺めは、忙しい日常から自分を完全に切り離してくれる最高の遮断装置。部屋の目の前に伸びる小枝には毎朝小鳥が羽根を休ませにやって来て、さものど自慢が如くその美しい歌声を聴かせてくれますし、下に目をやれば太い幹の周りでリスたちが追いかけっこを繰り広げる。まるでハウス名作劇場のワンシーンを観ているような気持ちになります。

小鳥と言うにはちょっと大きめのマイフレンド

この部屋の気持ち良さには前述したような「功」もあれば「罪」もあります。路上に転がる数々の地雷(踏んではいけない犬や牛のアレ。特にデリーは多い)や、食事の度に容赦なくやってくる辛辣なスパイス達、ちょっと気を許すと躊躇なく話しかけてくる気さく過ぎるインドの方々、そして狂暴な程にうるさいクラクション攻撃に疲れ果てた私たち旅人の心を思いっきり安堵させてしまうので、正直なところ外出する気が失せます。そんな時はスナック菓子&お好みのドリンクを事前に買っておいてください。「インドでオシャレにインドアライフ」という、オヤジギャグのように古くて新しい旅のジャンルを切り拓くことが可能となるでしょう。

インドのスーパー行ったらこのHappiloのChickpeas買って!めちゃ旨!

ちなみにVaaraはホテルではなくゲストハウスなので、例えばホテルの部屋に用意されているようなコーヒーや紅茶は置いてありませんし、歯ブラシやシャンプーなどのアメニティグッズもないです。ご自身でご用意くださいね。その他備品については予約サイトなどのページでご確認ください。

さてさて、次はそんなVaaraの内観を動画でご紹介。


続いてはVaaraまでの行き方をご紹介。なんせこのHauz Khas Villageというところは建物が入り組んでいるため住所が非常にわかりにくいです。Google Mapやストリートビューでは場所を特定することが出来ません。なのでVaaraの場所を特定するまでには20分以上かかりました。しかもその日は雨。背中にはバックパック、両手でスーパーの紙袋を抱えズブ濡れになりながら20分も迷路の中を彷徨い続け、4人目に声をかけたインド人が「この通りの先にある22番の建物のアップステアだ」と教えてくれてようやく辿り着くことが出来ました。歩いてる途中で濡れた紙袋が破けてしまい、スーパーで買ったミネラルウォーターやらチョコブラウニーやらが道に散らばった時には映画のワンシーンかと思いました。

動画はHauz Khas Villageの入り口からVaaraまでのルートになります。ここで参考までにHauz Khas Villageまでの行き方をお伝えすると、一番手っ取り早いのはUberでタクシーかオートリキシャを呼んで向かってしまうことです。特に日本からの国際線で到着しニューデリー空港から直接向かう際には、空港にいるタクシーの呼び込みは絶対に相手にせず(詐欺などのトラブル多発)、Uberを呼ぶか空港のプリペイドタクシーを利用するのが安心できてお勧めです。
またインド国内線でデリーに到着する場合やデリーの街歩きには地下鉄「デリーメトロ」の利用も便利。そんな地下鉄の駅からのアクセスは「Green Park」駅から約20〜25分、「IIT」駅からだと15分程度。しかし暗くなってから歩いて向かうのはやめておくことを強くお勧めします。さらに「IIT」駅に向かう道は公園の中の未舗装路です。朝歩いた時は穏やかな野良犬たちと美しい孔雀を見かけましたが、それ以外に得体の知れない動物や人間がいるかも知れませんし、雨が降ると一瞬で道が池のようになりますのでご注意。

IIJ駅に通じる道は森の中の遊歩道。昼なら問題ナシ。


ニューデリー空港は国内線(T1)と国際線(T3)でターミナルが離れているため地下鉄の路線が全然違います。国際線があるT3は「エアポートエクスプレス」(通称オレンジライン)で国内線のT1は「マゼンダライン」になりますので、ご利用の際は路線図をご確認下さいね。

そして最後は毎日窓から眺めていた公園の様子を少しだけご紹介。

緑豊か。木陰が快適。時々サルがいます。
実はこの公園、古くは14世紀の遺跡が残る由緒正しき場所なのです。
公園で絵を描いていた学生さんをパチリ。日本の「ワビサビ」に興味があるんだって。


という訳で今回はインドで見つけた僕のお気に入りゲストハウス「Vaara」をご紹介しました。もしインドのデリーに行く機会があったら是非ご検討くださいね。きっと素敵な体験が待ってるはずです。


インドに限らずですが、海外を旅する時に選ぶ宿って千差万別だと思うんですね。バックパッカーさんならコスパ重視でしょうし、ビジネスや観光で訪れる方なら快適さや利便性そして安全性が重視されるかも知れません。例えば僕が今回のインド旅行で「手頃な価格帯×それなりのラグジュアリー」を探した時に出てきたホテルは、例えば床が大理石だったり、あるいはイスやテーブルやベッドやカーテンが必要以上にコテコテなホテルが多い印象で、選んでる時点で少し疲れてしまいました。

そんな時に見かけた「Vaara」はシンプルでナチュラルで居心地が良く、かつ洗練されたセンスがいたるところに表れており、一瞬で「ここしかない!」と思ってしまったのです。

実は今回の旅で最初に訪れたムンバイでは、オールドムンバイの景勝地マリンドライブ沿いの5つ星「インターコンチネンタルホテル」にも宿泊しました。オーシャンビューを全身で浴びる、それはそれはたいそう素敵な部屋でした。

オールドムンバイのマリンドライブ沿いに建つインターコンチからの眺め。

インド駐在の男友達と泊まりましたが。泣

マリンドライブのインターコンチネンタルはさすがとしか言いようがない最高のホテルだったんですが、それでも僕は「Vaara」が忘れられません。今回の旅で僕は、これまでの先入観として根強くインプットされている「汚くて貧しくてカオスでガンジス川で沐浴」みたいなインドではなく、「カッコよくてオシャレでイケてるインド」を見つける宝探しをしてこようと思っていました。そしてまさにこの「Vaara」こそが僕の予想をはるかに超える輝きを放つ宝物でした。もちろん、私たちから見て汚くて貧しいインドの風景が今もなお残っていることは確かです。でもそうではないインドがちゃんとあったし、それぞれのライフスタイルを謳歌する若者たちと触れ合う機会にも恵まれました。

コーンノートプレイスのOMG Cafeにて。シンガーとして活躍する2人と最後の夜。

今まで僕はタイのバンコクが大好きで、移住するなら絶対バンコクと決めていたんですが、今回の旅でインドの魅力にはまってしまい、今一番住みたい国はインドになりました。とても一言では語りつくせない国、インド。なるべく早いタイミングにまたその多様な魅力をより深く探るために訪れようと思っています。

ところで。インドのナイトシーンは一体どうだったんでしょう。それはまた次のお話ということで。

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