【MeWSS論文コラム】 投稿作業とカバーレター

 ほとんどの英文雑誌では、ウェブサイト上の専用システムを通して投稿します。原稿作成途中、なるべく早いうちがいいですが、一度ダミーの情報を入力して、投稿の練習をしてみてください。投稿に必須な項目の中に、著者が全く想定していなかった情報が要求される場合があり、その情報を得るのが難しくて結局その雑誌への投稿を諦めた事例も経験しています。COIも場合によっては書類へのサインを共著者にお願いしなくてはなりませんので、早めに対応し始めた方がいいでしょう。こういった作業は原稿作成と同時進行でやっておくと、投稿間際になって焦らずに済みます。
 図表やSupplementary fileの形式も雑誌によって違う場合がありますので、こちらも事前に確認しておいてください。

 投稿前に用意するものとしてカバーレターがあります。定型文のフォーマットを用意しておきましょう。色々なご意見はありますが、カバーレターはそれほど大きな影響力を発揮するものではない、と経験上私は考えています。<論文の要約、オリジナリティ、なぜこの研究が重要か>の部分も、論文のアブストラクトやIntroduction、Discussionで書いたことを要約すればよく、この文章にこだわって時間をかけることはあまりお勧めしていません。
 定型文パートは、一般的な英文レターの書き方に従って下記のような感じで書けばいいです。ただ雑誌によってはカバーレターに書くべき事柄、例えばCOIやAcknowledgementなど、を決めているところもありますので、投稿規程に従ってください。

YY(チーフエディターの氏名)
Chief Editor, Journal of XX
投稿日

Dear Dr. YY,(Profの場合もあります)
On behalf of my co-authors, I am pleased to submit to ”雑誌名” for consideration of publication, the original research manuscript entitled: “論文タイトル”.

<論文の要約、オリジナリティ、なぜこの研究が重要か>

We believe this manuscript will be of significant interest to readers because….
  The manuscript has not been published in whole previously, and has not been submitted or currently considered for publication elsewhere.
The preliminary results from this study were presented in part at the XXX Annual Meeting(要旨が公開されていればURLを入れてください).
The manuscript represents original work and all authors have reviewed and approved the manuscript before submission and met the International Committee of Medical Journal Editors (ICMJE) criteria for authorship for this article.

Yours sincerely,
責任著者の氏名、所属、連絡先


 カバーレターも含めて全てのファイルをアップロードし、ウェブサイトに必要な情報を直書きしたら、投稿作業終了です。確認ファイルは通常3通りあり、全部開かないと投稿できません。特にファイル全体が統合された査読用のPDFファイルは、しっかり確認してください。この状態になって初めて気が付くケアレスミスもよくありますし、図がうまく表示されていないということも珍しくありません。査読者はこのファイルしか見ませんので、必要な情報がきちんと表示されたファイルになっている必要があります。
 全部確認できたら最後に「submit」のボタンを押して投稿が完了します。自動応答メールがくるはずですので、それをご確認ください。
 
 投稿後、1−2営業日は雑誌からのメールに注意し、迷惑メールフォルダーに入っていないかも含めて確認するようにしてください。ファイルや情報に不備があると差し戻しになることがあり、この連絡に気づかずにいると時間のロスになってしまいます。メールの受領に不安がある場合は、ウェブサイトからも確認できます。エディターから発信されたメールは、投稿著者の専用サイトに保存されていますし、査読者に回ったなどの進行状況も随時確認できます。