見出し画像

【学年が違う子ども同士での学び(当アカデミーのコンセプト)】

当アカデミーの各会場のエリート育成クラスは、現在小学3年生から6年生までを1クラスとして編成しております。

各クラス、先着順で入会可能。
セレクションはありません。
選抜クラスもありません。

これは、グランド利用可能時間と、私の活動との兼ね合いもありますが、だからこそこの環境下で学べる最大効果を得られる狙いを持って指導にあたっております。

全てのことがそうであるように、メリットとデメリットは必ず併せ持っており、それをメリットとして捉えるか、デメリットとして捉えるかは、見方、臨み方次第で全く違う効果を得ることができます。
 
当アカデミーで大事にしていることは大きく2つ。
①一人一人の技術を確実に上達させること。
②判断の本質を学びとってもらうこと。
 
まずは①について。
当アカデミーで伝えている技術は絶対的なもの。
何かと比べて相対的に良いというものではなく、絶対的なもの。
どこに行っても通用する絶対的な技術。
試合で使える技術。
試合で生きる技術。
試合で活かせる技術。
それをデモと言葉で伝える。
言葉は大事。
言葉を知ることにより、子どもは振り返り、自主的に取り組める。
なぜなら、ものを考える時は、必ず言葉で考えるからです。
また、言葉を知ることで説明ができる。
アウトプットする力を同時に身につけることで、より学びを強固なものとする。
感覚的な学びではなく、論理的な学びにより、自ら伸びていく力を助けてくれます。
そして、できるようになる楽しさを実感し、それがより自発的に取り組もうという内発的動機を高めることに直結するという好循環を生みます。
 
次に②について。
同じレベル、同じ学年の子どもたちとの練習では、思い通りに進んでいくことが多いと思います。
しかし、違うレベル、違う学年の子どもたちとの練習においては、思い通りに進まないことが増えてきます。
大事なのはその時。サッカーを通して何を学ぶか、学べるか、学ぼうとするか。
例えば、同じレベル、同じ学年の子どもたちであれば、そのパスの質で止めれたものが、違うレベル、下の学年の子どもたちになると、そのパスの質では止めれないという現象が起きます。
その時です。
「ちゃんと止めろよ」と相手に矢印を向けるのか、それとも「止めやすいパスを出してあげなきゃな」と自分に矢印を向けるのか。考え方は成長に大きく影響します。
これはサッカーに限りません。
何事に対しても外に矢印を向けて言い訳をする考え方では停滞、いやむしろ後退。
しかし逆に、常に自分に矢印を向けて改善に取り組める考え方は前進、成長、進化。
この考え方はサッカーに限りません。
今も未来も、この社会で生きていくうえでの必須の考え方。
また、サッカーにおいては、状況判断の本質にも繋がっていきます。
例えば、裏にスペースがあり背後を狙えばチャンスだというシーン。
ここで、判断力の未熟な選手はそのまま狙うでしょう。
もちろんそれで成功することはあると思いますが、再現性には繋がりません。
判断力に長けた選手は何を見るのか。
裏にスペースがある。
その上で、味方FWの状態はどうか(ex.裏に気付いているのかどうか)、また、守っている相手DFの状態はどうか(ex.前がかりになっているのか、それとも裏をケアしようとしているのか)、そして、味方FWと相手DFとの力関係はどうか(ex.相手DFの方がスピードがある)など、そういったことを一瞬で判断して実行するかしないかを決断します。
あいてるから出すのか、あいていてもあえて出さないのか。
個々の特徴、個々の要素にまで落とし込む。
これが判断の本質。
マグネットや作戦盤だけでは語れない要素。
これを、日常的に学べる環境を設定する。
当スクールでよく見られるシーンがあります。
球離れが遅いシーン。
単に遅いのか、それとも遅らせたのか。
なるほど、遅らせたのね、よく見極めてる、よくやめたね、よく変えたね、というシーンが。
この判断をより的確にするためにも、ボールを持ちながら顔を上げられるように、周りをより認識できるようになるための基本技術の習得は、絶対的に必要なのことなのです(この場合は、止める•運ぶ技術)。
これらをうまく連動させることで、見る力(判断力)と、成功させる力(技術)を向上させるという狙いで指導にあたっています。
違うレベル、違う学年の子どもたちが集まる環境でこそ学べることは何か、最大限得られるものは何かを理解したうえで我々は指導にあたっています。
これは、同レベル、同学年の子どもたちの中でやっている時には、伝えてその時は理解できたとしても、なかなか実感しにくく、変わりにくい考え方だと思います。
なぜなら、基本的にはうまく流れることの方が多いからです。
矢印を外に向けるのではなく自分に向けるという考え方。
これを大人になってからできるようになるのか、子どものうちからできるようになるのか。
大人でもなかなか難しいことを、子どもたちには大好きなサッカーを通して自然に学んでいく。
こういった狙いを持っています。
 
私がJクラブのトップチームからアカデミーまで20年間指導者として携わり、特に最後の6年間で風間八宏氏とともに川崎フロンターレと名古屋グランパスのトップチームでコーチとしてプロ選手の指導にあたる中で、プロの選手でもこんなに上手くなるのであれば、このメソッドを子どもたちに伝えれば、子どもたちはどれだけ上手くなるのだろう、どれだけサッカーを楽しめるようになるのだろうかと、その未来にワクワクし、子どもたちに絶対に伝えていきたいと始めたのが当アカデミーです。
 
サッカーが上手くなりたい、しっかりとサッカーを学びたい。その気持ちを一番に考え、まだ形のないゼロから始まり今日に至ります。
みんながプロ選手になることはできない。
しかし、さまざまなレベルの子どもたち、違う学年の子どもたち同士が互いに理解しあい、思いやり、自分に矢印を向けてサッカーが上手くなることを楽しむこの環境から、サッカーを通して社会に出て通じる考え方を学んでほしいと思っています。
 
所属することで伸びるのではなく、意志で伸びる。
所属で満足したら終わり。
向上心があればいつでも、どこでも、誰でも100%必ず伸びます。
子どもたちは未来です。
サッカーというスポーツを通して、素晴らしい未来を築いていく一助になれたらと、当アカデミースタッフ一同、心から思っております。 




代表 森  一哉
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?