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Sonos amp導入

30年くらい使っていた英国製ビンテージスピーカーを買い換えようかと思っていろいろ試行した結果,めぐりめぐってスピーカーじゃなくアンプを替えることにした,しかもそのアンプがSonosだった,という話.

Rogers LS3/5aという英国のスピーカーを1990年代に中古で買って30年以上使ってきた.しかし最近どうも飽きがきた感じであるうえに,このスピーカーの下取り価格がけっこう高いらしい(12万円から上,つまり30年前に中古で買ったときとあまり変わらない.彼らはそれを18万とか30万とかで売るのである)ので,ピカピカの新品を買うのにそう元手はかからない.そこで同じ英国の老舗スピーカブランドのKEFが表参道に新装オープンした試聴室を予約して出かけた.LS-60MetaやLS-60Wirelessを主に試聴したが,最近の英国製ってこうなってきたのかと驚きだった.音源はNASのようだったが,高い尖塔のある教会でのコンサートはそれと分かるようにエコーが響くし,コンサートホールでの録音は奥行き感もたっぷり出ている.しかし録音が悪いもの(クラシックの録音が混迷していた70-80年代とか)は悪さが悪いままであばかれる感じで鳴るので楽しめない.左右のスピーカーを結んだ線より後ろ側に奥深く音場が広がるのがコンサートホールふうで好みなのだが,LS60系だと最新の良い録音か,昔の録音でも奇跡的に良いものでないとそのように鳴ってくれない.

LS60系を試してみたい気持ちをこらえて,他に方法がないか考えてみる.もともとはLS3/5aは300Bという有名な管を使った管球アンプで鳴らしていたのだが,ここ2年ほど300Bが寿命らしく,しかし300Bを換えるお金が惜しくて,繋ぎに管球っぽい音が出るという小型アンプを使っていた.ここを強化してLS3/5aにone last chanceを与えてはどうか.そう考えて今度はアンプの物色を始めた.そうなると当初の「LS3/5aを売ってその資金で」という計画からは大きく乖離してしまうが,趣味の買い物というのはそういうものである.

ピュアオーディオ(音楽)とは別に,映画やドラマを見るのにSonosのサウンドバーとサブウーファ,それにワイヤレスでリアスピーカーを導入して,それは大変気に入っていた.しかし音楽鑑賞(ピュアオーディオ)とは別系統で映画・ドラマを試聴していると,システムの切り替えに工夫が必要である.そこにも悩みがあって,間違って映画・ドラマのDolby5.1やDolbyAtmosの音声信号をLS3/5aのほうに流してしまうと不気味なノイズが出る.LS3/5aの寿命のためにもこれは避けたい.ネット上で何周か機種選びをしているうちにSonos ampというのを導入すれば一挙に解決することに気づいた.数年前にNASにつなぐためにSonos Portというのも導入していて,今回ampを買えばPortはしばらく出番がなくなるが,趣味の買い物とはそういうものである.

なんとタイミングの良いことにSonos ampはアマゾンで30%以上の値引きをしていて7万円台,大変お買い得だった(新型が出る予兆であるという可能性はあるが,当面困らないだろう).音は期待以上だった.AppleMusicで聴くショルティの指輪のリマスター版など凄いし,悪い録音もLS3/5aの力でそれなりにデフォルメして聞かせてくれる.操作性も,手元のiPhoneのSonosアプリで音楽系と映像系を切り替えられるので怖いノイズの心配もなく満点である.シンプルにampという商品名だが,Wi-FiやEtherでネットに繋がり,ストリーマもDACも内蔵している.

オーディオの買い取り業者にいくつか査定を申し込んだので,今も何度も電話がかかってくる.何かのはずみでLS3/5aも手放してしまうかもしれないが,手放して後悔はしないという確信がもてる後継機が見つからない限りそうならないだろう.

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