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実はSES会社の種類は4つある


SES会社とは

SESはソフトウェアエンジニアリングサービスの略称でサービスの名前で、ソフトウェアの開発を事業としている会社が提供しています。
このサービスを提供をしている会社のことを世の中では「SES会社」と呼んでいるのです。
SESについての詳しいことはこの記事で紹介しています。


1、大手SIer系

1_あれっくす_大手SIer系

メガSIer(エスアイヤー)などとも言われていますが資本金や規模が大きなソフトウェア開発の会社さんです。
政府系システムなどの公共系の事業や、電気ガス水道をはじめとした病院、流通や物流などのインフラ系の事業、銀行や保険、証券会社などの金融機関系の事業、大きな会社の業務システム開発などの規模が大きいシステムの開発や運用保守を請け負っています。
我々の便利な生活が成り立っているのも大きな会社がシステム開発をしてくれているからでもあります。

1000万単位の案件や億円単位の案件を主に取り扱っています。
社員への福利厚生も充実しており、給与面で問題になることもあまりなく会社ごとの平均年収も高い方です。
よく聞くデメリットとしては昇進速度が他社に比べてゆっくりなイメージがあるのと、プログラミングなどの製造工程よりも情報整理を主とする要件定義などの設計工程が多いことで「手に職」のITスキルが身につきにくいことだとは思います。昇進速度がゆっくりと言っても、他の業界を見れば特徴的に遅いとも思えません。ごく普通の会社だと思います。
大きな仕事を分割してたくさんのパートナーと一緒に仕事を進めますので、コミュニケーション能力やお客様やプロジェクトの調整能力が評価されます。


2、子会社系

2_あれっくす_子会社系

大きな会社から分社化されて設立した会社さんです。
大きな会社のノウハウやナレッジを流用して運用されていることが多く、トラブル時のマニュアルも豊富です。
SIer文化の会社が多く、上位の会社と一緒に仕事することも多いです。
リスクよりも安定した仕事と収益を目指していますので、大手SIer系の会社さんと同じく昇進速度は世間一般の会社さんと同じくらいです。
会社の規模的にはそんなに大きい会社ではないので、同じ会社の社員さんとの距離も大手のSIerに比べて近しく感じることも多いと思います。
運用や保守をメインでやっている会社も多いので、仕事の時間のコントロールをするのに向いているかもしれません。
手掛けるお仕事の規模は1000万から5億円以下が多く、スケジュール的にも納期が短いものはあまり取り扱うことはありません。

新しい技術よりも安定運用が優先されることが多いので、とにかく新しいことに挑戦したいという人とは文化が合わないかもしれません。
しかしこのような安定した会社が障害調査などで分析してくれてるおかげで、様々なエラーやトラブルの解析が進んでおり、世の中のプロジェクトの追加開発やバグ改修などに貢献しています。
こういう会社さんが専門分野の研究チームを立ち上げたり、様々なイベントに登壇して成果を発表したりすると強い会社になるかもしれません。


3、エンジニアが独立した開発会社

3_あれっくす_エンジニア独立系

元々エンジニアをやっていた人が独立して作った会社さんです。
システムを作ることに特化している会社さんが多く、製品の品質や使用している技術に特徴があることが多いです。
お客様からお仕事を受注して持ち帰って自社で開発して納品することもやりますが、一部でSES契約でお客様の業務をヘルプすることもあります。
エンジニアだった人たちが作った会社なので、文化的にエンジニアに対する給与や待遇、環境が整えられてることも多く、エンジニアにとっては働きやすい会社も多いと思います。
昇進速度は前述のSIer系よりは速い方ですが、転職される人も多いため会社の中にノウハウやナレッジが確立されているかは会社によって違います。
自分で学べることが身についていたり、大変かもしれないけど技術的な成長をしたい人が入社して仕事するのは合っているかもしれません。
会社を拡張することよりも良い仕事ができるかという文化で経営されてる会社が多いので、お仕事の規模としては100万〜3000万くらいのものが多いと思います。
お客様やエンジニアにとっては天国のように思えるかもしれませんが、文化として技術や製品への関心が多いためビジネス面が弱い会社さんも少なくありません。お客様へのサービスを手厚くしすぎたり、エンジニアの待遇を良くするあまりに、会社自体の収益が低くなってしまっているケースも珍しくはありません。

こういう会社が成長するためにはビジネス面を強くして会社を強くすることが必要です。
良い製品や良い仕事をすることは非常に大事なことです。この価値をお客様に理解して頂いて報酬を得ることができることは素晴らしいことです。
しかしお客様に喜んで頂くために自社の利益を後回しにしてしまうと、中長期的に自社が成長できる機会損失を招くことに繋がってしまうことも少なくありません。
最近は強い開発会社も増えてきましたが、それはビジネスが強い人が入社したり、ビジネスに強いパートナーとタッグを組んだりして一気に進化しているのです。


4、営業が独立した系

4_あれっくす_営業独立系

ITの営業職の人が独立した会社さんです。
自社に持ち帰って受託で開発をすることもありますが、比率としてSESサービス事業をしている会社さんが多く、営業の人が作った会社なので会社の利益や、取引での利益を主目的に活動されている会社さんが多いです。
利益が出るように活動しているので不況だったとしても仕事を取ってくる力があり、潰れにくい会社という体質が特徴です。
自社サービスとしてビジネスマッチングサービスをリリースしている会社が多く、商材を販売することもありますのでツールやシステムのパッケージ商品を持っている場合も少なくありません。
取り扱ってる仕事の規模は数10万の小さいものから、1000万くらいのものまで幅が広いです。
文化的には営業会社なのでどれだけ会社に利益を出しているかということや、取り扱ってる取引の件数などが評価されます。
技術よりも取引内容の会社なのでエンジニアリングの仕事が評価されるのは難しく、技術職の雇用もあまり積極的にされておらず、新卒で営業職を雇用していることが多いです。
一方で営業力を活用して未経験を積極雇用して現場に入れてることも多いので、未経験の人ほどチャンスはあると思いますが、技術的なノウハウやナレッジがあることの方が少ないので注意が必要です。

こういう会社が成長するには取引量を増やすことではなく、自分たちの仕事が技術が関わっている仕事であることを自覚して、技術面に対して直接的な投資をすることです。
技術者の仕事が評価されない会社は当然ですが技術者が寄り付きませんし、取り扱っているお仕事はお客様のものであって、営業会社のものでもありません。お仕事の内容を理解していない人が商流に入ることでお客様はコストを払うことになります。
技術=価値を売りにできない場合は値段で勝負するしかないですが、その負担をお客様や技術者が払っているのであれば利益率をアップさせることは何年続けても難しいでしょう。


まとめ

私が知っている範囲でSESを取り扱っている会社をまとめてみました。
世の中には無数に会社がありますので、本記事に書かれていることが全てではありません。SESサービスは関わっている人の数が多いため、良いも悪いもたくさん情報があります。
悪事千里を走るではないですが、悲しいことに悪い情報の方が耳に入ることが多く、記憶に残りやすいのも事実です。
SESはこれだけたくさんの人が関わっているサービスなのに悪い情報ばかりでは、バランスが良くないと思います。情報整理のためにこの記事を書きました。もし間違っている情報や、もっと良い情報などありましたら教えてください。


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