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アイドルが好きすぎて歴史をまとめた

この世で最も尊い職業、それがアイドル。

4年ほど前に趣味でまとめた「女性アイドル史」がなかなか良かったので、見てもらいたくて投稿します。

※ここでのアイドルとは国内のグループを指します。また、これは私のいち解釈ですので、異論はもちろん認めます。

アイドルの定義

アイドルとアーティストの定義の違いって難しいんだけど、私が提唱するアイドルの定義はこれ。

客を喜ばせることを目的にパフォーマンスをする歌手のこと。

アイドルのパフォーマンスはファンのためにあります。ファンを喜ばせること、それが彼女たちの仕事だと解釈しています。

それに対してアーティストは自分のため、自己表現のためにパフォーマンスをします。

私のアイドルに対する持論を理解していただいたところで、早速歴史を見ていきましょう。

70’s 可愛くて若い女の子歌手=アイドル

若い女性歌手が大量にデビューしていきました。
オーディション番組なども行われ、スター発掘活動が盛んにあったそうです。

代表的なアイドル
天地真理(71年)、アグネスチャン(72年)、キャンディ-ズ(73年)
  花の中三トリオ「桜田淳子森昌子山口百恵」(72年)

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特に1974年あたりから爆発的なブームに。

この頃のアイドルとは「男性が持つ女性の理想像の投影物」の印象が強いです。


80’s前半 疑似恋愛の対象としてのアイドル

アイドル全盛期!!!!
(70’Sのアイドルたちは次々と引退)

1980 松田聖子デビュー!!!!

18歳とやや遅咲きではありましたが、高い歌唱力と可愛らしいルックスで、トップアイドルに上りつめました。

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(お顔がお強い)

この時代のアイドルは今も有名でテレビで活躍する逸材揃いです。

松本伊代小泉今日子中森明菜薬師丸ひろ子 など

むしろ逸材しかデビューできない時代だったのかもしれません。

若く可愛くて清純な彼女たちは男性の疑似恋愛の対象になったようです。


80’s後半 秋元康、エンターテインメント性の大改革

第一次秋元康時代
1985~ おニャン子クラブ 活動期

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メンバーの卒業加入、グループの新陳代謝という概念の導入。
グループとして成り立っていく過程そのものがエンターテインメントになりました

しかしこの頃から、疑似恋愛の対象としてアイドルを見る風潮がマイナーになっていきます。
その結果アイドルブームに陰りが見え始めます。


90’s アイドル冬の時代 女性ウケの本格派時代

1992 安室奈美恵(SUPER MONKEY’S)デビュー。
1995 安室奈美恵「TRY ME~私を信じて~」で初のTOP10入り!!!
1996 SPEEDのデビュー曲「Body&Soul」が大ヒット!!!

アクターズスクール系アイドルの台頭

ダンスも歌唱もレベルの高い、いわゆる“本格派”が主流になりました。

それまでの男性好みの女性というアイドル像ではなく、女性の憧れの存在として世に認知されはじめます。
(例:アムラー)

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また、デビューの低年齢化が進んだのもこの時期。チャイドルの出現です。

男性ですが1997年にFolderのセンターとしてデビューした三浦大知は当時9歳。恐るべし才能。

同時並行で小室哲哉によるプロデュースアイドル歌手も人気を得ていきました。

人気ミュージシャンがアイドルをプロデュースするようになったのです。


90’s後半 ハロプロ1強時代

1998 ASAYANオーディションでモーニング娘。がデビュー!!!アイドル冬の時代の果てに現れた最終手段といえます。

キャラ的にも年齢的にも非アイドル的メンツをあえて本気でアイドルグループに仕立て上げていくというドキュメント仕立ての内容を売りにし、一般の心をつかみました。

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中澤姉さんはこの時24歳。それまでならあり得なかった年齢です。


2000~2005 ハロプロ帝国の繁栄と崩壊

モーニング娘。
メンバーは高校生から二十歳前後が多いものの、年齢相応の性的成熟を感じさせず、ファミリー向けに商品化されやすいパブリックイメージが受け、新陳代謝を繰り返しメンバーが入れ変わるも、人気を獲得し国民的アイドルグループに進化

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この爆発的大ヒットの裏はやはりプロデューサーつんく♂氏の功績あってこそ!!!

(90年代の小室氏から続くアーティストによるアイドルプロデュースの流れ)

後藤真希などはソロ売りにも成功しました。

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(流石の顔面)

◎モー娘。の妹分たち

2001 アイドルサイボーグこと松浦亜弥デビュー!!!!!!!

可愛らしいルックスとキャラ、そして抜群の歌唱力。女性アイドル史を語る上ではよく時代の境目として扱われる存在です。

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この後はグループアイドルが主流なため、あややは日本で売れた最後のソロアイドルとも言われています。

2004 ハロー!プロジェクト・キッズオーディション
→後のBerryz工房℃-uteへと発展(チャイドル全盛期


2005~ 再びの氷河期

なんと言ってもCDが売れない時代。

㊟しかし2005年はアイドル史にとっては大きな転換点

2004年に矢口真里のスキャンダルなどにより、疑似恋愛の対象という旧式アイドルは、現代では通用しないことが証明されてしまいました。

そしてアイドル業界は、よりいっそう人間ドラマを売りにするようになっていきます。


2006~ 秋元康の大帝国(48グループの台頭)

第2次秋元康時代
2009 AKB48が「大声ダイヤモンド」あたりでブレイク!!!
実は爆発的なヒット曲があったわけではないんです。

コンセプトは「会いに行けるアイドル」。

高嶺の花的で遠い存在だったアイドルを身近に感じさせることで人気を得ていきました。

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安室奈美恵からハロプロへの流れを好まず、地下に潜ってアイドルを探していたかつてのアイドルファンたちが、AKBの台頭で地上に上がり始めたというアイドルオタク達の動きもありました。

その後、アイドルグループは爆発的に増えアイドル戦国時代に突入します。


2011~ アイドル戦国時代の幕開け

2011 ももいろクローバーZメジャーデビュー!!!!

コンセプトは「週末ヒロイン」。
底抜けの元気さと全力パフォーマンスが魅力。

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(この頃からメンバーカラーを意識したグループ衣装が増えたような)

2010年代のアイドルでは「アイドル×コンセプト」で個別化を図るグループが増えていきました。

その結果アイドルのコンセプトやイメージが何でもアリになり、またアイドルの奇抜化が顕著にあらわれるようになりました。

◎この時代の主なアイドル

AKB48グループももいろクローバーZ私立恵比寿中学フェアリーズ乃木坂46ぱすぽ☆東京女子流SUPER☆GiRLSアイドリング!!!でんぱ組.inc など


現在

未だ秋元康大帝国の支配は続く。
純粋なかわいさを売りにした乃木坂46がトップを走ります。(グループコンセプトは70年代、80年代のアイドルを彷彿とさせる=時代が回った?

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かわいらしさを売りにしない、つまり乃木坂46が作り上げた近年のアイドル像に裏打ちする形でデビューした欅坂46(櫻坂46へ改名)。
その下部組織同然の扱いから這い上がった日向坂46の人気が続いています。

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また私が最近推していたZOCは、完全女ウケアイドルだったので面白くて追っていたのですが活動休止となってしまいました。残念。

アイドルはおじさんの太客を狙いにいかないと売れないというジンクスがあり、それを覆せる可能性があっただけに残念です。

⚠️2021年5月現在、メンバーの卒業加入を乗り換え活動を再開しています。

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(いかにも気が強そうな彼女たちの現場は女性がほとんど。女の子が好きそうな女の子を集めたようなグループです。)

ちなみに乃木坂46も女性ウケがいいグループに見えますが、女性ウケ路線になったのはメンバーが女性ファッション誌のモデルを務め始めてからです。

最初はAKB48が持っていたファン層、つまり男性だったはずです。


またもアイドル冬の時代?

アイドルの希薄化問題

「(グループとして)アーティストになりたい」と言うアイドルが増え、アイドルをやることが恥ずかしい時代になってきたようにも感じます。例として自称ダンス&ボーカルグループの増加が上げられます。

そして2010年代に活躍したアイドルグループの度重なる解散。アイドルの冬の時代に突入しようとしているのではないでしょうか。

【おまけ】景気が悪くなるとアイドルが流行る

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参考文献
・ライムスタ-宇多丸『ライムスタ-宇多丸の「マブ論CLASSICS」
・アイドルソング時評2000-2008』宇野維正『1998年の宇多田ヒカル』
・石原真『AKB48、被災地に行く』


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