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[カレリアの口承伝統] なぞなぞ:Kontie korolla, yksi jalka peršieššä(岩の上でお尻をつき出し片足立ちしているクマって?)

フィン・カレリアの口承伝統の一つに挙げられるなぞなぞ
民話に関する記述でも少し触れていますが、カレリアには特別な期間中に悪いものから自分と家を守るために「朝にはなぞなぞを作り、夜にはおとぎ話を語る」という慣習がありました。

そんなわけで膨大な数のなぞなぞが創作され、採取されてきました。

今回は、カレリアのなぞなぞに挑戦してみましょう。
果たして解くことができるでしょうか?

なぞなぞ

1. Kontie korolla, yksi jalka peršieššä.
  クマが岩の上で、お尻をつき出して片足立ちしているよ。

2. Pappi šeisou kankahalla, yksi jalka peršieššä.
  牧師が開けた森で、お尻をつき出して片足立ちしているよ。

3. Katti šeisou kankahalla yhellä kantapiällä.
  カティアちゃんが開けた森で、1本足でかかと立ちしているよ。

4. Lemmikki lehošša šeisou yhellä jalalla.
  レンミッキちゃんが木立の中で、片足立ちしているよ。

5. Ainikki aholla seisoo yhdellä jalalla.
  アイニッキちゃんが片足立ちしているよ。

6. Lelletti levol, yksi jalgu perzies.
  木立の中でおもちゃが、お尻をつき出して片足立ちしているよ。

Mi tämä on?
これなーんだ?

答え

正解は・・・

ŠIENI(ヴィエナ)
GRIBA(リッヴィ)
キノコ

です。
皆さん、解けましたか?

出典

1~5は北部地方、6は南部から採取されたものです。

つぶやき

キノコといえば、お尻をプリっとつき出して、片足立ちしている生き物、という例えが一般的なようですね。

KattiはKatja(カティヤ)という名前の愛称。ついでに「タンポポ」の異名でもあります。
レンミッキもアイニッキも女の子の名前で、どちらも「お気に入りのもの、大切なもの」という意味があります。

女の子の名前は「可愛い生き物」の象徴としてなぞなぞに組み込まれたと考えられます。その場にいる子どもの名前が使われたのでしょう。

1, 4, 5, 6 はカンマ前の部分でちゃんと韻を踏んでいます。

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